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1頭どころか3頭まとめて…ここは5歳馬が圧倒
文/編集部(W)、写真/森鷹史


14年は4歳7勝、5歳3勝、6歳1勝、7歳2勝。15年は3歳1勝、4歳1勝、5歳8勝、6歳3勝。

これは何の成績かというと、中央の古馬混合のダート重賞の年齢別成績で、14年は4歳、15年は5歳の勝利数が突出している。では、その2年の成績を世代別で見てみよう。

現4歳1勝、現5歳1勝、現6歳15勝、現7歳6勝、現8歳1勝、現9歳2勝。

現6歳はコパノリッキー、クリノスターオー、ベストウォーリア、インカンテーション、ダノンレジェンド、アウォーディー、マイネルクロップ、ソロル、ジェベルムーサの9頭で15勝と勝ちまくっている。ちなみに、6勝を挙げている現7歳の代表格はホッコータルマエで、同馬は地方交流重賞でも大活躍している。

現6歳のダート馬には強い馬が多いのか、それとも他の世代に強い馬が乏しいのか。その成績だけではどちらとも言えないが、そんなデータを踏まえつつ東海Sの出走馬を見ると、現6歳は昨年の平安S①着以来、8ヵ月ぶりのインカンテーションのみ。

昨年はこのレース③着で、次走のフェブラリーSは②着。現6歳の中でも実績上位の存在だが、大目標は次走のフェブラリーSであろう長期休養明けとなれば、3番人気も無理はない感じ。

そのインカンテーションを包囲するように上位人気に支持されたのは現5歳のロワジャルダン(1番人気)、モンドクラッセ(2番人気)、アスカノロマン(4番人気)、現8歳の古豪ローマンレジェンド(5番人気)で、昨年のみやこSで①⑦④③着だった4頭。ちなみに、ロワジャルダンは上記した現5歳唯一の勝ち鞍を挙げている馬だ。

みやこSの再戦といった雰囲気も漂わせつつ、人気的にはここでの好走を足掛かりに16年を飛躍の年にしたい現5歳が中心となった。

過去3年の東海Sを振り返ると、5歳馬は[2.0.2.7](複勝率36.4%)。確率的には「3頭いれば1頭は来てもいい」だったが…。

レースは大方の予想通り、モンドクラッセがハナを切る形。2番手にアスカノロマンが付け、中京1Rで落馬負傷した浜中騎手から横山和騎手に乗り替わったロワジャルダンは4~5番手で運ぶ。

過去3年とも良馬場で、1000m通過は13年が60秒4、14年も60秒4、15年はそれよりもちょっとかかって61秒2だが、今年はさらに遅い62秒9。画面に表示された参考タイムを見るまでもないスローペースで、モンドクラッセアスカノロマンも4コーナーでは手応え十分、これは前が残るだろうという展開だった。

案の定、モンドクラッセアスカノロマンは脚色が衰えず、逆に後続との差を広げる。残り1Fを切ったあたりでロワジャルダンが3番手に上がるも、様相はモンドクラッセアスカノロマンの一騎打ち。競り合いながらゴールを目指す2頭だったが、外アスカノロマンが内モンドクラッセを競り落として重賞初制覇となるゴールに飛び込んだ。

この日の中京ダートは、1R(3歳未勝利、ダート1800m)41秒72R(3歳未勝利、ダート1900m)40秒33R(3歳未勝利、ダート1200m)39秒66R(500万、ダート1400m)40秒0と、上がり3Fのかかるレースが続出していて、「東海Sも上がりがかかれば差し馬が突っ込んで来るかも!?」なんて思っていたら。東海Sのレース上がり3Fは36秒8という。

ちなみに、アスカノロマンの上がり36秒7はチャンピオンズCで②着だったノンコノユメと同タイム。この脚を2番手の馬に使われたら、後続は為す術なしである。

アスカノロマンは京都巧者(6勝中4勝は京都)という印象が強いが、中京ダート1800mはこれで2戦2勝中京は第二のホームという感じか。また、14年は未勝利戦①着、15年はアルデバランS①着、そして今年は東海S①着と、3年連続でその年の初戦で勝利という記録も。昨年はアルデバランS後で③⑭⑮④②着といまひとつだったが、今年はこの重賞初制覇を皮切りに活躍を続けてほしいものだ。

と、終わってみれば、1頭どころか3頭いた5歳馬が揃って馬券圏内入り。一方、現6歳のインカンテーションは久々が影響した感じで、直線で伸び切れず⑪着に敗れた。今回は流れも向かなかったら参考外と見ていいだろう。掲示板外の次走がダートだと①④②③③着とよく巻き返しているから、次走がフェブラリーSでも侮らないほうがいいかもしれない。