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1頭だけ別のレースをしているかのようだった
文/編集部(M)、写真/小金井邦祥


ユニコーンSは世代最初のJRAダート重賞で、その後にダートの重賞戦線で活躍する馬もいれば、条件クラスで入着を繰り返す馬もいたりする。出走馬の間に実力差があって、着差が付きやすいレースと言える。

2001年に6月の東京開催となってから今年で18年目を迎えたが、これまでの17回のうち、優勝馬と②着馬の着差が0秒0~0秒1差だったことは2度しかない。①着ロングプライド&②着フェラーリピサとなった2007年(0秒1差)と、①着ゴールドドリーム&②着ストロングバローズとなった2016年(0秒0差)だ。

17回のうち15回は0秒2以上の差が付けられていて、サンライズノヴァが4馬身差を付けた昨年など、大きな差が付けられても特に驚かないレースだが、今年は3馬身半という差であっても、なかなか唸らさられるレース結果になった。

勝ったルヴァンスレーヴは、あまりスタートが速くなかったものの外を回って進出し、そのまま直線で抜け出して悠々とゴールした。当たり前の話だが、同世代で、みんなで同じコースを走っていたのに、1頭だけ別のレースをしているかのようだった

ルヴァンスレーヴは前走の伏竜Sで②着に敗れたが、初の右回りで、初の休み明け(3ヶ月半ぶり)でもあった。左回りは3戦3勝で、東京ダート1600mのプラタナス賞をほとんど追うところなくレコード勝ちした馬だから、このコース替わりが好材料であることは誰が見ても明らかだったろう。

今回が叩き2戦目であったなら、「勝って当然」と自信を持って言えたのだが、今回も休み明け(2ヶ月半ぶり)だったことが気になった。01年以降のユニコーンSで、中7週以上で勝った馬がいなかったし、ルヴァンスレーヴは父シンボリクリスエス、母母母父リアルシャダイという配合でロベルトの3×5というクロスを持っていたから、わざわざ休み明けの馬を本命にしなくても……と考えてしまった。

ルヴァンスレーヴ3ヶ月半ぶりだった前走が10kg増の496kgだったが、今回は2ヶ月半ぶりでも8kg減(488kg)と絞れて出てきた。もっさり出たスタートを見ても、今回が100%の出来だったとは思えないが、それでも他馬とは大きな実力差があることをレース前に見抜くべきだったのだろう。いやあ、本当に強かった。

ユニコーンSが6月の東京開催に移ってから今年で18回目と記したが、これまでの17頭の優勝馬の中からは、カネヒキリノンコノユメゴールドドリームなどのG1(Jpn1)勝ち馬が輩出されている。ちなみに、秋の中山施行時に優勝した5頭(アグネスデジタル、ゴールドティアラ、ウイングアロー、タイキシャトル、シンコウウインディ)は、いずれもその後にG1(Jpn1)を制覇している。

01年以降に限ってみると、その後にG1(Jpn1)を制した馬は、ユニコーンSで凄い時計で走っていたとか、大きな着差を付けていたといったようなパフォーマンス面での共通項は見つけづらい。例えばゴールドドリームはクビ差の勝利だったし、ベストウォーリアは重馬場で1分36秒0という勝ち時計だった。カネヒキリは単勝1.1倍での優勝だったが、②着アグネスジェダイとは1馬身3/4差だった。

共通項と言えるのは、カネヒキリが6枠11番、ゴールドドリームが6枠12番、ノンコノユメが5枠10番、ユートピアが7枠14番で、ふた桁馬番の馬が多いことか。もしかしたら、ふた桁馬番で多少の距離ロスがあったとしても、この舞台で押し切ってみせることが高い実力の証明となるのかもしれない。

その仮説に立てば、7枠14番で大外を回って快勝したルヴァンスレーヴは、非の打ち所がなさそうだ。ゴールドドリームノンコノユメベストウォーリアカネヒキリユートピアも、それまでに右回りで優勝経験があったので、ルヴァンスレーヴに残された課題は右回りだろうか。

血統的には、前述した通り、母系にリアルシャダイを持っているし、祖母の父がティンバーカントリーなので、1800~2000mが長すぎるとは思えないし、使われてパフォーマンスを上げてきそうなタイプにも映る。順調なら次走はジャパンダートダービーとのことで、2000mという距離よりや中2.5週という出走間隔よりも大井コースの克服が課題になってきそうだ。