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グランデッツァの一族は勝ち星から遠ざかっていても侮れない!?
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也


かつては夏の福島開催の締めくくりとして開催されていた七夕賞が、2週目の開催となったのは13年。それ以降、このレースの性格がガラリと変わった

といっても、“荒れやすい”のは相変わらずで、ふた桁人気馬が馬券に絡んだ過去2回同様、今年もシンガリ人気のマデイラが③着に粘り込み、3連単は100万円を超える配当となった。

では何が変わったかというと、まずは勝ちタイム。かつては2分台が当たり前、速くても1分59秒台だったレースが、13年以降は1分58秒台で決着している。その要因としては、エクイターフの導入などをはじめ、馬場状態の改善を図ったこともあるかもしれないが、開催が早まったこともあるはずだ。

そして、馬場状態が変わったことで、もうひとつ変わったことがある。かつては差し馬の台頭が目立ったが、13年以降の勝ち馬(13年マイネルラクリマ、14年メイショウナルト)が4角先頭からそのまま押し切っているように、前に行った馬が残るケースが増えている

前置きが長くなったが、開催時期が変わって3回目となる今回は「過去2年の傾向がそのまま通用するのか」を個人的な注目点としてレースを見ることにした。同じ傾向が3回続けば、次からは皆の共通認識になって美味しくない、という下心もある(笑)。

ということで、まずはハナ争いに注目したが、結果的には“争い”にならず、トウケイヘイローがすんなりとハナに立ち、メイショウナルトは2番手に控える形となった。

この隊列はある程度想定内だったが、そのトウケイヘイローが作ったペースは少し予想外だった。

その1000m通過タイムは59秒5。普通ならミドルペースの範疇だが、七夕賞が2週目の開催となった過去2年はいずれも前半を58秒台で入り、前述したように4角先頭の馬がそのまま押し切っている。

トウケイヘイローは買い目になかったので、「このままなら粘られる……!」と思ったのが正直なところ。結果的には粘れなかったが、ハンデ58kgで、長期休養明け2戦目でまだ本調子になかったのかもしれない。

人気馬のうち、出遅れた1番人気レコンダイトは⑫着、3番人気アルフレードはそういった傾向を考えてか、いつもより前の中団につけて運んだが⑤着までだった。JRA発表で4角2番手のグランデッツァが①着、シンガリ人気のマデイラが③着、メイショウナルトが④着に入ったわけだから、やはり前に行った馬が有利な展開だったのだろう。

ただ、展開が味方した面はあるかもしれないが、それでもグランデッツァの強さは際立っていた。前述したように前半1000mは過去2回より遅かったが、勝ちタイムは過去2年より0秒5~0秒7速い1分58秒2。結果的には力も違っていた。

グランデッツァは12年のスプリングSから3年以上重賞勝ちから遠ざかっていたが、これが久々の重賞3勝目。思い起こせば、グランデッツァの姉マルセリーナも11年桜花賞勝ちから2年2ヵ月ぶりで13年マーメイドSを制している。

その13年マーメイドSレースインプレッションも自分が書いていた。それを読み返すと、「少々のハンデ差でG1好走馬を軽視してはいけない」と肝に銘じたらしい(苦笑)が、今回はグランデッツァの一族は少々勝利から遠ざかっていても軽視してはいけない」と誓いたいと思います(笑)。

気をつけたいのは、前有利の傾向は今後も続くのかどうかということ。レースを改めて見直すと、向正面で後続の仕掛けが早く、3角手前では馬群が一団になっていた。このことからも分かるように、前が止まりづらい傾向は騎手の皆さんも当然把握していると思われる。

これを見る限り、来年の七夕賞も前有利かというと、決してそうとは言い切れないだろう。3度続いたことが4度あるとは限らないのが、七夕賞が荒れ続ける理由なのかもしれませんね。