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レーヌミノルはスプリント路線の活躍が約束されている!?
文/出川塁、写真/稲葉訓也


先週の新潟2歳Sでも速攻インプレを担当し、そこで「Haloのクロスを持つ馬が現在はとにかくよく走っている」と書いた。そうしたら、今週も父ダイワメジャー母の父タイキシャトルHaloのクロスを持つレーヌミノルが2歳重賞を勝ってしまった。

しかも、今度は6馬身差のぶっちぎりだから、Haloクロス馬は本当によく走る。テンから引っ張りきれないぐらいの手応えで先行するダッシュ力と4コーナー手前で苦もなく逃げ馬をかわした軽快なスピードに、Haloクロスの特徴が見事に現れていた。

ちなみに、昨年の小倉2歳Sで③着に入ったレッドラウダもHaloのクロスを持つダイワメジャー産駒だった。そこで5代以内にHaloのクロスを持つダイワメジャー産駒の1歳馬を大急ぎで調べたところ、母オリジナルスピン母ケトルワンアップ母シークレットコード母ナミダガキラリ母ホットスウェル母ミリオンウィッシーズ母リトルリスキーの7頭が見つかった。来年の小倉2歳Sで新聞の母馬欄にこれらの名前を見かけたら、ぜひとも注目したいところだ。

あんまり来年の話をしても笑われるので、今年の話に戻す。②着に6馬身差勝ち時計1分8秒0といった数字を持ち出すまでもなく、レーヌミノルの勝ちっぷりは誰が見ても際立っていた。

お世辞にもクラシックにつながるレースとはいえない小倉2歳Sだが、その一方でスプリンター輩出のレースとしてはしっかりと機能している。06年①着のアストンマーチャン、09年②着のダッシャーゴーゴー、11年①着のエピセアローム、13年②着のベルカント。だいたい2年に1回ぐらいは、このレースの連対馬に長くスプリント重賞で活躍する馬が存在していた計算になる。

見逃せないのが、これら4頭の強豪スプリンターには、ある血統的な共通項があったこと。アストンマーチャンの父はアドマイヤコジーン。ダッシャーゴーゴーとベルカントの父はサクラバクシンオー。エピセアロームの父はダイワメジャー。いずれも「自身の父は、母の父にノーザンテーストが入る種牡馬」だったのだ。

先述した通り、レーヌミノルの父もダイワメジャー。牝馬のこの馬は、3歳春の桜花賞ないしNHKマイルCまでは1600mを中心に走ることになるだろう。仮にそこで距離の壁にぶつかったとしても、スプリント路線に戻れば活躍が約束されているはずだ。

どうしてもレーヌミノルに目が行ってしまう今年の小倉2歳Sだが、②着以下にもきちんと言及しておこう。勝ち馬には突き放されてしまったものの、内から渋太く伸びて②着に入ったのは10番人気のダイイチターミナル。関東馬として小倉2歳Sで③着以内に入ったのは、なんと93年③着のトラストカンカン以来23年ぶりのことだった。

本馬の生産者と馬主の欄に記されているのはミルファーム。渋い血統の馬を勝ち上がらせる手腕にかけては天下一品のオーナーブリーダー……というのも先週のコピペです、失礼しました。それにしても、①着Haloクロス馬、②着ミルファームという結果が、2歳重賞で2週続くとは。競馬というのは不思議なもので、続くときは本当に続く。秋競馬開幕で中央場所に開催が戻ると傾向が変わってくるとは思うが、やはり2歳戦のミルファームは目が離せない。

そして③着に入ったのがカシノマストだった。九州産馬限定戦を除外になって回った7月31日の新馬戦で、一般馬相手に6馬身差の圧勝デビュー。フェニックス賞②着を挟んで、九州産馬の晴れ舞台となるひまわり賞を7馬身差で制し、連闘で臨んでの③着好走と、1カ月あまりで4戦をこなす大立ち回りだった。2歳夏の小倉を目標に仕上げられたアドバンテージもあったとは思うが、熊本出身のも同じ九州産として今後も大いに応援したい。