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勝ったベテラン、敗れた4歳馬、それぞれの今後に注目
文/編集部(T)、写真/森鷹史


自分が書いた昨年のシルクロードS「速攻レースインプレッション」を読み返すと、ロードカナロアの引退直後とあって、“ポスト・ロードカナロアはどの馬になるのか?”がテーマだった、と書いていた。

あれから1年。ポスト・ロードカナロアは見つかっただろうか。そう聞かれて、「見つかった」と言う人は多くないのではないだろうか。

よく考えてみると、それもそのはずで、香港スプリント連覇などG1を6勝するほどの名馬が簡単に出てくるはずはない。正直なところ、簡単に“ポスト”などと言ってしまったことで、ロードカナロアが成した偉業の価値を下げてしまったのではないかと反省さえしています(笑)。

それでも自分を含め、競馬ファンはヒーローやヒロインを探してしまうもの。個人的な今年のシルクロードSのテーマは(昨年の反省を踏まえて表現を緩めて)、“次世代のスプリントG1路線を引っ張っていく馬を探すこと”とした。

そう考えたファンが多かったことはオッズにも表れていて、1番人気に推されたのは4歳馬エイシンブルズアイ。まだ重賞勝ちはないが、前走ではこのコースで開催された淀短距離Sを快勝し、初重賞制覇を狙ってここに挑んできた。

この流れは過去から続いてきたシルクロードSの傾向で、05~14年の10回を振り返ると、4歳馬が1番人気に推されたのが10回中実に8回。年明け最初のスプリント重賞ということもあってか、ニューヒーロー誕生を期待するケースが多かったことが窺える。

ところが、過去10年で1番人気に推された4歳馬は[1.1.1.5]で、勝ったのはロードカナロアのみ。勝ち馬10頭中9頭が5~6歳馬で、ベテランの壁が立ちはだかるケースが多かった。

そして今年もこの流れが続き、レースを制したのは6歳牝馬アンバルブライベン。スタートから終始ニザエモンに競りかけられ、一旦はハナを奪われる場面もあったが、4角で先頭を奪い返すとあとは一人旅。外から差してきた②着サドンストーム、最内を捌いて伸びた③着セイコーライコウを振り切って、昨年の京阪杯に続く重賞2勝目を飾った。

ハンデ55.5kgは58kgのマジンプロスパーに次ぐ実質2番目。斤量57kgだった前走は55kgのエイシンブルズアイに交わされたが、今回はエイシンブルズアイが56kgになったことで、当然の逆転ということだったのだろう。

タイムを見ても、勝ち時計の1分7秒9は過去20回で5位の好タイム。競りかけられたことでレースの前半600mは33秒9となったが、これは2010年以降で最速のラップだった。時計的にもなかなか優秀だったことが分かる。

では、今後はどうか。前述したようにこのレースはベテラン勢が強いが、ここを勝って“はい、上がり”という馬はさほど多くなく、過去10年の勝ち馬の次走が高松宮記念だった時は[2.1.2.4]と、続けて好走するケースも多い。

アンバルブライベンは過去の馬券圏内がすべて平坦コースで、脚質的にも直線の坂に課題がありそうだが、本格化したことを感じさせる今なら中京に出走したとしても侮れないのではないだろうか。

一方で、過去10年のシルクロードSで1番人気に推されて敗れた4歳馬も“壁にぶつかって終わり”という馬は多くなく、後に重賞を勝ったアイルラヴァゲインスプリングソングをはじめ、7頭中4頭が後にOP勝ちや重賞連対の実績を残している

今回はアンバルブライベンエイシンブルズアイで明暗を分けたが、アンバルブライベンが課題を克服できるか、エイシンブルズアイがこの敗戦を糧にどこまで巻き返せるか、それぞれ注目だ。