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この勝利は、安田記念に向けて大きな意味を持つ!?
文/編集部(T)、写真/森鷹史


登録時点では名前があった、5連勝中のグレーターロンドンが回避(安田記念へ直行とのこと)、マルターズアポジー大阪杯に回り、出走メンバー中重賞勝ち実績がある馬は4頭で、レベルはほぼ平年並みという印象。それだけに、「どの馬が勝つんだ!?」という雰囲気だった。

そして、この週から中山芝はBコースに替わったが、週末からこの日の午前中にかけて降った雨の影響もあってか、この日の中山は外目を通った馬が伸びるケースが散見された。

このレースも、1番人気のキャンベルジュニアは内にロジチャリスを見ながら4コーナーでかなり外目を回り、徹底的に馬場の良い所を通る作戦。前半600m通過が36秒2と、稍重の馬場にしても遅めのペースで流れており、そのまま押し切れればファインプレー……だったはずだが、そうはいかず。ロジチャリスは直線に入って先に抜け出したキャンベルジュニアと併せるように外に持ち出し、差し返すように伸びて優勝した。

テレビ越しに見ていても明らかに馬場が内と外で違う状態なので、キャンベルジュニアが外目に持ち出したのは正解のように思えたし、抜け出した時点で鞍上のシュタルケ騎手もそう感じていたはず。誤算だったのは、ロジチャリスがここまでの粘り腰を発揮したことだろう。

さらに馬場状態は稍重で、湿った馬場はロジチャリスの父・ダイワメジャー産駒にとってはお手のもの。事実、このレースが終わった時点で同産駒の牡セン馬は中山芝の重賞が良馬場だと[1.1.0.33](複勝率5.7%)なのに対し、道悪だと[2.0.1.9](同25.0%)。切れよりしぶとさ粘り強さが求められる、おあつらえ向きの馬場だったということか。

また、鞍上は内田騎手。ここがテン乗りとなったが、レース後は「ダイワメジャー産駒なので行く馬がいなければ行ってもいい」「並ばれた方がやる気を出すので、競り負けはしないだろうと思っていた」などなど、まるで何度もコンビを組んでいるかのようなコメントを残している。

調べてみると、内田騎手芝の道悪でダイワメジャー産駒に騎乗だと[4.1.3.8](複勝率50.0%)と好走率が高く、同産駒の特徴は熟知していたのだろう。大外から差し切ったピンクカメオNHKマイルC、内をワープするかのような騎乗で差し切ったゴールドシップ皐月賞など、同騎手の印象に残るG1勝利は道悪が多い気がするが、そういった面もプラスに働いたのかもしれない。

ちなみに、ロジチャリス父ダイワメジャーは05年のダービー卿CT勝ち馬で、これで14年の勝ち馬カレンブラックヒルに続いての父子制覇を達成。さらに、近親ブラックホークも98年にこのレースを勝っている。

ダイワメジャー、ブラックホークはG1を複数勝っている馬なので、いわゆる“おもな勝ち鞍”を挙げる際にG3は忘れられがち。正直なところ、ダイワメジャーブラックホークダービー卿CTを勝っていたことは戦績を見て改めて思い出したほどだが、このレースに縁がある血統、と言っても差し支えないのではないか。

となると、ロジチャリスがここで重賞初制覇を飾ったことは大きな意味を持っていそう。ダイワメジャーはすでに皐月賞を勝っていたが、このレースでそれ以来の勝利を飾り、その後6歳になるまでG1勝ちを4つ積み上げた。また、ブラックホークはここで重賞初制覇を飾り、翌年のスプリンターズS、さらに7歳になって安田記念を制した。

ロジチャリスは5歳だが、ブラックホークダイワメジャーの戦績を見る限り、血統的にはまだまだ奥がありそう。この2頭は安田記念を勝っていることで共通するが……、さて今年はどうだろうか!?