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ダート中距離路線の6歳世代は強い、という認識で良さそう
文/編集部(T)、写真/森鷹史


今回、注目を集めたのは何と言ってもテイエムジンソク。単勝オッズは発売開始からずっと1.1倍から1.4倍の間で推移し、最終的に1.3倍となった。

中京が改装されてからの東海Sはとにかく1番人気が強いレースで、2013年以降の5回で1番人気馬は[3.0.2.0]。さらに、1990年以降に行われたJRAの古馬混合ダート重賞で、単勝オッズが1.4倍以内だった馬は[5.3.1.1]。ここまで見ると、テイエムジンソクにとって“最悪でも馬券圏内は外さないでしょ”といった感じの傾向を示していた。

ただ、施行条件が変わって「4歳以上」となった2012年以降の東海Sで、6歳馬は延べ22頭出走して、連対した馬がまだいなかった。まだ6回しか行われていない条件だが、それなりにサンプル数がいる中でのデータだけに、これは少し気になった。

昨年、「3歳以上」の条件で行われたJRAダート重賞の勝ち馬がどの世代から出たかを調べてみると、現4歳世代が1勝、5歳世代2勝、6歳世代1勝、7歳世代2勝、8歳世代1勝。確かに6歳世代はちょっと不振か……。

しかし、その6歳世代の1勝はテイエムジンソクが制したみやこS。前走のチャンピオンズCもあわやの②着に入っていて、「さすがにここでは負けられないだろう」という期待と、「過去の傾向を覆せるだろうか……?」という不安が混じった、複雑な感情でレースを見ることになった。

結果的に、その不安は完全に杞憂だった

今回、4枠8番から好スタートを切ったテイエムジンソクは、古川騎手が迷わず前へ馬を誘導。1コーナーで先頭に立って快調に逃げると、食い下がってきたコスモカナディアンを最後まで寄せ付けず、先頭でゴールを切ってみせた。

2番手に付けた2番人気ディアデルレイが⑨着に沈んでおり、決して前有利のペースだったわけでもないと思われるだけに、今回は結果的に力が違っていたということになるのだろう。

4分の3馬身差②着のコスモカナディアンから後ろは6馬身離れており、今回は完全にこの2頭の競馬に。③着モルトベーネは昨年②着の実績馬で、今回は①着6歳②着5歳③着6歳での決着となった。

6歳不振のデータを吹き飛ばす結果を受けて、改めて昨年以降のダートOP戦線の結果を見てみると、「現6歳世代は強い」というまるで逆の結果が見えてくる。以下に示したのは、昨年以降にダート1700m以上で行われたJRAの3歳以上・OP(18年は4歳以上・OP)で、世代別の成績になる。

世代 着別度数 複勝率
現4歳 [0.1.2.12] 20.0%
現5歳 [2.1.0.19] 13.6%
現6歳 [10.9.9.52] 35.0%
現7歳 [4.2.3.64] 12.3%
現8歳 [0.2.1.28] 9.7%
現9歳 [0.1.1.18] 10.0%
※今年の東海Sまで含む

現6歳世代は重賞勝ちこそテイエムジンソクの2勝だけだが、OPでは最多の10勝複勝率でも他世代を圧倒していた

これから4歳、5歳の成長も見込めるので、ずっとこの傾向が続くとは言い切れない。むしろコパノリッキーというトップホースが引退した今、4歳、5歳世代の奮起を期待するのが筋なのだろうが、少なくとも現時点で“ダート中距離路線の6歳世代は強い”という認識でいてもいいのではないだろうか。

テイエムジンソクにとって次に控える大きな壁は、やはりフェブラリーS&東京ダート1600mになるだろうか。過去25戦がすべてダートのO型コースで、もしフェブラリーSに出走することになれば、レースで芝の上を走るのはこれが初めてのことになる

テイエムジンソク自身は番手に控えても競馬ができる馬だが、昨年がそうだったように、フェブラリーSは厳しい流れになって差し馬が台頭するケースも多い。次も人気を集めそうなだけに、相手が強くなってマークが厳しくなるとどうか、という面もある。

とはいえ、それを覆す走りをテイエムジンソクには期待したくなる。ちなみに2000年以降のフェブラリーSで、4角2番手以内に付けた1番人気馬は5戦5勝。テイエムジンソクが芝スタートを克服していつもの競馬ができれば、古川騎手にとっても念願の戴冠が見えてくるのではないか。

敗れた馬の中で次走以降に注目したいのは、やはりコスモカナディアンになるだろうか。前走はスムーズな競馬ができず⑫着に敗れたが、昨年2月の川崎記念③着馬で、元々この時期は得意にしている。今回も当初は除外対象だったように賞金面の不安を抱えるが、こちらは東京ダート1600mでも勝ち鞍があるだけに、もし出走が叶えば5歳世代の逆襲が見られるかもしれない。

いずれにしても、この結果でフェブラリーSが楽しみになったのは間違いないだろう。