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願ったり叶ったりの状況になった
文/編集部(M)、写真/森鷹史


アーリントンCは、今年からNHKマイルCのトライアルとなり、開催時期が変更となった。1回阪神の開幕週から2回阪神の最終週に移り、当然、使い込まれた馬場に替わり、時計も例年以上にかかるのかと思いきや、結果は真逆になった。タワーオブロンドンが記録した1分33秒4はレースレコードで、2007年のトーセンキャプテン(1分33秒9)以来となる1分33秒台の決着になった。

これだけの時計が記録されたのは、もちろん馬場状態というよりもペースの影響が大きいだろう。ラブカンプーが逃げて、前半3Fが34秒5、4Fが46秒5という流れになった。土曜日の阪神競馬は10Rからが降り、良馬場発表でも水分を含んだ馬場になっていて、数字以上に厳しい流れだったことが想像される。

タワーオブロンドンはこれまでの3勝が芝1400~1500mで、③着に敗れた前走の朝日杯FSでは行きたがる感じになっていたから、ペースが上がったことは好材料だったのだろう。「メインレースの考え方」にも記されていたが、この馬は母が父ダラカニ×母父サドラーズウェルズという欧州血統で、出走馬中唯一の馬体重500kg以上の馬(510kg)でもあり、パワーも感じさせた。開催最終週で雨中のレースとなり、流れも速くなって、まさに願ったり叶ったりという状況だったのではないか。

アーリントンCが阪神芝外回りコースで行われるようになってから今年で12年目だが、これまでメンバー中上位の上がりで優勝した馬は、あまり多くない。過去の優勝馬11頭のうち、上がりがメンバー中3位以内だった馬は6頭で、メンバー中最速だったのは3頭。これは開幕週に行われてきた影響もあるのだろう。

そんな中、メンバー中最速の上がりで勝ったのは、昨年のペルシアンナイト(上がり34秒0)、2012年のジャスタウェイ(上がり34秒2)、2011年のノーザンリバー(上がり34秒5)だ。このうち、ジャスタウェイはその後にG1・3勝をマークし、ペルシアンナイトは昨秋のマイルCSを差し切った。

今回のタワーオブロンドンの上がりは34秒2で、これはメンバー中2位だったが(1位はレッドヴェイロンの34秒1)、十分に速いもので、何より差し切ったことに意味があるだろう。この先、芝G1の舞台で、サンデー系を持つ馬たちとの末脚勝負になっても、伍して戦えるだけの資質を感じさせた。

タワーオブロンドンは、この後、中2週でNHKマイルCに向かうようだ。過去のNHKマイルCでは、中2週以内の臨戦で優勝した馬が4頭いて、いずれもマイナス体重だったという面がある。

【中2週以内でNHKマイルCに挑戦した馬】
馬体重 着別度数
マイナス体重 [4.4.4.56]
増減なし [0.1.3.28]
プラス体重 [0.2.2.28]

優勝した4頭とは、97年シーキングザパール、98年エルコンドルパサー、99年シンボリインディ、15年クラリティスカイで、シンボリインディ藤沢和厩舎の所属だった。藤沢和調教師にとっては、中2週でのNHKマイルC参戦というのは勝手知ったる面があるのかもしれない。

ちなみに、前走アーリントンC組ばかりでなく、皐月賞からNHKマイルCに向かう馬も中2週になるので、そのことは覚えておくと良いだろう。

藤沢和厩舎はこれまでにJRAのG1を26勝していて、半数の13勝を芝1600mで挙げている。その13勝のうち11勝は前走①着馬によるもので、13勝のうち7勝が中2週以内の臨戦だった。

状態の良い時は間隔が詰まっていても問題なさそうで、NHKマイルCでのタワーオブロンドンは、道中で再び折り合って運び、末脚をどれだけ温存できるかが勝負のカギになるのではないだろうか。