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ロジクライの勝利は好相性と成長力の結晶
文/編集部(W)、写真/稲葉訓也


最近、相性の良し悪しについて考える時がある。

奥さんとは結婚してもうすぐ9年になるが、こまめに掃除したい、整理整頓したい自分と、掃除は埃が気になったら、物が散乱していても特に気にならない奥さんとで、いまだによくケンカをする。

一方、マンションの理事長となり、管理人さんとやり取りすることが増えたのだが、この管理人さんが掃除も業務もきっちりとこなしたい人で、どちらかと言うと自分に似ているタイプ。ただ、会うたびに一から十まで業務報告をされると、「業務報告書に記載しておいてくれればいいのに…」と思って、逃げたくなる時がある。

性格が違えば摩擦が生じ、性格が似ていれば疲れる。どっちが相性が良くて、どっちが相性が悪いのか。まあ、自分性格の問題という気もするし、奥さんとの関係はそれなりに良好なのでどうぞご心配なく(笑)。

とまあ、前置きが長くなったが、ハーツクライ産駒須貝厩舎浜中騎手シンザン記念これらの相性が良いことは今回の結果からも確かだろう。

■ハーツクライ産駒で中央の平地重賞を制している厩舎
順位 厩舎 成績 勝ち馬
1位 須貝 [8.6.3.23] アドマイヤエイカン
コレクターアイテム
ジャスタウェイ
ベルラップ
ロジクライ
2位 橋口弘 [4.2.3.27] ツルマルレオン
ワンアンドオンリー
3位 宗像 [4.1.1.6] フェイムゲーム
4位 斎藤 [3.5.1.3] ヌーヴォレコルト
5位 松永昌 [2.11.3.19] ウインバリアシオン
6位 武田 [2.1.3.14] メイショウナルト
7位 梅田 [1.2.2.6] アドマイヤラクティ
8位 平田 [1.1.2.8] カレンミロティック
9位 荒川 [1.1.1.4] ギュスターヴクライ
10位 矢作 [1.1.0.9] カポーティスター

このように、須貝厩舎はハーツクライを管理していた橋口弘厩舎を超える成績を収めていて、何よりも重賞勝ち馬を5頭も送り出していることがすごい。5頭というのは偶然では片づけられない数字で、ハーツクライ産駒のプロフェッショナルと言っても過言ではないはず。ちなみに、成績は中央に限定したが、ジャスタウェイはドバイデューティフリーも制している。

■浜中騎手のシンザン記念成績
馬名 人気 着順
10 セレスロンディー 10
11 レッドデイヴィス 7
12 タイセイシュバリエ 8
13 エーシントップ 1
14 ミッキーアイル 1
15 レンイングランド 4
16 ロジクライ 8

こちらは7年で4勝。浜中騎手はレース後にインタビューで「(シンザン記念4勝目だが)良い馬に乗せてもらっていますので」と謙遜していたが、1番人気のエーシントップ、ミッキーアイルをきっちりと勝利に導きつつ、セレスロンディー、レッドデイヴィス、そしてロジクライと人気薄も馬券圏内に持ってきている。中央の重賞33勝中8勝は京都芝外1600mで挙げているので、このコースでの勝ち方を熟知しているジョッキーのひとりだろう。

というように、今回の勝因は厩舎の手腕、浜中騎手の好騎乗(内枠を活かしてソツなくリード)も光るが、馬自身が力をつけたことも大きいはず。

ロジクライはデビューから着と好走凡走を繰り返し、時には不利を受けることも(前走の千両賞)。それでも着実にキャリアを積み重ね、526kg→526kg→510kg→510kg→506kgと馬体を絞り込み、坂路でも好時計(1月6日の栗東・坂路4Fで50.4-36.5-24.2-12.4)をマークできるようになった。

ジャスタウェイをはじめ、ハーツクライ産駒の成長力には度々驚かされてきたが、ロジクライもしかり。昨年9月のデビュー戦でエアスピネルに0秒9差を付けられた馬が、その4戦後にレースレコードと0秒3差(1分34秒1)でシンザン記念を制するのだから。

ロジクライはディープインパクトの近親で、血統背景も超一流。現時点で厩舎の大先輩ジャスタウェイと比較するのはというものだが、どんな馬に成長するのかとても楽しみだ。

一方、単勝オッズではピースマインド(1番人気、3.6倍)、ジュエラー(2番人気、4.1倍)、アストラエンブレム(3番人気、4.6倍)、ラルク(4番人気、6.4倍)の4強状態だったが、ジュエラー以外の3頭は馬券圏外に敗れた。

ピースマインドは初のマイル戦で速い流れに対応できなかったのか先行失速で⑭着、ラルクは出遅れて流れに乗れず⑬着。いずれもキャリアの浅さが出た感じで、初の連外に。今後の巻き返しに期待したいところ。アストラエンブレムは③着シゲルノコギリザメとはハナ差の④着で、3ヵ月ぶりで初の右回り&関西遠征とすれば悲観することもなさそう。

ジュエラーはスタートで挟まれて後方からとなり、前半は掛かり気味でもあったが、メンバー中最速の上がり34秒5を使ってクビ差②着まで鋭伸した。先行馬が残る展開の中、4角16番手から大外を回って追い込んだ内容から言えば、いちばん強い競馬をしているのは間違いない。

過去10年のシンザン記念において、牝馬で馬券圏内入りしたのはダイワスカーレット(07年②着)、マルセリーナ(11年③着)、ジェンティルドンナ(12年①着)で、3頭とものちのG1馬であり、桜花賞馬でもある。2歳女王メジャーエンブレムは強大な存在だが、ジュエラーには宝石のように輝く未来が待っているのではないだろうか。