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人気上位の4歳馬が馬券圏内独占、ここを契機に大舞台へ
文/浅田知広、写真/森鷹史


毎年同時期にあったものが1年9ヵ月ぶりとなると、「おっ、久しぶり」と言いたくなるような中日新聞杯大阪杯がG1に昇格し、金鯱賞がそのステップになったことで、このレースが3月から12月に戻ってきた。中京芝2000m・G3・ハンデ、という条件はまったく同じ、変わったのは出走資格が「4歳以上」から「3歳以上」になったことだ。

ところが。今年はその3歳馬の出走がなんとゼロで、実質「4歳以上」のまま。同日の阪神メイン・リゲルS(出走13頭中7頭が3歳馬)に、ちょっと分けてくれないかと言いたくなるような事態である。この時期のG3、できれば1頭2頭と、将来の楽しみな3歳馬が古馬と戦う姿を見たいところだ。

もっともその分、充実したのは4歳勢、人気上位5頭中4頭が4歳馬となった。1番人気は昨年の神戸新聞杯でサトノダイヤモンドと接戦を演じ、今年の日経新春杯を制したミッキーロケット。続く2番人気は一昨年のこの時期に葉牡丹賞を制し、京成杯共同通信杯で連続③着のメートルダール。さらに3番人気は昨年のスプリングS優勝馬マウントロブソン。そして5歳牝馬のマキシマムドパリを挟み、5番人気は今年の金鯱賞で②着のロードヴァンドールという面々である。

いずれも一時は、もっと上を目指せそうな雰囲気があった馬だ。しかし実際は、たとえばミッキーロケット日経新春杯後に馬券圏内なしの5連敗中マウントロブソンスプリングS後は、オープン特別こそ勝てども重賞は掲示板なしでやはり5連敗。他の馬も、ちょっと思い描いていたのとは違う現状にあり、この中日新聞杯をきっかけに、再び大舞台への道を切り開きたいところだろう。

そんなレースでハナ切ったのは、同コースの金鯱賞でも逃げて見せ場を作ったロードヴァンドール。人気馬の中で唯一の5歳馬マキシマムドパリが2番手につけ、1番人気のミッキーロケットは6~7番手。メートルダールは後方のやや前につけ、マウントロブソンはその後ろという展開になった。

前半の800m通過は48秒6、1000mは60秒7と、ゆったりした流れで引っ張るロードヴァンドール。春の中京開幕週だった金鯱賞は1000m60秒4で②着に逃げ粘っており、再び前残りも期待できるペースだ。

しかし直線の長い中京コース。後続もそんなに慌てて前を追うような展開にもならず、少々の動きがあった程度で直線へ。マキシマムドパリが2番手から早めに並びかけた分、ロードヴァンドール横山典弘騎手の手が動き出すのも早かったが、なにせいいペースで運べただけに、そう簡単には止まらない。

しかし悲しいかな、瞬発力に欠ける先行型が、いくらスローでも貯金を作れず直線に向いてしまうと、簡単には差し馬を抑えきれない。ロードヴァンドールもバテてはいないものの、それを上回る脚で一気に襲いかかったのが、外から伸びたメートルダールだった。

その内からミッキーロケットも併せて伸びたが、脚色の違いは明らかで、メートルダールが一気に1馬身半ほど抜けて快勝。最後はミッキーロケットも渋太く伸びたが、ロードヴァンドールを交わして②着が精一杯。上位人気ではマウントロブソンがひと伸びを欠いて⑥着だったが、結局、好メンバーが揃った4歳勢の①~③着独占という結果になった。一方で、10分後に行われた阪神のリゲルSでは3歳馬が上位を独占したが、出走馬の何頭かが入れ替わっていたら、どんな結果になっただろうか。

その入れ替わり候補の筆頭角(?)は、実はこちらで勝ったメートルダールだったかもしれない。降級した6月に1600万のマイル戦をハンデ58キロで勝ち、同じくマイルの関屋記念は1番人気で着。その結果を受け、休みを挟んだ今回は中距離に戻ってきた形だったが、もし関屋記念でもう少し良い結果を出していたら、今週もマイル戦のリゲルSに出走し、重賞初制覇がもっと遅れていた可能性もあるだろう。

ともあれ実際のメートルダールは、重賞のマイル戦では忙しいということで、中距離に戻っての重賞制覇。ミッキーロケットより2.5キロ軽いハンデが味方した面もあるだろうが、このくらいのメンバーなら一枚上とも言える末脚を見せたのも確かだ。1800~2000mでは馬券圏外なしと安定しており、さらに地力をつけて大阪杯へと進めるかが、今後の見どころになる。

②着に敗れたミッキーロケットは、ハンデ差があっただけに致し方なし。G1の強敵相手からG3になり、しっかり馬券に絡めたことは収穫と考えたい。次は日経新春杯になりそうだが、再びそれなりのハンデを背負うことになるだろう。それでも連覇を飾れるようなら、その後のG1でも、今年の大阪杯⑦着、宝塚記念⑥着を上回る結果が期待できそうだ。