少頭数でも締まったペースで良いトライアルになった
来週に毎日杯が予定されているものの、スプリングSを終えて、今年の皐月賞の前哨戦がほぼ終了した。
今年、芝1800m以上のOPクラスの競走はスプリングSを含めて8レースが行われ、京成杯こそ15頭立てと頭数が集まったものの、若駒S(8頭立て)以降は少頭数ばかりとなった。
きさらぎ賞が9頭立て、共同通信杯が10頭立て、すみれSが10頭立て、弥生賞が12頭立て、若葉Sが10頭立て、スプリングSが11頭立て。上級条件のレースを増やしすぎた弊害が出ているのではないかと思う。
ただ、そんな少頭数ばかりでも、今年は締まったペースのレースが数多く見られている。
きさらぎ賞は1000m通過が59秒8で、これは近10年の同レースでもっとも速い。共同通信杯は60秒0で、これは近10年の同レースで2番目。ただ、今年は稍重馬場だったから、時計以上に厳しく見えた。弥生賞は59秒5で、これまた近10年の同レースでは最速のペースだった。
スプリングSは、ドレッドノータス、ケンホファヴァルト、マイネルハニーという先行馬がいたものの、雨の影響を受けた良馬場で、それほどペースは上がらないかと思っていた。ところが、マイネルハニーはペースを落とさずに逃げ、11頭立てでも縦長の隊列になった。
1000m通過は60秒3で、これは中山での過去10年では5番目の速さだが、60秒を切ったことは2度だけで、今年の馬場を考えればやはり締まったペースだった。良いトライアルになったと言えるし、自らそのペースを作り出してクビ差②着に粘り込んだマイネルハニーは強さを見せたと言えるだろう。
勝ったマウントロブソンはディープインパクト産駒で、これで5戦連続でメンバー中3位以内の上がりを計時している。ただ、東京芝2000mでの2戦で②着に敗れていて、中山&小倉で3連勝を飾ったあたり、ディープインパクトというよりも近親のクロフネに近いものを感じる。
同じ金子真人氏の持ち馬で、同じディープインパクト産駒のマカヒキは、過去3戦すべてでメンバー中最速の上がりを計時していて、そのタイムは32秒6～33秒6。こちらがキレッキレに切れるのに対して、マウントロブソンは持続力に長けた印象があるから、中山芝2000mでの皐月賞なら勝負付けは済んでいないとも考えられるのではないか。
マカヒキはまだ道悪馬場の経験がないから、もし雨の影響を受けた馬場で皐月賞が行われれば、マウントロブソンの方に追い風となるかもしれない。まあ、そうは言っても、今年はマカヒキ以外にもサトノダイヤモンドやリオンディーズ、エアスピネルと、倒さなければならない相手がたくさんいるわけですが……。
ロードクエストは圧倒的1番人気に推されながら、差し届かず③着までだった。初騎乗だった池添騎手が脚を測った面もあったのかもしれないが、もしかしたら連対圏に残った2頭があそこまで渋太いと思っていなかったんじゃないだろうか。
今年は1000m通過が60秒3だったと前述したが、ロゴタイプが優勝した3年前(2013年・良)は60秒1で、決着時計が1分47秒8だった。今年は1分48秒1で、つまり、後半の800mは3年前と比べて0秒1しか違わない(2013年が47秒7、今年が47秒8)。
ロゴタイプは馬場の内側を空けて外を回りながら押し切ったが、2013年はレースのあった日曜日も前日の土曜も良馬場で(ダートも土日とも良馬場)、今年の馬場を考えれば、早めに動いた馬がもっと止まってもおかしくないと考えられても不思議ないように思うのだ。逆に言えば、やはりマイネルハニーはあのペースで行って、よくぞ粘り込んだ。
今年は締まったペースの前哨戦が多いと記したが、だからと言って皐月賞も同じように流れるとは限らない。きさらぎ賞で逃げたオンザロックスと弥生賞で逃げたケンホファヴァルトは500万以上で③着以内がないし、共同通信杯で逃げた(④着)リスペクトアースも、逃げ粘った京都2歳S(②着)が1000m通過61秒7だったから、溜め逃げした方が良いと考えるのが普通だろう。
前哨戦で淀みない流れを作った馬たちが皐月賞で引っ張らない(もしくは、出走できない)ということになれば、史上空前のレベルと言われても、スローペースに陥る可能性がある。そうなったらイヤだなあ。
今回のマイネルハニーには、ロゴタイプにも引けを取らないスピードと粘りが感じられたから、同馬が出走すれば皐月賞はがぜん面白くなるはずだ。今回②着に入ったことで、同馬は皐月賞への優先出走権を獲得した。ところが、なんとクラシック登録がないために、皐月賞へ出走するには追加登録料が必要なのだという。なんてことだ!
