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いよいよG1タイトルに手が届く可能性も十分!?
文/浅田知広、写真/森鷹史


G1馬こそ不在ながら、G1連対馬は②着3回のサウンズオブアースを筆頭に計6頭。15年の秋華賞で③着のあるマキシマムドパリも加えれば、G1馬券圏内の実績馬は7頭と、今年の京都大賞典にはなかなかの好メンバーが揃った。だが、しかし。いや、同じ①着賞金6700万円の古馬G2、前日に行われた毎日王冠にはG1馬が5頭も集結したのに比べると、ちょっと寂しい印象は否めない。

とはいえ。毎日王冠出走馬は秋の中央G1で過去5年[3.2.6.43]、京都大賞典出走馬は[3.3.2.47]と、連対数ではこちらが上。さすがにトーセンラーの京都大賞典③着→マイルCS優勝(13年)というのは異質だが、秋の古馬G1戦線へ向け注目が欠かせない一戦なのは確かだ。

そんな中、1番人気に推されたのはシュヴァルグラン。昨年は不出走だったが、秋シーズンは復帰戦のアルゼンチン共和国杯を制し、続くジャパンCで③着好走。今春の天皇賞では前年からひとつ順位を上げて②着と実績は十分だ。そしてM.デムーロ初騎乗で、その手腕への期待も込みでの1番人気だろう。

続く2番人気は冒頭でも触れたサウンズオブアース。これで3年連続の出走となり、一昨年はこのレース②着後、ジャパンC⑤着を挟んで有馬記念で②着。昨年は④着だったが、続くジャパンCで②着と、しっかりここを足場に秋のG1で好走を果たした馬だ。

続く3番人気ミッキーロケットは、G1でこそ菊花賞⑤着が最高ながら、昨秋はこの距離の神戸新聞杯でサトノダイヤモンドを脅かし、今年1月にはこのコースで日経新春杯を制した実績馬。さらにスマートレイアーフェイムゲームと、京都のG1連対馬が続き、ここまでで計5頭。過去10年の優勝馬10頭中9頭は5番人気以内と大きな波乱は少ないレースだけに、このあたりまでが優勝候補。そしてそれぞれ、このあとのG1で馬券に絡んでもまったく不思議のない実力馬たちだ。

レースはカレンミロティックあたりが先導するかと思われたが、ラストインパクトが軽く押っつけての逃げ。カレンミロティックは3番手、そしてその内にトーセンバジルがつけていたのも、少々予想外の展開になった。ただ、人気どころはほぼふだん通りの競馬で、ミッキーロケットサウンズオブアースは中団の一角。後方集団の内にスマートレイアー、そしてフェイムゲームシュヴァルグランという展開になった。

前半の1200m通過は72秒0。後半は71秒0で上がっているが、2400m戦ということも考えればほぼ平均ペース。序盤は縦長だった馬群が3コーナーまでに徐々に縮まり、ここで後方から1番人気のシュヴァルグランが早めのスパートを開始。これを追ってフェイムゲームも動いていったが、後方にいたもう1頭の人気馬スマートレイアーはそのまま内でじっくり脚を溜めていた。

直線に向くと、逃げたラストインパクトトーセンバジルが襲いかかり、外からはシュヴァルグラン。中団にいたミッキーロケットサウンズオブアースは伸び悩んだが、かわっていつの間にやら最内から、白い馬体のスマートレイアーが横一線の4番手まで浮上していた。

ただ、そのまま内を突けばラストインパクトトーセンバジルの後ろで詰まりそうだったが、そこは京都大賞典8勝の名手武豊。残り200mあたりから冷静に外へと切り替えると、スマートレイアーもそれに応え、前が開いてからは抜群の切れを発揮。先頭に変わったトーセンバジルとの差を一気に詰め、最後は少々の余裕を持ってこれを交わし去って、4つ目の重賞タイトルを手中にしたのだった。

スマートレイアーの重賞初制覇は4歳時、1400mで行われていた時代の14年阪神牝馬Sで、かなりの大出遅れを喫しながらも大外一気の強襲でウリウリにハナ差勝ち。その後、16年の東京新聞杯、そして阪神牝馬Sを逃げ切りと、戦法こそ違えど重賞勝ちはいずれも1600m以下だった。

それゆえ昨年末、香港ヴァーズ(2400m)への出走が報じられたときには驚かされたものだが、中団から4コーナーで2番手の外まで上がり、直線も渋太く踏ん張って⑤着を確保。続く京都記念では②着と、もうこのあたりから今年のエリザベス女王杯を獲るぞ、という意気込みが感じられるようなレース選択だった。

そしてついに今回、京都2400mでの重賞制覇を達成した。一昨年のエリザベス女王杯では、4角から直線前半で不利もありながら、勝ち馬からは0秒1差の⑤着。今年は、エリザベス女王杯の2200mを超える距離で勝利を挙げての参戦になる。しかも、この秋にやはりG1を狙おうかという牡馬勢を下しての重賞制覇だ。7歳牝馬とはいえ、前走の鳴尾記念に続いて上がり3ハロンはメンバー中最速。その末脚に衰えはまったく見られないだけに、いよいよG1タイトルに手が届く可能性も十分にありそうだ。