お年玉をもらえた人ももらえなかった人も……2016年は始まったばかりです!
文/編集部(M)、写真/森鷹史
金杯(西)として
2000mで行われていた頃は、93~95年に3連勝(
エルカーサリバー、
エイシンテネシー、
ワコーチカコ)をするなど活躍していた
牝馬だが、
京都金杯として
マイル戦となった00年以降は
男馬の好走の方が多く、
牝馬は[1.1.4.29]という成績だった。それが今年は
6歳牝馬の
ウインプリメーラが制し、00年の
キョウエイマーチ以来となる
牝馬の優勝(16年ぶり)となった。
キョウエイマーチは
牝馬ながらハンデ57kgを背負い、それでいて5馬身差を付けて圧勝していたので、今回の
ウインプリメーラをそれと比較するのは酷だろうが、先行して押し切るという
立ち回りの上手さとスピードは共通していて、それを可能にした
好枠(
キョウエイマーチは3枠6番、
ウインプリメーラは4枠7番)を引き当てたことも勝因のひとつだったろう。
京都金杯という名称でマイル戦になってからは今年で
17年目になるが、この間に
ふた桁馬番で優勝した馬は3頭しかいない。01年
ダイタクリーヴァ(馬番15番)、04年
マイソールサウンド(馬番12番)、07年
マイネルスケルツィ(馬番12番)で、
ダイタクリーヴァと
マイネルスケルツィは先行していた(
マイソールサウンドは4角7番手)。その3戦は
1分33秒3~1分33秒9という決着時計でもあった(今年は1分33秒0)。
1分33秒を切るような決着時計が出るようになってからは
ひと桁馬番の馬ばかりが優勝していて、時計が速くなると、真ん中から外枠の馬が勝利するのは
物理的に厳しくなってくるようだ。それを考えれば、
7枠14番という枠順ながら半馬身差まで迫った②着の
テイエムタイホーは、強い競馬を見せたと言えるのだろう。
08年以降の
京都金杯は
ひと桁馬番の馬が8連勝していて(今年で9連勝)、10年の
ライブコンサート以降は
重賞未勝利馬が6連勝していた(今年で7連勝)。重賞を勝っていないと、多少なりとも
ハンデが重くならない面があるのだろう。それでいてその6頭の勝ち馬は
京都芝で勝ち鞍があり、平坦コースでの実績があった。
近年の
京都金杯は、
「ひと桁馬番」、
「重賞未勝利」、
「京都芝での勝ち鞍」という3点をセットで持っている馬に
追い風が吹いていたわけだ。今年は「京都芝で勝ち鞍があって重賞未勝利の馬」が4頭(
ウインプリメーラ、
エイシンブルズアイ、
バッドボーイ、
ミッキーラブソング)だったので、どれが
ひと桁馬番に入るか!?と注目していたが、あろうことか4頭すべてが
ひと桁馬番だった……(苦笑)。それでも、この中から
ウインプリメーラという勝ち馬が出たから、来年以降もこの3点セットを持った馬には注目したい。
出走馬の馬主さんや管理する調教師や厩舎関係者、騎手にとっては、ここまで枠順によって成績に差が出ると、
ちょっとやってられないという気分になるんじゃないかと危惧する。
東京や
中山の芝では、開幕週なのに外差しが決まることも多くなってきているから、
少し馬場をいじってもいいんじゃないかと個人的には思ったりもしていた。
ところが、
ある知人の言葉でその思いは封印することにした。
「金杯なんだから、お年玉だと思ってありがたく頂戴しようよ」と言われたのだ。
まあ、確かに、ここまで
強い傾向が出ていると、
馬券の買い目を絞りやすくなるのは事実でしょう。ただ、絞りやすいから当たりやすいというのは違って、結果的に
今年も当てるのは難しいレースになった。傾向が出ていても当てるのが難しいのに、それをわざわざ
さらに難解にする必要はないでしょ、と言われたわけだ。そりゃ、そうかもしれません。
上位人気でも
掲示板外に敗れた馬は複数出て、
難しい競馬を強いられた馬はたくさんいたと思われる。
「なんだかなあ」という気分の関係者の方もいることが想像されるが、ここは
「ファンあっての競馬、ファンあっての金杯」ということで免じてください……。
難しい競馬を強いられて敗北を喫した馬の中には、次走以降に
巻き返すチャンスがある馬がいるだろう。もちろんそれは馬券的に
妙味を含むことになるので、我々も次走以降に
活かすチャンスがあるはず。しっかり掴んで、モノにしていきましょう。
2016年の中央競馬は始まったばかり。昨年に騎手リーディングを獲得した
戸崎騎手は、5日の競馬に11鞍騎乗して③着以内がなかった。
トップジョッキーでもそんなことがあるわけで、
誰にでも巻き返すチャンスは訪れるはずですよ!