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今年も“スペシャリスト”が上位を占める結果となった
文/編集部(T)、写真/森鷹史


昨年、一昨年と、阪神C有馬記念翌日の月曜日に開催されてきたが、今年は最終週が土日開催のため、有馬記念前日の土曜日に組み込まれた。

その2年は3連単の配当が30万円前後の荒れた決着のため、有馬記念を当てようと外そうと、その翌日に阪神Cでメタメタにやられる……という流れだったのだが、今年は少し安心して(?)阪神Cに挑むことができた。

メンバーを見渡すと、1番人気が今年のNHKマイルCを制したミッキーアイル、2番人気が今年のスプリングSを制したロサギガンティア、3番人気が今年の高松宮記念勝ち馬コパノリチャード。さらに昨年のスプリンターズS②着馬ハクサンムーンも出走し、G2の中でも高賞金を誇るレースにふさわしいメンバーが集結した。

そんな中、注目されたのはハナ争い。逃げて好成績を収めてきたミッキーアイル、ハクサンムーン、コパノリチャードなどが出走してきたことで、どの馬が逃げるのかがレースのポイントのひとつとなった

一方で逃げ争いが注目された中、昨年の阪神Cの覇者リアルインパクトが今年も出走してきた。

昨年のリアルインパクトはアッと驚く逃げ切り勝ちを収めており、ここで逃げても不思議のない存在ではあったが、そもそもハナに立ったのがキャリアの中でもこのレースだけ。昨年は恵まれた勝利という見方で、今回は昨年と同じ8番人気とほぼノーマーク。“どの馬が逃げるのか”という話題の中でも、この馬の名前は出てこなかったように思う。

果たして、今回のリアルインパクトは逃げなかったが、中団外目に控え、直線で外から力強く伸びてコパノリチャードとの接戦を制し、連覇達成となった。

リアルインパクトのここ2戦は休み明けで8kg増、18kg増と太め残りだったようだが、今回は20kg減(518kg)で、昨年勝ったとき(514kg)とほぼ同体重で出走してきた。ここを狙いすましたと思われる、陣営の仕上げも勝因として見逃せない。

また、逃げたハクサンムーンが⑱着にシンガリ負け、2番手につけたミッキーアイルが⑦着に敗れているところを見ると、前に厳しい流れだったということなのだろう。それだけに、違うペースで連覇したリアルインパクトにとって、このコースに対する適性の高さを存分に活かした結果ということもできそう。

過去6年の阪神C勝ち馬を振り返ると、09~10年がキンシャサノキセキ、11~12年はサンカルロ、そして13~14年はリアルインパクト。すべて前年に続く連覇を達成している。07年はスズカフェニックス、08年はマルカフェニックスが勝っており、パッと見て「あれ、これもだっけ?」と思ったのはご愛敬です(笑)。

勝ち馬だけでなく、今回の②着馬コパノリチャードもこのコースで開催された今年の阪急杯を勝っており、昨年10番人気、一昨年14番人気でともに②着のガルボも11年阪急杯②着に好走した実績のある馬だった。

結果的に、阪神芝1400mはスペシャリストが好走しやすいコースということを改めて証明した形。来年以降もコース実績馬には注意が必要になるだろう

そして、かつては今回が引退レースとなるサンカルロ“阪神芝1400m巧者”として知られていたが、リアルインパクトが代わって新・巧者として今後も君臨し続けるのではないだろうか。

リアルインパクトは明けて7歳? いやいや、本馬の半兄アイルラヴァゲインは8歳でOP特別勝ち、10歳で引退レースとなったクラスターCで③着に好走している。まだまだ老け込むには早いはずだ。