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マイネルメダリストは一口の楽しさを凝縮したような馬
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也


前走でメトロポリタンSを制したラブリーデイが抜けた1番人気に推されたこのレース。結果は、2番手追走のラブリーデイがゴール前で力尽きて⑤着に敗れる中、大外から8番人気のマイネルメダリストが差し切る結果となった。

実は、今回レースを制したマイネルメダリストは、週中の時点で個人的に気になる馬だった

その理由は、『サラブレモバイル』内の連載「一口クラブを楽しもう(5月29日更新分)」にある。ユーザーの皆さんから「今年上半期に開催された重賞に出走した、あるいはする予定の出資馬がいれば、レース後であればその感想、レース前であれば期待のほど」を募集したところ、以下のようなメッセージが届いたからだ。

「目黒記念にマイネルメダリストが出走予定です。長く走ってもう6歳。重賞は3歳時のセントライト記念以来ですが、ハンデ54kgなら一発あるのでは…と密かに期待しています!」(PNリーチさん)

確かに、マイネルメダリストはOPへの昇級戦となった前走の大阪-ハンブルクCでもタイム差なしの④着に好戦しており、展開次第では、と期待を抱かせる内容だった。

出走馬のハンデを見渡すと、57.5kgでトップハンデを課されたのはムスカテールアスカクリチャンで、昨年東京芝2500mで開催された重賞を制した2頭(ムスカテール目黒記念アスカクリチャンアルゼンチン共和国杯)。前述のラブリーデイは57kg。もっとも軽いのは48kgのイケドラゴンで、その差は9.5kg。かなり大きな差がつけられていた。

そんな中、マイネルメダリスト前述のようにハンデ54kg。OP実績馬に対してハンデ面でかなり有利な存在だったといえるだろう。

皆さんも経験があるかと思うが、予想の段階で一度気になるとなかなか歯止めをかけるのは難しい。東京芝で③②④⑤③④着と掲示板外がなかったり、良い面ばかりが目についてしまった(笑)。ただ、「東京で勝っているわけではないし…」ということで、個人的な馬券は3連単の②③着付けにしてしまったのだが…。

マイネルメダリストは今年で6歳になるが、今回の目黒記念を含めて36戦をこなし、掲示板外はわずか7回。募集総額1400万円(100口)に対し、今回の勝利で約1億9000万円の賞金を稼いできたことになる。

一口クラブの連載でもたびたび記しているが、コンスタントに走ってコツコツ結果を残す馬は、本当に持っていて楽しい。それが条件戦でもOPでも。G1で勝つ馬を持つだけでなく、そのような楽しみ方もあるということを、これから一口を始めようとする方には強くお伝えしたいと思います(笑)。

ところで、今回マイネルメダリストの鞍上を務めた蛯名騎手にとって、目黒記念は12年以来の勝利。この12年はふたつ前のレースとなるダービーで、フェノーメノに騎乗してディープブリランテにハナ差②着と惜しい敗戦を喫している。

騎手のメンタルは、レースの結果に大きく影響を及ぼす場合があると聞く。ダービーが僅差だっただけに、本人にとっても悔しさが大きいことは想像に難くないが、蛯名騎手は逆境や悔しさを力に変えるタイプ、ということなのだろう。

蛯名騎手にとって今回のダービーは22回目の挑戦で、②着は2回目となる。それでも、延べ20頭目の挑戦で“悲願の”ダービーを制した橋口師のように、今回の悔しさを晴らす機会はまだまだあるはずだ。