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エキストラエンドが今後のマイル戦線をリードする存在となるかも!?
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也


今年の中央競馬開幕初日は日曜の開催となった。昨年は有馬記念が12月22日。翌23日の開催最終日からほぼ中1週の期間が空いたことで、「早く馬券を買いたい!」と思っていた方も、「例年の金杯は職場でこっそり投票」という方も、今年は“堂々と”馬券を買うことができたのではないだろうか。

いつもと同じことであっても、「1年最初の○○」が気になるのは、人間の性(さが)というもの。自分も両金杯はいつもより多めに馬券を買ってしまいました(笑)。

そんな人間のイレ込み具合はともかくとして、今年の京都金杯はG1馬の出走こそなかったものの、OP勝ち馬は10頭(うち重賞勝ち馬が5頭)、それ以外にも今回が昇級初戦となる馬が3頭出走。“今年初日の重賞を勝ちたい”という意欲に満ちた(と思う)、なかなか面白いメンバーだったのではないだろうか。

そして現在のマイル戦線というと、昨年の安田記念を制したロードカナロアはすでに引退し、マイルCSを制したトーセンラー“暫定王者”という位置づけだろう。それだけに、このレースでどの馬が今後のマイル戦線に名乗りを上げるか、そういった意味でも興味深い一戦となった。

予想を難しくしたのは、上位人気に推されていた馬の馬体重。年末最終週に中央競馬がなかったことが影響したわけではないだろうが(笑)、上位人気を占めた馬の中で2番人気のメイケイペガスター、3番人気のマイネルラクリマ、そして今回レースを制したエキストラエンドはともに10kg増での出走となっていた。

実際、メイケイペガスターは⑮着、マイネルラクリマは⑪着に敗れており、この2頭については冬の時期の調整の難しさを示す形となった。

ところが一方で、今回が初のマイル戦となったエキストラエンドは、後方からメンバー最速の上がり33秒5を繰り出しての差し切り勝ち。3歳時に476kgで未勝利勝ちしており、今回の472kgは太いというわけでもなかったのかもしれない。

さらに、エキストラエンドの半兄といえば、マイラーズCを2勝し、07年の中山記念を8歳にして制するなど、長くマイル~中距離で活躍したローエングリン。明け5歳となったエキストラエンドも、今が成長期だと考えても納得がいくだろう。

ところで、初マイルで重賞を制したディープインパクト産駒というと、今回と同じコースで開催された昨年のマイルCSを制した、当時5歳のトーセンラーが思い浮かぶ。

ディープインパクト産駒は、年を重ねて距離短縮に対応できるようになる傾向があるのだろうか。そこで、ディープインパクト産駒が制した芝1000万以上のレースの平均距離を年齢別に見てみると、以下のようになった(カッコ内は勝利数)。

3歳…1889.6m(67)
4歳…1850.0m(58)
5歳…1728.6m(14)

5歳はサンプル数が少ない面もあるが、それでも3歳と比較すると161mも短い。確かにそういった傾向はあるようだ。

忘れてはいけないのは、こういった傾向を示す要因のひとつとして、ディープインパクト産駒は3歳時にはクラシックを目指す馬が多いということもあるだろう。それでも、古馬になってからのディープインパクト産駒が距離を短縮してきたら、馬券で狙う価値はあるはずだ。

そして、エキストラエンドが今年のマイル戦線でどこまでやれるか。今回エキストラエンドが記録した勝ちタイムは1分32秒5で、昨年のマイルCSは1分32秒4。単純に比較はできないが、エキストラエンドが今年のマイルCSを勝ったとしても、驚くに値しない存在になっている可能性は十分にありそうだ。