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まさしく“次元が違う走り”だった
文/編集部(M)、写真/川井博


先に敗れた馬たちの名誉のために記しておくが、②着シーズララバイと③着ドロウアカードはどちらも1分49秒5というタイムで走破していて、これは昨年のエンジェルフェイスの勝ち時計(1分49秒3)や一昨年のアルビアーノ(1分49秒4)と0秒1~0秒2差だ。②着以下の馬たちは例年のフラワーC出走馬と実力に遜色はなく、今年は勝ち馬ファンディーナだけが別次元だったと言える。

レース前日、90年以降のフラワーCで1番人気に支持された馬の成績を「メインレースの考え方」に記した。単勝オッズが1倍台だと[3.3.2.0]で、このデータをもってして「ファンディーナも安泰?」と書いたわけだが、8頭のうち3頭が②着、2頭が③着に敗れていて、決して勝率が高いわけでもないと思っていた。

ファンディーナディープインパクト産駒で、「メインレースの考え方」には、同牝駒が中山芝1800m以下の重賞で未勝利であることも記した。これまでに38頭が出走して勝っていなかったので([0.3.1.34])、ファンディーナが②着に敗れることも想定して馬券を仕込んだのだが………最後の直線ではただただ笑うしかなかった。

ディープインパクト牝馬は中山芝1800m以下の重賞で未勝利だったばかりでなく、馬体重が480kg以上で芝重賞を制した馬も2013年桜花賞アユサンしかいなかった。その時のアユサンは484kgで、486kg以上だと[0.2.1.12]だった。今回のファンディーナ508kgで、馬体重の面でもこれまでの枠に収まらない馬と言えそうだ。

ディープインパクト牝馬直線での切れ味に秀でたものを持つ馬が多く、それが中山芝1800m以下の重賞で未勝利だったことと逆相関でつながっていたのだと思う。

ファンディーナは500kgを超える大型馬で、岩田騎手がレース後のインタビューで話していたように「完歩の大きさ」が他馬とは違う面があるのだろう。それを考えれば、小回りの中山コースが決して向いていたわけではないと思うが、文字通り、力量の違いで5馬身もの差を付けてしまった(しかも、岩田騎手が持ったままで!)。

フラワーCのレースレコードは2011年にトレンドハンターが記録した1分47秒0だが、これは阪神で施行された時のもの。中山では2006年にキストゥヘヴンが記録した1分48秒9がベストで、今回のファンディーナはこれを0秒2上回った(しかも、岩田騎手が持ったままで!)。

1分48秒7というのは、前日のスプリングS(勝ち馬ウインブライト・1分48秒4)より0秒3劣るものの、2つのレースはペースが違った。スプリングSは1000m通過が60秒3と流れたが、フラワーCは61秒1というスローだった。1000m通過の時点では0秒8差だったものが、ゴール時は0秒3差(しかも、岩田騎手が持ったままで!)。ファンディーナは牡馬と比較しても上位の力があることは明白だろう。

さて、問題は、今年の3歳は牡馬よりも牝馬の方がレベルが高いのではないか?と言われていることだ。

これまでの中山でのフラワーCのレースレコードを持っていたのはキストゥヘヴンで、ご存知のように同馬は連勝で桜花賞も制した。馬体重が480kg以上で芝重賞を制したディープインパクト牝馬アユサンだけだったことを前述したが、同馬も桜花賞馬で、他には2015年桜花賞を488kgで②着に入ったクルミナルもいる。

時計面でも馬格面でも、ファンディーナ桜花賞に向きそうなことは間違いないだろうが、桜花賞にはチューリップ賞を圧勝した怪物の娘もいるだけに、簡単ではないのだろう。

ソウルスターリングは3月4日のチューリップ賞を制し、中4週で本番へ向かう。一方、ファンディーナ桜花賞へ向かえば中2週での臨戦で、関東圏への輸送を挟んでのものとなる。ソウルスターリングチューリップ賞制覇後は美浦トレーニングセンターに戻っているので、輸送面による差はそれほど大きくないのかもしれない。

果たして、桜花賞で2頭の戦いは実現するのだろうか。もし実現したら、どうせなら隣枠同士で、枠の有利不利もなく、どちらが強いのかを決めてほしいものだ。これが新たな名勝負の始まりになるかもしれない。