魅力的な血統であることを覚えておきたい
文/編集部(M)、写真/森鷹史
前日売りが始まって最初に
1番人気になったのは
デルタバローズで、その後、
コズミックフォースが1番人気となり、再び
デルタバローズに戻ったところで前日の17:30を迎えた。
馬券発売の当初から1~3番人気は
デルタバローズと
コズミックフォースに
ジェネラーレウーノを加えた3頭で、
デルタバローズは1戦1勝、
コズミックフォースは2戦1勝でともに中山は初めてだったので、
ジェネラーレウーノの実績(3戦2勝で、前走は中山芝2000mで勝利)は
あまり評価されていないんだなあ、と感じていた。
ジェネラーレウーノが1番人気となったのはレース当日の13時過ぎで、そこから単勝オッズはジリジリと低くなっていったが、最終的には
3.5倍だった。もうひとつ信じきれない人が多かったのは、レース前から
「物見をする」、
「1頭になるとフワッとする」と言われてきたことと無関係ではないだろう。
気性的にはまだまだ課題があったものの、
ジェネラーレウーノは2連勝中ながら
「まだ本気で走っていない」と言われていて、その辺りの
潜在能力の高さと
気性面を天秤にかけて算出された数値が「単勝オッズ3.5倍」だったと思われる。
レースでチークピーシズを装着してきた
ジェネラーレウーノは、好スタートを決めながらハナは
コスモイグナーツに譲り、2番手で折り合った。1000m通過は59秒7だったが、
ジェネラーレウーノは5馬身ほど離れていたし、マクッてくる馬などもいなかったので、流れが向いた面もあったのだろう。
ただ、直線に向き、外から
コズミックフォース、馬群の間から
イェッツトが追い込んできたように、
京成杯は
差し・追い込みが決まりやすいレースだ。見た目にも馬場の内側は荒れていて、1頭になるとフワッとするという
ジェネラーレウーノにとっては、残り100mは厳しいものだったのではないか。
外から追い込んできた
コズミックフォースの上がり3Fはメンバー中最速の
35秒4で、
ジェネラーレウーノのそれは
36秒3だった。実に0秒9の差があって、ゴール板前では0秒1差(半馬身差)だったので、それだけ
田辺騎手が絶妙のペースを作り、絶妙のタイミングで追い出して押し切ったということだろう。
レース後、
田辺騎手は
「まだこの馬の本気の走りが分からない」とコメントしていた。前走の
葉牡丹賞はハナ差、今回の
京成杯は半馬身差だが、着差以上に
余力があるのだろう。本気を出せば、どれほどの強さを見せるのか。
今後、
厳しいペースや
揉まれる競馬を経験していけば、さらに強くなっていくことは必至だろう。そう思っていたが、レース後の厩舎コメントによると、
ジェネラーレウーノはこの後、
皐月賞に直行するという。これは困った。鞍上も本気の走りが分からないとコメントしている馬を、
私たちはG1の舞台でどう評価すればいいんでしょうか(苦笑)。
3歳路線が分散化して、少頭数のレースも増えた近年は、厳しいペースを経験せずに
皐月賞に向かう馬も少なくない。その点、
ジェネラーレウーノは、ひとまず今回に1000m通過が60秒を切るペース(1000m通過59秒7)を経験したので、それは悪くないことだろう。あとは揉まれずに連勝していることと、枠順、他馬との力関係がカギになってくるのではないか。
ちなみに、今回の
ジェネラーレウーノで、
スクリーンヒーロー産駒のJRA重賞勝ち馬は6頭となった。
スクリーンヒーロー自身が
ノーザンダンサーのクロス(4×4)を持っているが、重賞を勝利した6頭はいずれも母系にも
ノーザンダンサーを持っている。
【スクリーンヒーロー産駒の重賞勝ち馬】
馬名 |
重賞 |
ノーザンダンサーのクロス |
モーリス |
13戦7勝 |
5×5×4×5 |
ゴールドアクター |
12戦4勝 |
5×5×4 |
グァンチャーレ |
6戦1勝 |
5×5×5 |
ジェネラーレウーノ |
1戦1勝 |
5×5×5×5×5 |
トラスト |
8戦1勝 |
5×5×5 |
ミュゼエイリアン |
10戦1勝 |
5×5×5×5 |
ジェネラーレウーノは母父(
ロックオブジブラルタル)も母父の母父(
Be My Guest)も母母父(
ストームキャット)も
ノーザンダンサー系で、
ダンチヒの4×4というクロスを持ち、リボー直仔の
His Majestyの5×5というクロスも持っている。
さらに言えば、3代母の父が
アリダーで、これは
ゴールドアクター(母父がアリダー系の
キョウワアリシバ)とも似ている。これらの血統背景が底知れない強さにつながっているのではないだろうか。
皐月賞でどのように評価してどのように買うか(もしくは買わないか)はひとまず置いておくとして、このような
魅力的な血統をしていることは、頭の中に入れておくと良いだろう。