ソウルスターリングは桜花賞&オークスの二冠も可能性十分!?
文/編集部(T)、写真/濱田貴大
阪神JFを制し、2歳女王に輝いた
ソウルスターリングが3歳緒戦としてここを選択。同②着馬
リスグラシューも参戦し、この2頭が単勝オッズで抜けた支持を集め(
ソウルスターリング1.5倍、
リスグラシュー2.7倍)、
再戦&一騎打ちムードとなった。
その
阪神JFでは1枠2番から好位をロスなく進んだ
ソウルスターリングに対し、
リスグラシューは大外枠で出遅れ、外を回るというロスの多い競馬。それで
1馬身4分の1差だから、この差をどう見るか。
さらに、今回の枠順は
リスグラシューの方が内(3枠3番)に入り、
ソウルスターリングが外(7枠10番)となったことが
ひとつのポイントとなった。
土曜夜に掲載した
『馬迷男の挑戦』で、
馬迷男・八木氏が
「強い馬はG1のトライアルやステップレースで、いい走りを見せる」と指摘している。確かに、強い馬が前哨戦で大きく負けて本番で巻き返した例は、それほど多くない気がする(前哨戦で不利を受けるなど、何らかの理由があれば別だが……)。
それは
「メインレースの考え方」でも記されていたように、
阪神JFで連対していた馬はチューリップ賞で[5.2.2.2]というデータがあったことからも分かる。
果たして、
ソウルスターリングは今回もスッと好位につけ、直線で難なく抜け出す強い競馬を披露した。一方で
リスグラシューは③着こそ確保したものの、外を回して伸び切れず、後ろから来た②着
ミスパンテールにも交わされるという内容だった。
阪神JFと序列が変わらず、しかも似たような内容。ただ、
ソウルスターリングと
リスグラシューの着差は今回が2馬身+半馬身と、
阪神JFより拡がる結果となった。
この結果で、
桜花賞への見通しはどうなったか。実力だけでなく、成長力の面でも
ソウルスターリングが1番手という評価は揺るぎないものになった気がするが、どうだろうか。
昨年は
阪神JF勝ち馬
メジャーエンブレムが
チューリップ賞に不参戦だったが、今年の
ソウルスターリングは
阪神JF、チューリップ賞と、
最重要のステップレースを両方制したのだから、それも自然な考え方だろう。
クイーンC勝ち馬
アドマイヤミヤビという不気味な存在がいるが、
リスグラシューをはじめここに出走していた馬たちは力勝負では分が悪そうで、
一策を講じる必要がありそうだ。
ちなみに、
阪神JF→
チューリップ賞→
桜花賞を連勝した馬は、
チューリップ賞が重賞となった94年以降だと01年
テイエムオーシャン、09年
ブエナビスタの2頭。
無敗となると初の快挙となる。
そして、
ソウルスターリングの評価を高める裏付けは、時計面にも求めることができる。
今回の勝ち時計は1分33秒2で、これは昨年(1分32秒8)に次いで、
チューリップ賞としては歴代2位のタイムだ。
その昨年も記したが、
チューリップ賞を好タイムで制した馬は、後にG1を勝つ傾向が強い。以下の表は、
チューリップ賞を1分34秒5以内のタイムで制した馬の一覧となる。
■チューリップ賞を1分34秒5以内で制した馬
年 |
馬名 |
タイム |
主な勝ち鞍 |
96年 |
エアグルーヴ |
1.34.2 |
オークスなど |
07年 |
ウオッカ |
1.33.7 |
ダービーなど |
11年 |
レーヴディソール |
1.34.5 |
阪神JF |
14年 |
ハープスター |
1.34.3 |
桜花賞など |
16年 |
シンハライト |
1.32.8 |
オークス |
17年 |
ソウルスターリング |
1.33.2 |
阪神JF |
すべてG1馬で、
特に1分34秒3以内で勝ったソウルスターリング以外の4頭は、後にクラシックを制している。
桜花賞に出走した3頭(
ウオッカ、ハープスター、シンハライト)はすべて連対しているし、昨年の
シンハライトをはじめ、芝2400mのG1を勝っている馬も多い。
この勝利で、
「ソウルスターリングは桜花賞当確!」という声は多いが、
オークスに言及する声はまだ多くない気がする。ただ、母
スタセリタはフランスの芝2400mG1を
ルメール騎手とのコンビで制した馬だし、父
フランケルは2400mこそ未経験だが、その父は
英愛ダービー馬
ガリレオで、距離が保たない理由は血統面では見つけられない。
昨年、上記のデータを出した時点ではまだ半信半疑だったが、今年はもう少し自信を持って
「ソウルスターリングは桜花賞だけでなく、オークスでも最有力!」と、ちょっとだけ先取りしておきたいと思います。