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今年のセントウルSは、“因果は巡る”結果になった
文/編集部(T)、写真/森鷹史


レース後の感想は、「やっぱり今年も休み明けの1番人気が勝てなかったか……」だった。因果は巡る、とでも言ったらいいのだろうか。馬の立場は変わったが、今年のセントウルSの結果は昨年と相似したものとなった。

昨年のセントウルSで、3ヵ月ぶりの出走ながら1番人気に推されたスプリント王者のロードカナロアを下したのは、2番人気のハクサンムーンアイビスサマーダッシュに続く重賞連勝で、サマースプリントシリーズ優勝を決めた。

そして、今年1番人気に推されたのは、高松宮記念以来5ヵ月半ぶりの出走となったハクサンムーン。今回のハクサンムーンは2番手追走から直線で一旦は抜け出す脚を見せたが、外から並びかけてきたリトルゲルダに抵抗できず②着に敗れた。

勝ったリトルゲルダは、この勝利で今年のサマースプリントシリーズチャンピオンの座を勝ち取った。馬名の由来である“ゲルダ”はアンデルセン童話『雪の女王』のヒロインから取られたとのことだが、それがサマーシリーズチャンピオンに輝くというのだから面白い(笑)。

余談はともかく、これでセントウルSがG2となった06年以降、9頭の勝ち馬はすべて夏の重賞を使ってきた馬。今回のハクサンムーンのように、春のG1戦線を戦ってきて今回が復帰初戦となる馬が人気に推されるも、夏に使ってきた馬に敗れるという構図は、今年も続くことになった。

リトルゲルダの勝ちタイムは1分7秒4。昨年のハクサンムーンのそれが1分7秒5だから、レースのレベルは昨年のと比べても遜色ないものだったと考えても良さそう。サマースプリントシリーズが創設された06年以降、同シリーズチャンピオンのスプリンターズSにおける成績は⑧②⑦③⑤③⑧②着セントウルS勝ち馬も⑧②⑦⑤④③④②着で、いずれの条件でもまだ勝利はない。今年はこの壁を越えられるかが焦点になりそうだ。

そして、その壁を越えられる可能性はある。北九州記念「速攻レースインプレッション」で、リトルゲルダは次走が休み明け3戦目で、まだ上積みが見込めそう”と書いた。では4戦目は?と見てみると、デビュー4戦目は①着、過去の休み明け4戦目も①着と、むしろ3戦目以上の好成績だった。

リトルゲルダは3走前のアイビスサマーダッシュが半年ぶりの出走で休養は十分だったと思われるし、それから馬体重が476kg→482kg→490kgと、使われつつ馬体を増やしている。これまでの結果を見ても使い減りは少ないタイプだろうから、“夏が終わったので、はいおしまい”となるとも思えない

また、かつてリトルゲルダ“新潟芝直千”のスペシャリスト([2.1.2.1]で⑤着以下なし)として知られていた。スプリンターズSは芝1200mとなるが、今年の新潟開催が追い風となっても不思議はないだろう。

一方、11、12年のロードカナロアはいずれも休み明けのセントウルSで②着に敗れているが、次走のスプリンターズSは2年ともに勝利している。昨年のハクサンムーンスプリンターズSでそのロードカナロアの②着に敗れたが、次走は一度使われた上積みが見込めるはずなので、昨年と相似する結果となっても驚けない。

実績馬ハクサンムーンが巻き返してリベンジマッチを制するか、上がり馬リトルゲルダが再度返り討ちにするか。今年のスプリンターズSは、5歳馬同士の対決から目が離せない。