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タツゴウゲキはニュータイプの新潟記念勝ち馬になれるか
文/編集部(M)、写真/稲葉訓也


新潟競馬場が改修されたのは2001年で、その後に新潟記念は16回行われてきたが、16回のうちハンデ56.5kg以上の馬が優勝したのは3回。16回中9回はハンデ55~56kgの馬が制していて、今年も55kgのタツゴウゲキが制した。

56.5kg以上を背負って優勝した3頭は、06年トップガンジョー(57kg)、09年ホッコーパドゥシャ(56.5kg)、11年ナリタクリスタル(57.5kg)で、いずれも馬番5番だった。

同じ新潟芝外2000mで行われる春の新潟大賞典では、ハンデ56.5kg以上の馬が4勝していて(03年ダンツフレーム・59kg、08年オースミグラスワン・57kg、15年ダコール・57kg、16年パッションダンス・57kg)、この4頭は馬番5~9番だ。

このコースの重賞で、ハンデ56.5kg以上の馬がふた桁馬番に入って優勝したケースはなく、それを考えればアストラエンブレムは頑張ったと言えるのだろうが………やはり歴史を覆せなかった。

タツゴウゲキは準OPを勝ったことがなく、小倉記念を制した時がハンデ52kgだったから、今回のハンデ55kgもこの馬自身としては不思議ない斤量と言えるのだろうが、重賞未勝利アストラエンブレムトーセンバジルよりも1kg以上軽いというのは、相対的に見れば有利だったろう。

タツゴウゲキにとってのターニングポイントは、2走前の七夕賞だったか。同レースではハンデ52kgで⑥着に敗れたが、道中で致命的な不利を受けていた。あの時にもっと上の着順に来ていたら、小倉記念や今回の新潟記念で斤量が増えていたかもしれない。

タツゴウゲキは前走の小倉記念も今回も内枠で、小倉記念では内を立ち回って好枠を最大限に活かしたレースぶりを見せたが、今回は枠順以上に馬自身の強さが光るレースぶりだった。

先行した馬が止まらず、追い込み勢に出番がない展開となったから、スローペースの前残り決着だったかと思ったが、1000m通過は59秒0で、レース上がりは34秒6だった。淀みないペースを前に行って押し切ったわけで、内容としては小倉記念よりも上だったと言えるだろう。

新潟芝外回りコースだと、末脚が光るタイプに重い印を打ちたくなるものだが、今夏の重賞では、関屋記念マルターズアポジーの逃げ切りで、新潟2歳Sが2番手を追走したフロンティアの優勝、そして今回も2番手からタツゴウゲキが制してみせた。馬場が良いこともあるのだろうが、スピードもスタミナもあるタイプが前に行って押し切るケースが続いた。

新潟記念のレース上がりは、08~12年は33秒1~34秒3だったが、13年以降は34秒7~35秒2で、上がりがかかり始めている。これは2000mであってもペースを落とさずに前に行って、踏ん張ろうとする馬が増えたからだろう。その中からタツゴウゲキという先行型優勝馬が現れて、来年以降の新潟記念も厳しいペースのレースが続いていくのではないか。

優勝したタツゴウゲキには、今後、新潟記念勝ち馬の歴史を覆すような活躍を期待したい。実は、新潟記念勝ち馬にはあまり良くないジンクスがあり、01年以降の優勝馬のうち、その後に勝ち鞍を挙げられたのが3頭だけだったりする。05年ヤマニンアラバスタ、10年ナリタクリスタル、15年パッションダンスがその3頭で、なぜか5年周期で誕生している。

ハンデ重賞を制すると、当然のことだが、次走以降の斤量は増える傾向にある。10年のナリタクリスタルは55kgで優勝し、翌年の中京記念を56kgで勝ち、翌年の新潟記念を57.5kgで連覇した。15年のパッションダンスは56kgでの制覇で、翌年の新潟大賞典を57kgで優勝した。

ナリタクリスタルパッションダンスも490kg以上の馬で、その意味では、斤量増に耐え得るように、タツゴウゲキ(今回が486kg)ももう一回り大きくなってほしいところか。

タツゴウゲキは小回りコースでも直線距離の長いコースでも勝ち、直線に急坂のある阪神でも勝利実績がある。高齢まで活躍するタイプが多いマーベラスサンデーの産駒でもあるから、ニュータイプの新潟記念勝ち馬となれるような息の長い活躍を期待したいものだ。