時計勝負にも対応したストレイトガールが、今後大仕事をするかも?
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也
絶対王者として君臨していた
ロードカナロアが引退し、2014年のスプリント路線は
混戦模様。今年の
シルクロードSは今年最初の芝1200m重賞ということもあり、
「ポスト・ロードカナロアはどの馬になるのか?」というテーマがあるのでは、と感じていた。
思い起こすと、その
ロードカナロアも、当時スプリント路線のトップホースだった
カレンチャンが不在だった12年の
シルクロードSを制し、同年秋に
スプリンターズS、
香港スプリントを勝つまでの馬になっていった。
そして今年、
単勝1.6倍の1番人気に推されたのは
京都芝1200mをすべて1分7秒台の好タイムで4連勝中だったレディオブオペラ。2番人気は休み明けだった前走で
尾張Sを制した、
ストレイトガールが推された。
マジンプロスパーは
トップハンデの58.5kg、
スギノエンデバーは57kgで、重賞勝ち馬2頭のハンデが重かったこともあるが、ファンは次代を狙う牝馬に期待をかけるようなオッズ構成となっていた。
そして結果もこの2頭が上位を占める形となったが、その順番は人気通りとはいかず、少し離れた2番人気だった
ストレイトガールが直線で
レディオブオペラを交わし、2馬身半差をつけて快勝する結果となった。
ここまでならそう驚くことでもないのだが、その
勝ちタイムには目を見張った。ひと雨あって少し湿った馬場ではあったが、
1分7秒4は前述の
ロードカナロア(1分8秒3)も0秒9上回り、
シルクロードSが2回京都の開催となってから(00年以降)
最速。というより、
2月の京都芝1200mでは90年以降で最速タイムとなった。
レース前、自分は
「時計勝負になればレディオブオペラで仕方ないかな……」と思っていた。それだけに、人気の
レディオブオペラが逃げたことでペースが引き締まったこともあるとは思うが、正直
ストレイトガールがここまでのタイムで走ったことには驚いた。
というのも、このレースまで8戦連続で連対していた
ストレイトガールではあったが、その最速タイムは昨年6月と7月に函館芝1200mで記録した
1分8秒1。函館を得意にしていることから考えても、力のいる馬場が向いていて、
時計勝負には向かないと思っていたからだ。
それがこの勝ちっぷり。パワーだけでなく、卓越したスピードも証明してみせた。言うまでもなく、
この勝利の価値は高いだろう。
一方の
レディオブオペラも、今回の走破タイムが
1分7秒8。これまでと同じように逃げの手を打ち、理想的なレース運びに見えたが、最後に粘りきれなかったのは
過去最少体重(14kg減の478kg)の影響もあっただろうか。
レディオブオペラは昨年10月にこのコースで1分7秒1で走破した経験もある馬なので、時計勝負でも決して力は劣っていないはず。馬体が戻れば、パンパンの良馬場で見直してみたい。
一般的に牝馬は好調期が短いといわれるが、逆に好調時には想像以上の力を発揮することがある。11年の
スプリンターズSを制した
カレンチャンも、その
スプリンターズS以前は②①③①①①①着と好調を維持していた。
今回上位を占めた2頭、
ストレイトガールはここまでの近9走が②②①①①①②①①着、
レディオブオペラもデビューから8走で③①②①①①①②着。どちらもこの好調ぶりを活かし、
高松宮記念で大仕事をやってのける可能性は決して低くない気がする。