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波乱でも、力通りの結果だったのかもしれない
文/編集部(T)、写真/森鷹史


メンバーを見渡すと、芝で2勝した馬がコーラルプリンセス、ブラックオニキス、メローブリーズの3頭。1番人気アエロリット、2番人気キャスパリーグは前走が500万で②着に敗れていた馬で、重賞で連対があるのはブラックオニキス(札幌2歳S②着)のみというメンバー構成になった。

この時期の3歳重賞にありがちなことだが、力関係がはっきりしていない時期の重賞ということで、人気薄の馬の台頭をしばしば呼ぶ。テレビ中継では過去5年連続でふた桁人気の馬が馬券圏内に入っているということがさかんに言われていたが、それは当然というか、仕方のない面もあるだろう。

改めて、キャリアの浅いこの時期の3歳牝馬の力関係を測るのは本当に難しい。歴戦の古馬の力関係さえよく分からない時が多いのに、なおさらだ(笑)。

そんな状況の中、レースはツヅクがハナに立って馬群を引っ張る形。前半800m通過は46秒1で、過去5年のフェアリーSでもっとも速かったのが昨年の47秒5だから、近年に比べて速いペースとなった

離れた2番手に1番人気アエロリットが続き、折り合いもついているように見えた。正直なところ、このペースを見て「これは力通りに決まるのでは!?」と感じたほど。実際、結果的にはこのペースが勝敗を分けることになったのだろう。

直線を向いてアエロリットが抜け出し、押し切り態勢に。一方でキャスパリーグ、コーラルプリンセスが伸びあぐねる中、道中で中団にいたライジングリーズンは4コーナーで大外を通って前に並びかけ、最後に突き抜けた。

ライジングリーズンは10番人気で、これでふた桁人気の馬がフェアリーSで馬券に絡んだのは6年連続となった……と、ここで我に返った

それは、レース中に感じた「力通りに決まるのでは」という印象。力関係もよく分かっていないのに、条件反射的に感じた“力通り”って一体何なのだろうか(笑)。この結果は力通りだったと考えることもできる、むしろそうするべきなのではないか、と感じたのだ。

過去5年のフェアリーSを振り返ると、ふた桁人気で馬券圏内に入った馬は延べ5頭だが、この5頭のうち4頭が後にOPで馬券圏内に入っている。“ここで頑張って、はいおしまい”というわけでもなかった。

そこでライジングリーズン自身に目を向けると、デビュー戦は今回と同じ中山芝1600mで、逃げた馬が②着に粘るペースの中で差し切り勝ちを収めていて、勝ち時計の1分36秒0も悪くないタイムだった。アルテミスSは出遅れて⑬着に敗れたが、これを参考外とすればそこまで低評価に甘んじることもなかったのではないか

血統を見ると、ライジングリーズンの母ジョウノファミリーブルーコンコルドの半妹で、本馬はブルーコンコルドの姪にあたる。母系にはブライアンズタイムなどスタミナの血も内包しており、距離が延びても、またダートでも面白そうな血統背景を持つ。父もキタサンブラックを出したブラックタイドで、まだまだ伸びしろを秘めていそうだ。

アエロリットも今回が3ヵ月ぶりで、差し馬が台頭する流れの中で正攻法の競馬をして0秒1差②着だから悪くない。こちらは祖母がアイルドフランスで、ミッキーアイルのいとこにあたる。今回はタフな流れに屈した形だが、当然ながら次は巻き返しがあっても驚けないだろう。

牝馬路線はソウルスターリングという大物がいるが、今回好走した馬はまだ同馬と未対戦。クラシックの結果を受けて、フェアリーS好走馬が軽視されすぎだったなあ」となる可能性もある気がしている。