マイネルハニーが皐月賞に出走するかどうかは今後の協議によって決まるそうだが……追加登録料をこちらで工面してでも出てほしいくらいだ。
追加登録料は200万円とのこと。ひとり1円だと200万人……ひとり10円だと20万人……ひとり100円だと2万人……ひとり1000円だと2000人……ひとり1万円だと200人ですか。マイネルハニーにはぜひ出走していただきたいところだが……。
文/編集部(M)、写真/川井博
来週に毎日杯が予定されているものの、スプリングSを終えて、今年の皐月賞の前哨戦がほぼ終了した。
今年、芝1800m以上のOPクラスの競走はスプリングSを含めて8レースが行われ、京成杯こそ15頭立てと頭数が集まったものの、若駒S(8頭立て)以降は少頭数ばかりとなった。
きさらぎ賞が9頭立て、共同通信杯が10頭立て、すみれSが10頭立て、弥生賞が12頭立て、若葉Sが10頭立て、スプリングSが11頭立て。上級条件のレースを増やしすぎた弊害が出ているのではないかと思う。
ただ、そんな少頭数ばかりでも、今年は締まったペースのレースが数多く見られている。
きさらぎ賞は1000m通過が59秒8で、これは近10年の同レースでもっとも速い。共同通信杯は60秒0で、これは近10年の同レースで2番目。ただ、今年は稍重馬場だったから、時計以上に厳しく見えた。弥生賞は59秒5で、これまた近10年の同レースでは最速のペースだった。
スプリングSは、ドレッドノータス、ケンホファヴァルト、マイネルハニーという先行馬がいたものの、雨の影響を受けた良馬場で、それほどペースは上がらないかと思っていた。ところが、マイネルハニーはペースを落とさずに逃げ、11頭立てでも縦長の隊列になった。
1000m通過は60秒3で、これは中山での過去10年では5番目の速さだが、60秒を切ったことは2度だけで、今年の馬場を考えればやはり締まったペースだった。良いトライアルになったと言えるし、自らそのペースを作り出してクビ差②着に粘り込んだマイネルハニーは強さを見せたと言えるだろう。
勝ったマウントロブソンはディープインパクト産駒で、これで5戦連続でメンバー中3位以内の上がりを計時している。ただ、東京芝2000mでの2戦で②着に敗れていて、中山&小倉で3連勝を飾ったあたり、ディープインパクトというよりも近親のクロフネに近いものを感じる。
同じ金子真人氏の持ち馬で、同じディープインパクト産駒のマカヒキは、過去3戦すべてでメンバー中最速の上がりを計時していて、そのタイムは32秒6～33秒6。こちらがキレッキレに切れるのに対して、マウントロブソンは持続力に長けた印象があるから、中山芝2000mでの皐月賞なら勝負付けは済んでいないとも考えられるのではないか。
マカヒキはまだ道悪馬場の経験がないから、もし雨の影響を受けた馬場で皐月賞が行われれば、マウントロブソンの方に追い風となるかもしれない。まあ、そうは言っても、今年はマカヒキ以外にもサトノダイヤモンドやリオンディーズ、エアスピネルと、倒さなければならない相手がたくさんいるわけですが……。
ロードクエストは圧倒的1番人気に推されながら、差し届かず③着までだった。初騎乗だった池添騎手が脚を測った面もあったのかもしれないが、もしかしたら連対圏に残った2頭があそこまで渋太いと思っていなかったんじゃないだろうか。
今年は1000m通過が60秒3だったと前述したが、ロゴタイプが優勝した3年前(2013年・良)は60秒1で、決着時計が1分47秒8だった。今年は1分48秒1で、つまり、後半の800mは3年前と比べて0秒1しか違わない(2013年が47秒7、今年が47秒8)。
ロゴタイプは馬場の内側を空けて外を回りながら押し切ったが、2013年はレースのあった日曜日も前日の土曜も良馬場で(ダートも土日とも良馬場)、今年の馬場を考えれば、早めに動いた馬がもっと止まってもおかしくないと考えられても不思議ないように思うのだ。逆に言えば、やはりマイネルハニーはあのペースで行って、よくぞ粘り込んだ。
今年は締まったペースの前哨戦が多いと記したが、だからと言って皐月賞も同じように流れるとは限らない。きさらぎ賞で逃げたオンザロックスと弥生賞で逃げたケンホファヴァルトは500万以上で③着以内がないし、共同通信杯で逃げた(④着)リスペクトアースも、逃げ粘った京都2歳S(②着)が1000m通過61秒7だったから、溜め逃げした方が良いと考えるのが普通だろう。
前哨戦で淀みない流れを作った馬たちが皐月賞で引っ張らない(もしくは、出走できない)ということになれば、史上空前のレベルと言われても、スローペースに陥る可能性がある。そうなったらイヤだなあ。
今回のマイネルハニーには、ロゴタイプにも引けを取らないスピードと粘りが感じられたから、同馬が出走すれば皐月賞はがぜん面白くなるはずだ。今回②着に入ったことで、同馬は皐月賞への優先出走権を獲得した。ところが、なんとクラシック登録がないために、皐月賞へ出走するには追加登録料が必要なのだという。なんてことだ!
マイネルハニーが皐月賞に出走するかどうかは今後の協議によって決まるそうだが……追加登録料をこちらで工面してでも出てほしいくらいだ。
追加登録料は200万円とのこと。ひとり1円だと200万人……ひとり10円だと20万人……ひとり100円だと2万人……ひとり1000円だと2000人……ひとり1万円だと200人ですか。マイネルハニーにはぜひ出走していただきたいところだが……。