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充実一途で4連勝&重賞3連勝、さて本番は!?
文/編集部(W)、写真/森鷹史


2/10から2/2へ。これは何かというと、ヴィクトリアマイルの勝ち馬に占める前走・阪神牝馬S組の割合で、前者は阪神芝1400m時代の06~15年、後者は阪神芝外1600mの16~17年となる。

ヴィクトリアマイルの創設に伴い、暮れの阪神芝1600mから4月の阪神芝1400mに条件変更された阪神牝馬Sだが、阪神芝1400mから阪神芝外1600mにコース変更となったのは一昨年のこと。これを契機にヴィクトリアマイルを目指すグループが集まり、出走馬は一昨年がワンツー、昨年が馬券圏内独占と、本番でも2年連続で結果を残しているという流れだ。

今年は阪神JFオークスを制しているソウルスターリングヴィクトリアマイル連覇を狙うアドマイヤリードといったG1馬2頭を含む重賞勝ち馬7頭が集結。早くも“3年連続”がチラつくメンバーとなった中、G1馬のソウルスターリング(2番人気、3.6倍)、アドマイヤリード(3番人気、6.6倍)を抑えて堂々の1番人気(2.4倍)に推されたのがリスグラシューだった。

3歳時はチューリップ賞桜花賞オークスローズS秋華賞エリザベス女王杯と、牝馬の王道路線を歩んで③②⑤③②⑧着と未勝利に終わったが、今年初戦となった東京新聞杯で牡馬を撃破してアルテミスS以来の重賞2勝目を挙げ、好発進を決めている。一昨年の勝ち馬スマートレイアーは東京新聞杯阪神牝馬Sと連勝していて、リスグラシューにも同様の期待が集まった形だろう。

レースは確たる逃げ馬が不在ということで、何が逃げるのか注目していると、エテルナミノルクインズミラーグロが大きく出遅れ。前に目を戻すと、ダッシュ良く飛び出したのが外のミスパンテールで、「作戦というか、雰囲気的にこんな感じになるんじゃないかな」というレース後の横山典騎手のコメント通り、ある程度、想定していたという感じで躊躇のなくハナを奪う。

差し馬で周囲をあっと言わせる逃げを打つというのは横山典騎手がたまに見せる戦法で、「この手があったか…」と思ったも少なからずいたと思うが、古馬ともなればそれなりに自分の競馬が確立されているもの。ましてや春の大一番の前哨戦で、それを変えるというのは勇気と大胆さ、そして関係者の理解も必要となるはずだ。

ただ、横山典騎手のレース後のコメントによれば「(昆)先生はいつも任せてくれるので、『今日は試したいことがある』と言って、こんな競馬をさせてもらいました」とのこと。騎手と厩舎サイドで信頼関係が成り立っていればこその選択肢だったということだろう。

初めてハナを切る形になったミスパンテールも特に戸惑うような素振りも見せず。スタートしてから400mを通過したあたりでソウルスターリング&ルメール騎手がスローペースを見越してか好位まで進出したが、中継画面に表示された前半600mの通過タイムは37秒2。同日の3歳500万が34秒4で、G2とすれば超が付くスローペースと言え、この時点で前有利な流れであることが容易に想像できた。

直線に入り、逃げるミスパンテールに、2番手のレッドアヴァンセが馬体を併せにいき、その外からジュールポレールアドマイヤリードソウルスターリングミエノサクシードが広がって抜け出しを図る。だが、なかなか前2頭と並ぶところまでいかず、逆にソウルスターリングは後退。かわって馬群を割って伸びたきたのがリスグラシュー

前で競り合いながら進むミスパンテールレッドアヴァンセに、外からリスグラシューが迫ったところがゴールで、上位3頭が同タイム(1分34秒8)の大接戦を制したのは上がりを33秒8でまとめたミスパンテールだった。逃げても差しても競馬ができる自在性を見せての4連勝&重賞3連勝で、まさに充実一途と言える。

横山典騎手課題として「テンションの高さ」を挙げるミスパンテールだけに、ヴィクトリアマイルに向けては東京への輸送がポイントになりそうだが、昨年暮れには中山でターコイズSを制していて、クリアできる余地はあるだろう。

一方、阪神牝馬Sヴィクトリアマイルと連勝したのは08年エイジアンウインズのみという歴史もあり、16年ストレイトガール、17年アドマイヤリードは阪神牝馬S⑨着、②着から前進しての優勝だった。特に、今年は超が付くスローペースの前残り決着だっただけに、本番は流れ次第で逆転劇があってもまったく不思議はない。

中団から同タイムの③着まで追い上げたリスグラシューは負けて強しで、東京芝1600mは重賞で2戦2勝と相性が良い。56kgを背負って直線で追い出しを待たされながらも0秒1差の④着だったアドマイヤリードも地力の高さは示したと言えるし、ヴィルシーナ(13&14年)、ストレイトガール(15年&16年)に続く連覇も夢ではないだろう。

ソウルスターリングは昨秋の毎日王冠(⑧着)が示す通り、レース上がりが33秒台の決め脚比べだと分が悪いのは確かだろうし、今回は初の斤量56kgでもあったが、それでも[3.0.1.0]だった牝馬限定重賞で自己ワーストの⑩着という厳しい結果となった。同じ藤沢和厩舎で、史上6頭目の無敗の桜花賞馬ダンスインザムードは第1回ヴィクトリアマイル桜花賞以来、2年1ヵ月ぶりの勝利を挙げて復調をアピールしていたが、ソウルスターリングは輝きを取り戻せるだろうか。