2歳重賞では収穫の今後と1番人気の成績に注目
文/編集部(W)、写真/稲葉訓也
ファンタジー(幻想)ではなくてこれは
現実。
2歳重賞戦線異状あり、である。
■2014年の2歳重賞③着以内馬の人気(11月9日終了時点)
| レース名 |
①着 |
②着 |
③着 |
| 函館2歳S |
4 |
11 |
2 |
| 新潟2歳S |
3 |
1 |
6 |
| 札幌2歳S |
5 |
11 |
7 |
| 小倉2歳S |
15 |
1 |
2 |
| いちょうS |
4 |
2 |
3 |
| アルテミスS |
9 |
1 |
11 |
| 京王杯2歳S |
11 |
4 |
1 |
| ファンタジーS |
14 |
1 |
3 |
パッと見た感じで分かるのは、
“荒れ模様”ということだろう。平穏だったのは6番人気以内で決着した
新潟2歳S、4番人気以内で決着した
いちょうSくらいで、その他の6レースではすべてふた桁人気が馬券に絡んでいる。
しかも、6レース中5レースは連対圏内まで食い込んでいて、そのうち3レースは勝利。
小倉2歳S①着の
オーミアリスは単勝120.2倍、
ファンタジーS①着の
クールホタルビは単勝92.3倍という
超大穴でもあった。
キャリアが浅いうえ、対戦比較も難しい2歳重賞なら
波乱の決着も驚くことではない。ここまではたまたたそういうケースが多かっただけかもしれない。ただ事ではないと感じたのは、8レースを終了してもまだ
1番人気が未勝利であることだ。
| 90年 |
2戦目 |
00年 |
5戦目 |
10年 |
2戦目 |
| 91年 |
5戦目 |
01年 |
4戦目 |
11年 |
4戦目 |
| 92年 |
2戦目 |
02年 |
5戦目 |
12年 |
6戦目 |
| 93年 |
1戦目 |
03年 |
2戦目 |
13年 |
1戦目 |
| 94年 |
1戦目 |
04年 |
2戦目 |
14年 |
? |
| 95年 |
8戦目 |
05年 |
3戦目 |
|
|
| 96年 |
5戦目 |
06年 |
4戦目 |
|
|
| 97年 |
2戦目 |
07年 |
7戦目 |
|
|
| 98年 |
3戦目 |
08年 |
3戦目 |
|
|
| 99年 |
2戦目 |
09年 |
1戦目 |
|
|
上記の表は、その年の2歳重賞で1番人気が何戦目で勝利したかを表すもの(同日に行われたレースは発走時刻の早い順)。ほぼ5戦目以内で、
6戦以上を要したのはわずか3年。ワーストは95年の8戦目で、8連敗の今年は90年以降での
ワースト更新となってしまったのである。
この後は
デイリー杯2歳S(11月15日)、
東京スポーツ杯2歳S(11月24日)、
京都2歳S(11月29日)と、2歳重賞が3週連続で組まれていて、
デイリー杯2歳Sの過去10年の1番人気は
[4.3.0.3]、
東京スポーツ杯2歳Sの1番人気は
[6.1.0.3]でもあり、さすがにこのあたりで
“初勝利”となりそうだが、どうなるだろうか。
そんな中、
ファンタジーSで1番人気だったのは、
フェニックス賞①着、
小倉2歳S②着の実績を持つ
レオパルディナかと思いきや、
新馬戦①着、
りんどう賞②着の
ダノングラシアスだった。
ダノングラシアスはじっくりと後方内で脚を溜め、直線は馬群の中から上がり33秒3で差し込んで②着。いかにもこの後、距離が延びても対応できるよう、先々を見据えたうえでの競馬という印象で、ゆったりしたペースも重なってしまい、1番人気に応えられなかったが、その中で連対を確保しながら賞金を加算できたのだから
収穫ありなのだろう。
シンガリ人気で勝利した
クールホタルビも、
小牧騎手がレース後のインタビューで
「折り合いがついたことが勝利につながった」と話していたように、“折り合い”に進境を示したと同時に
“重賞タイトル”も手中にしたのだから、
収穫大だったのではないだろうか。
ゆったりしたペースで好位内という絶好のポジションに収まり、折り合いもつき、有力馬が中団より後ろからレースを進めるなど、
勝つ時はすべてが上手くいくものだと感じたが、
フェニックス賞で①着
レオパルディナと0秒1差の②着という実績はダテではなかったということだろう。
その
レオパルディナは初距離と外枠が嫌われたのか、2番人気でレースを迎えることに。ひと桁馬番で内目を通った馬が掲示板内を占めたことを考えると、外枠(8枠13番)から大外を回って0秒2差まで追い込んだ内容は⑥着とはいえ
負けて強し。レースぶりに幅が出たのも
収穫と言えるだろう。
とはいえ、
『メインレースの考え方』でも書かれていた通り、今回の出走馬で1400mを超える距離に出走経験があるのは
ウインソワレ、
ニューエディションだけ。
京王杯2歳Sを制した
セカンドテーブルも、この
ファンタジーSを制した
クールホタルビも
小倉2歳S組であり、現状では1400m以下しか経験がなく、1600mとなると未知数の距離となる。
この後の2歳重賞はすべて1600m以上となるから、
ファンタジーS組をはじめ、1400m以下の重賞に出走していた馬の多くは、
これからが正念場と言えるのではないだろうか。
今回得られたものがこの後のレースにどう活きてくるのか、1番人気の成績とあわせて注目したい。