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右回りが本当にダメなのか、次で答えが出る?
文/編集部(T)、写真/森鷹史


金鯱賞は昨年からG1に昇格した大阪杯の前哨戦として位置づけられ、3月開催となった。その昨年は土曜開催で16頭立ての多頭数となったが、日曜開催の今年は一転、9頭立ての少頭数となった。

出走馬が集まらなかった理由には、メンバーの濃さがあったか。なにしろ国内ではG1・2勝を含めて[7.1.2.0]と馬券圏内を外していないサトノダイヤモンドと、昨年の有馬記念④着馬で、過去4戦して[2.2.0.0]の左回りに戻って再出発を図るスワーヴリチャードの2頭が、昨年末の時点でここを年明け緒戦に使うことが早々と発表されていたから、賞金を加算したい馬にとって狙いづらいレースとなったのだろう。

ただ、この2頭の臨戦過程にはかなり差があった。スワーヴリチャードは“順調そのもの”とされていたのに対し、凱旋門賞で⑮着に大敗して以来となるサトノダイヤモンドは状態面に不安があることが伝えられていた。

G1・2勝馬がここまで不安視されるのも珍しい気がするが、それもサトノダイヤモンドを管理する池江師が、馬の状態面その他に対しても率直なコメントをする方だからか。思い返してみれば、同師が管理したオルフェーヴルの4歳時、天皇賞・春で⑪着に大敗した後の宝塚記念でもそんなことがあった気がする(結果、宝塚記念を勝利した)。

一方、スワーヴリチャードについても、個人的には“もしかしたら?”と思うポイントがひとつあった。

それは大外枠。前走の有馬記念は勝負所で大外を回って追い上げたが、直線で内に切れ込んで他馬の進路に影響を与え、M.デムーロ騎手が騎乗停止になる結果(馬は降着なし)になった。これが、終始外を通る形になったことも原因のひとつだった可能性があるのでは?と感じていたからだ。

今回はM.デムーロ騎手が引き続き手綱を取るだけに、大外枠でどんな競馬をしてくれるかと思っていたが……結果は「さすが」と思わせる騎乗ぶりだった。

序盤のスワーヴリチャードは少し控えたが、逃げたサトノノブレスが作ったペースがかなり遅く、我慢できないという感じで単独2番手へ。それだけに直線を向いてもしぶとく粘るサトノノブレスの抵抗に遭ったが、最後はねじ伏せるように交わしてゴールに飛び込んだ。

道中の動きに「引っかかったのかな?」と一瞬思わせたが、レース後のM.デムーロ騎手が残した「外枠で外、外を回すと苦しくなるので」というコメントによると、これは作戦だったのだろう。続く有馬記念のようなことは嫌だったので」というコメントを聞いて、相当ショックだったんだなあ……と苦笑してしまったが、それを冷静に対策し、修正するのはさすがといったところか。

となると。スワーヴリチャードの次走は大阪杯(阪神芝2000m)ということが庄野師から明言されたが、今の状態で右回りに再度挑んだらどうなるか?ということになる。かつては右回りで手前を替えるのが上手くない面を見せていたが、有馬記念のレース後、M.デムーロ騎手「道中は上手に手前を替えていた」というコメントを残している。

ちなみに、スワーヴリチャードの過去9戦で、ふた桁馬番に入ったのは有馬記念(7枠14番)だけ。有馬記念でヨレた原因が終始外を回る形になったことだとしたら、大阪杯で内目の枠を引いた時、もしくは内に上手く誘導できた場合は、右回りを克服できても不思議ないのではないか。

たらればの話が多くなるが、だからこそ興味深い。やはり右回りは厳しいという結果になるか、それとも克服してみせるか。まずはクリーンなレースを望みつつ、本番を楽しみにしたい。

一方、③着のサトノダイヤモンド。道中の折り合いはスムーズに見えたが、勝負所から直線入口にかけての反応がまだ鈍い感じで、直線入口でも内にササる面を見せ、そのあたりは復調途上を感じさせた。ただ、前が空いてからの脚はかつてのサトノダイヤモンドを彷彿とさせるもので、完全復活すれば……と思わせる内容だったのは間違いないだろう。

サトノダイヤモンドも、次走は大阪杯と伝えられている。今年の中長距離古馬重賞はスワーヴリチャードを含めた4歳馬が猛威を振るっているが、5歳のサトノダイヤモンドがストップをかけられるか。スワーヴリチャードサトノダイヤモンドが揃って出走する大阪杯、できれば内目、しかも隣同士の枠で言い訳の利かない真っ向勝負を見せてほしいが、それは贅沢だろうか(笑)。