格の違いを見せつけて快勝、今度は目指せブルーコンコルド!?
文/浅田知広、写真/森鷹史
中京競馬場での開催は、今年で4回目となる
プロキオンS。さすがに3回ではサンプルが
不足気味だが、そんな中で気になっていたのは枠番別の成績で、
3枠が
3連勝中(1~3枠で5連対)。今年はどの馬が引くのかと見てみれば、引き当てたのは上位人気必至の
レッドアルヴィスと
コーリンベリー(ちなみに昨年の
ユニコーンS①②着馬である)だった。
さらに。同じく過去3年の③着以内馬9頭中8頭は前走オープン特別組、残る1頭は地方の交流重賞。今年
3枠を引いた
レッドアルヴィスは前走でオープン特別の
欅Sを勝ち、
コーリンベリーは名古屋の
かきつばた記念優勝と、もう枠を見た瞬間に
「枠単を売ってくれ!」と思ったものだ。
加えて、このレースの1番人気は過去19回
[8.5.4.2]で、00年以降にかぎれば
複勝率100%。枠単の話はさておくとしても、
それなりに堅い結果になるのだろうなあ、などと思いつつレースを迎えたのだった。
そんな一戦で、ハナを切ったのは2番人気で
「3枠」6番の
コーリンベリー。レース序盤はもう1頭の牝馬
サマリーズと少し競るところもあり、ハイペースになるかと思いきや、600mの通過は34秒6。芝スタートの1400m戦としてはこんなもの、という程度に収まった。
これを見つつ好位で進んだのは、
ベストウォーリア(4番人気)に、
「3枠」5番の
レッドアルヴィス(1番人気)。ここから少々離れて中団の前に
エアハリファ(3番人気)と、人気どころは前々でのレース運び。このまま流れていって、上位人気決着かという展開だ。
そして迎えた4コーナー。逃げた
コーリンベリーが後続を離しにかかり、大外からは
レッドアルヴィス。やっぱり今年も勝つのは
3枠か、と思ったものの、まだまだ長い中京の直線コース。直線半ば、大外
レッドアルヴィスの脚色が怪しくなったと同時に、前では
コーリンベリーに襲いかかる
ベストウォーリア。
いやいや、枠単で大勝負なんてできなくて良かったという、「1枠」2番の
ベストウォーリア快勝、そして
コーリンベリーの②着。やっぱり過去3年・3レースくらいの結果を過信するのはよろしくない。
ともあれ、昨年は
3枠6番で優勝した
ベストウォーリアが、今年は1枠2番からのスタートでこのレース連覇。そして③着には、昨年の②着馬
キョウワダッフィー(8番人気)。同じ馬が同じ時期に同じコースのレースを走るのだから、過去の3年程度の傾向よりも、
素直に実績を信頼すべきだった、という結果である。
ただ、その
ベストウォーリアは、昨年の56キロから、今年は3キロ増えて
59キロでの参戦だった。もちろん実績があるから増えているわけで、昨年は次走の
南部杯でG1初制覇。今年も
フェブラリーS③着、そして前走の
かしわ記念②着と、今回と比較すれば明らかに格上のメンバーを相手に好走を重ねてきた。今回は
59キロが嫌われての4番人気だったと思われるが、そんな
格の違いを見せつけるかのような2馬身差の快勝だった。
今年もおそらく
南部杯連覇が大目標になるだろう。近年はあまりG1を勝てていなかった
プロキオンS優勝馬だが、
ブルーコンコルド(05年優勝)の
南部杯3連覇まで迫れるかどうか。その後は昨年同様に中距離を目指すのか選択は難しそうだが、いずれにしても、秋のダート戦線を盛り上げてくれそうだ。
そして②着の
コーリンベリー。3歳の昨年は
ベストウォーリアから0秒4差の⑨着だったが、今年は渋太く②着を確保。この1年で重賞を含む1400m戦
3勝を挙げ、地力を強化してきた。中央の重賞でダート1400m戦はほかに
根岸Sしかないが、先行力を活かせる地方競馬には、このあと8月の
サマーチャンピオン(佐賀)など活躍の場はいくつもある。ただ、大レースとなると前後する距離にも対応したいところ。4月の
コーラルSでは控える形でも圧勝しているだけに、まだまだ幅は広げられそうだ。