ヤマカツエースは同じ父を持つラブリーデイに続けるか?
文/編集部(T)
金杯は例年なら1月5日の開催で、
平日となることが多い。自分もかつて普通のサラリーマン(語弊がある言い方ですが)だった時代は、こっそりと……ではなく、同僚や上司も同様に競馬好きだったので、けっこう
堂々と(笑)仕事中に馬券を買っていたことを思い出す。
とはいえ、その頃はネット中継など普及していないし、仕事中にテレビはもちろん、ラジオを聞くのもさすがに憚られる。PAT口座をチェックして、一喜一憂するのが自分にとっての
金杯だったのです(笑)。
それに対し、最近はスマホが普及したこともあって、仕事の連絡を受けているようなふりをして競馬をチェックできる(オススメはしませんが)。ネット対応の面で、中央競馬はまだまだ批判されることが多いが、昔に比べれば便利になった。
皆さんは今年最初の競馬をどんな形で迎え、また結果はいかがだったでしょうか?
さて、その
金杯はハンデ戦のG3ということもあって、いかにも荒れそうな印象も受ける。だが実際は近年の中山、特に勝ち馬に限るとそこまで荒れておらず、
06~15年の10回で5番人気以内の馬が9勝。実力馬が力を発揮するケースも多い。
昨年は
ラブリーデイがこのレースで初重賞制覇を飾り、その後の大活躍はご存じの通り。それ以外にも、かつては
ジャスタウェイ(13年③着)、
マイネルキッツ(09年④着)、
シャドウゲイト(07年①着)、
サクラローレル(95年①着)などが
中山金杯をステップに後のG1制覇へ繋げている。
今回、
ベルーフは発走除外となったが、
出走した13頭のうち重賞勝ち馬が6頭で、なかなかレベルの高いメンバー構成。ところが1番人気の
フルーキー、2番人気の
ブライトエンブレムなど、有力馬は差し脚質の馬が多く、
ペースがさほど上がらないことが予想された。
スピリッツミノルの大逃げも?とさえ思えたほどだ。
ゲートが開くと、その
スピリッツミノルを交わしてハナに立ったのは、これまで一度も逃げたことがなかった
マイネルフロスト。前半1000m通過は62秒3で、これは90年以降に中山で開催された
金杯の中でもっとも遅い。
馬群が縦長なのにスローペース、そして後続を離しての逃げという、絶好の流れに持ち込んだ。
結果的に
マイネルフロストは②着に粘ったわけで、ペースが遅いと見て果敢に行った
松岡騎手のファインプレーだったのだろう。
そして、その
マイネルフロストを差し切ったのが
ヤマカツエース。前走の
福島記念はハンデ54kgだったが、今回は
56kgを問題にせず、重賞連勝となった。
昨年春までは短距離~マイル路線で活躍してきた馬が、昨年夏の
函館記念(③着)で初めて芝2000mに挑戦し、その後
芝2000mで③④①①着。前述したように
マイネルフロストにとって絶好のペースとなっただけに、
これを交わしたことは素直に評価すべきだろう。
その血統に目を向けると、
ヤマカツエースの母
ヤマカツマリリンは父
グラスワンダーで、6歳にしてOP入りし、OP特別で2回②着に好走している馬。
キングカメハメハ産駒といえば昨年の
ラブリーデイも同じで、まだまだ伸びしろも秘めていそう。
今春はマイル路線に向かうか、中距離路線となれば
宝塚記念が目標になりそうだが、今回のペースでもスムーズな折り合いを見せたことで、芝2200mにも対応は可能ではないだろうか。
ゴールドシップこそ引退したが、
ラブリーデイ、
ショウナンパンドラなど、昨年のG1戦線を賑わした馬の多くがまだまだ現役で、今春には
ドゥラメンテが復帰予定となっている。そんな中で、
ヤマカツエースが殴り込みをかけられるか。今後の路線も含めて注目したい。