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ただただホエールキャプチャに脱帽
文/編集部(M)、写真/米山邦雄


降雪のため、2週連続で中止となった東京競馬。クイーンCが行われる予定だった15日(土)、悪路の中、後楽園WINSに行った友人からメールが届いた。

「すっころびそうになりながら、ようやく到着。ひとり大雪Hでした(笑)。こんなんで客なんているのか?と思ったら、びっくりするくらい馬券オヤジがいるよ! レジェンドたち、すごいな(笑)」

そんなにいっぱいいたら“レジェンド”ではないと思いますが(笑)、それはさておき。今回も懸命の除雪作業が行われ、17日(月)と18日(火)に東京競馬が行われた。職員のみなさん、除雪作業をされたみなさんに感謝したい。ありがとうございます。

東京新聞杯が行われる前日(16日)、その友人から再びメールが送られてきた。「メインレースの考え方(東京新聞杯)」に関してだった。

東京新聞杯東京芝1600mに適性が高い馬に不向きなレースだと他の所で言われていたけど、おたくの見解はそうでもないみたい。どっちが正解?」

いや、どっちが正解かはレースをしてみないと分からないけど、今回については東京芝1600mの適性以上に重要なことがあるように思っていた。それは「メインレースの考え方」でも記した通り、休み明けの馬が多いことだった。

出走予定馬16頭のうち12頭が休み明けで、サトノシュレンリルダヴァルが取り消したため、結局、14頭のうち11頭が休み明けでの出走となった。

休み明けではなかったのはエキストラエンド(中5週)、クラレント(中7週)、ラインブラッド(中1週)の3頭で、「メインレースの考え方」では、前走着順の良いエキストラエンドを◎、クラレントを◯とした(▲はサトノギャラント)。エキストラエンドクラレントは2度の輸送というハンデがあったものの、それよりも休み明けではないことの方を重視した。

過去の東京新聞杯ではディープインパクト産駒が[0.0.0.5]で、5頭中4頭が1~3番人気で凡走していた。だからこそ、切れ味に勝るようなタイプがむしろ危険という見解が流布されやすかったのだろう。

確かにその通りで、2月に行われる東京新聞杯は、他の東京芝1600mの重賞に比べれば馬場が多少重く、異質と言える。でも、単純な話、そんな小さな差よりも、順調度の方が重要だと思いませんか?

今回に限らず、過去のデータを扱う際は、その時のメンバー構成でいちばん重要度の高いものをピックアップすべきだ。過去のデータでは差しが決まりやすいレースでも、逃げ馬が1頭だけだったら、どうします? データの扱いは臨機応変にしていくべきだろう。

結局、今回の東京新聞杯では②着にエキストラエンド、③着にクラレントが入り、東京芝に実績があって休み明けではない馬が上位入線を果たした。その点は良かったのだが、優勝したホエールキャプチャは休み明け(3ヶ月ぶり)で、牝馬57kgを背負っていたために狙いを下げてしまった。

ホエールキャプチャはそれまでの東京芝1600m成績が[2.1.0.0]だったから、今回は、「東京芝1600mに適性が高い馬を軽視する」作戦ではなく、「休み明けではない馬を重視する」作戦でも完璧ではなく、やっぱり「東京芝1600m重賞での実績を重視する」ことが正解だったのだろう。

牝馬で57kgを背負い、それまで[0.0.0.4]の重馬場で、さらには馬群のいちばん外を回って他馬をまとめて差し切ったのだから、ホエールキャプチャには驚かされた。この思いは陣営も同じだったようで、レース後には謝罪のような談話も聞かれた。

でも、「斤量面が課題」とのレース前のコメントは正直な思いだったのだろうから、今回の結果を受けてそれを非難すべきではないだろう。正直な思いを話してそれが裏目に出て非難を浴びたら、今後、正直な思いがコメントされなくなる恐れがある。今回に関しては、ただただホエールキャプチャに脱帽するしかない。

ホエールキャプチャは一昨年に制したヴィクトリアマイルが当面の目標となるのだろう。同レースは一昨年が①着、昨年がハナ差の②着で、今回のレースぶりを見れば、今年もかなり有力であることが窺える。

ヴィクトリアマイルはこれまでに8回行われていて、6歳以上の馬は[0.0.2.27]で連対圏に入れた馬がいない。秋のエリザベス女王杯を含めても、古牝馬混合の芝G1では6歳以上の馬が勝てていない([0.1.3.49])。現在6歳のホエールキャプチャはこのデータに挑むことになる。

果たして、今春のヴィクトリアマイルでは、年齢に関するデータの重要度がいかほどだろうか?