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馬場を読み切った鞍上の好リードで重賞初制覇
文/出川塁、写真/川井博


寒波の到来で土曜の夜間販売が取りやめになるなど開催が心配された日曜京都だったが、無事、第1Rから定刻通りに行なわれることとなった。ミッキーロケットが勝った昨年は降雪のため火曜開催となっただけに、まずは胸をなでおろした。

とはいえ、寒波の影響は皆無ではなかったのかもしれない。先週の京都金杯シンザン記念ではいずれも外差しが決まったが、今週は土曜の段階からインコースを通った馬が好走する場面が明らかに増えたように、馬場の傾向が一変したからだ。1回京都の内有利は例年のことではあるのだが、予想の段階では外差しを想定していた人も少なくはなかっただろう。

結局、今週の京都芝で逃げた馬の成績は[2.3.1.4]で、2勝は9番人気と10番人気という穴馬によるもの。内有利がより顕著になった日曜に限れば[1.2.1.1]となり、唯一の着外も10番人気④着だから、確実にインを走れる逃げ馬がいかに有利だったかがわかる。一方、日曜の京都芝で外から差して好走したのは5Rの新馬戦で②着に入ったルナステラぐらいのもので、時期的に一発で勝ち上がれなかったのは痛恨だが、スワーヴリチャードの半妹にあたるこの馬は追いかけてみる価値がありそうだ。

そして、日曜メインの日経新春杯も、逃げ・先行馬が上位を独占することとなる。大方の予想通り、逃げたのはロードヴァンドール。ポンとスタートを決めると、さほど押すこともなくすんなりハナへ。2番手にガンコがつけて、パフォーマプロミスカラビナミッキーロケットが続き、ほどなく隊列も決まる。どの馬にでもチャンスがありそうなメンバー構成で、しかもハンデ戦。素人目に見ても明らかに内有利、前有利の馬場とくれば、もっと先行争いが激化してもいいのではないかと思うのだが、そうはならなかった。

レースはゆったりとしたペースで流れて、大きな馬順の入れ替わりもないまま淀の坂を上って下りて、4コーナーを回り、直線へ。もちろん、逃げたロードヴァンドールや2番手を追走したガンコの余力は十分で、直線半ばを過ぎても脚色は衰えない。ただ、どちらも決め手のあるタイプではなく、後続を突き放すには至らない。そうこうしているうちに、後ろでミッキーロケットと叩き合っていたパフォーマプロミスがひたひたと迫り、前の2頭を相次いでかわして先頭ゴール。もうひと頑張りを見せたロードヴァンドールが最後まで②着を守り、ガンコが③着になだれ込んだ。

パフォーマプロミスの勝因は、直線に入るまで内ラチ沿いにこだわったことに尽きる。これはミッキーロケットと比較すればよくわかる。両馬とも同じ緑の帽子を被り、道中も近い位置にいたが、7番枠のパフォーマプロミスは内ラチ沿いをとって、8番枠のミッキーロケットは終始外を通ることになった。この差はそのまま直線の伸び脚の違いに表れて、ミッキーロケットとの叩き合いを制したパフォーマプロミスは、勢いを駆って前の2頭を捕まえることに成功したのだった。

それにしてもミルコ・デムーロ騎手である。日曜京都で6勝の固め打ち有馬記念の斜行で騎乗停止処分を受けて、今年の幕開けを飾る金杯には騎乗できなかったものの、早速の大暴れだ。臨機応変で決断力に優れたタイプだけに、馬場バイアスが急激に変化したときにいかにも強そうではあるのだが、この爆発力である。

一方、同じように昨年末のレースで騎乗停止処分となり、今週日曜から復帰したクリストフ・ルメール騎手は②着6回と惜敗の山を築いた。日経新春杯でも3番人気のモンドインテロに騎乗したものの、後ろから行って見せ場なく⑦着に敗れている。

この結果を見ると、土曜に騎乗できず、馬場の変化を実感できなかった影響はかなり大きかったのではないか。実際、最初に乗った芝のレースというのが5Rの新馬戦で、ここで騎乗したのが先述したルナステラ。4角11番手から追い込んで届かずの②着だったわけだが、差しが届いた先週の残像が頭のなかにあったのかもしれない。

今週は明暗分かれてしまったM・デムーロ騎手ルメール騎手だが、この好対照なふたりが今年も中心となっていくことは間違いない。どんな手綱さばきを見せてくれるのか、来週も目が離せない。