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今年の大舞台での活躍が楽しみ
文/浅田知広、写真/森鷹史


今年の競馬番組が発表になったときには、正月は開幕日以外は土日開催で慌ただしいこともなさそうだ、と思ったもの。それと同時に、そんなことを思っていると……と危惧した通りに雪で順延、そして危惧した以上の4日間連続開催となってしまった。まだ外から見てるだけの当方などマシだが、現場で働いている方々は大変だろう。

その代替開催となった火曜の京都競馬。1日延期だった中京は枠順そのままだったが、こちら京都は出馬投票からやり直し。日経新春杯の枠順も、当初の発表とは違うものとなった。その前後を比較すると、逃げたいヤマカツライデン(5番人気)が7枠11番から2枠2番に。距離がたっぷりあるだけに関係なかったかもしれないが、行きたい馬にとっては少なくとも悪くはない変更だった。

一方、1~4番人気は馬番こそ違えど、内から「シャケトラミッキーロケットカフジプリンスモンドインテロ」という並びはそのまま。2日ずれたことで調整の難しさはあったろうが、少なくとも枠に関しては順延の影響はほとんどなかったと言えそうだ。

レースは、その2枠2番に変わったヤマカツライデンが軽く押しただけで楽に先頭へ。2番手には、このレース4年連続出走で②→③→⑧着のアドマイヤフライトがつけ、向正面ではこの2頭が後続を離して馬群は縦長。好位の前に1番人気のミッキーロケット、これを見てシャケトラモンドインテロと2、4番人気の2頭が続き、やや離れて3番人気のカフジプリンスなどの後方集団。昨年の覇者レーヴミストラル(6番人気)は1頭離れた最後方の追走となった。

中でも気になったのは、菊花賞でハミを噛んで、道中は内にもたれ通しだったというミッキーロケット。しかし、今回は見たかぎり特に怪しい雰囲気はなく、多少行きっぷりが良すぎるかな、という程度。そして、いかにもこれをマークしていますよ、というシャケトラモンドインテロも特に問題なく、縦長の展開になったわりには、あまり波乱の気配が感じられない道中だった。そして迎えた勝負どころ、カフジプリンスがズブさを見せるのも想定の範囲内だ。

ただ、少し想定外だったのは、ミッキーロケットが追い出しを待っている間に、外から一気にシャケトラが交わしてアタマほど前に出た残り300mだ。同じ明け4歳馬の2頭だが、ミッキーロケットは55キロ、シャケトラは53キロ。考え方はいろいろとあるだろうが、軽い方(シャケトラ)が外から一度でも前に出ると、内の重い方(ミッキーロケット)は苦しいのではないか、この瞬間はそんな考えが頭をよぎった。

そしてここからが、平日・火曜に馬券を買って見てくれた人へのお礼かというような、人気2頭による見応えたっぷりの追い比べ。追い出しを遅らせたミッキーロケットにエンジンがかかり、残り200mで内から交わして再び先頭。残り100mから50mあたりではアタマほど前に出て、そのまま押し切りそうな態勢に持ち込んだ。しかしシャケトラも、ここからまた粘り強い差し返し。ゴール寸前、アタマ差がアタマ半分、そしてハナまで詰まり、最後は2頭が鼻面を並べてのゴールとなった。

スローVTRを見ると、クビの上げ下げではなく、2頭ともクビが上がりかけたところで、そして2頭とも舌をベロベロ出しながらのゴール板通過。大熱戦のわりにはイマイチ格好が良くないゴールシーンだったなあ、とか、人間のスポーツ選手でも舌を出したほうがリラックスして力を発揮しやすいなんて話があったなあ、とか思ったりもしたが、ともあれ勝負は舌差……ではなくハナ差の決着。内のミッキーロケットシャケトラを際どく抑えて、初の重賞タイトルを手中にした。

前走の菊花賞では⑤着に敗れたミッキーロケットだが、前々走・神戸新聞杯ではサトノダイヤモンドの直後から脚を伸ばし、直線半ばからは内に併せる形での追い比べ。最後は相手の力が上というクビ差惜敗を喫したものの、ひと夏越して、春のスプリングS着、皐月賞着とは違う姿を見せていた。そして今回は2キロ軽い相手に競り勝っての重賞制覇と、この1年で着実に力をつけてきた。

菊花賞の一件があるだけに、今後のレース選択は難しそうだが、ひとまず今年からG1になった大阪杯が目標になるとのこと。どうやらスタートは改善されているようなだけに、むしろ2000mのほうがレースはしやすいかもしれない。

これで同世代相手には、神戸新聞杯から3戦連続でレッドエルディスト(④着)、カフジプリンス(⑤着)には先着し、今回は底を見せていないシャケトラも競り落とした。果たしてサトノダイヤモンドとの再戦は春に見られるのか、ひとつ年上のキタサンブラックとの対戦が先なのか。いずれにしても、今年の大舞台での活躍が楽しみになった。