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アレスバローズが力を発揮して完勝、さてこの後は!?
文/浅田知広、写真/森鷹史


葵Sが重賞に昇格した影響がどう出るのか。そんな視点も持っていたサマースプリントシリーズの第1戦・函館スプリントSでは、なんたることか3歳馬の出走がゼロ。そこで「6月中に1600万条件以上の1200m戦に出走した3歳馬」の数を調べてみると、その函館スプリントSを中心として15年4頭、16年5頭、そして昨年が2頭という数字だった。

もしかしたら今年は、とりあえず葵Sに出て満足、ということになっているのかなんなのか。ともあれ、シリーズ2戦目となるCBC賞には、アサクサゲンキが出走してきてくれた。葵Sでは1番人気に推されたものの、出遅れを喫して流れに乗れず、上がり最速の33秒1を記録しながら⑤着。つまり、葵Sで満足できなかった馬の筆頭格になるだろうか。

そのアサクサゲンキは単勝3番人気で、1番人気に推されたのはひとつ年上、4歳のダイメイフジ。3走前、やはり1番人気のオーシャンSが後方からになってしまって③着と、少しアサクサゲンキと似た形だ。ただ、こちらはその後2戦して、前走の安土城Sでは後方からの差し切り勝ち。出遅れなどで本来の競馬にならなかったレースをきっかけに脚質転換成功、というのはたまに見る形。ここは1400mから距離短縮で、同じように差せるかどうかが注目だ。

一方、2番人気の5歳牝馬ペイシャフェリシタは、どちらかといえば元々は差し。それが3走前には9頭立てとはいえ4~5番手から②着。そして16頭になった前走でも、4番手からきっちり前を捕らえて勝利と、逆にこれまでより前の位置取りになってきた。そして4番人気のアレスバローズは出遅れもあったり、乗り難しさもあったりと、どうにも定まらなかったが、オープン入り後は終い勝負に落ち着いてきた印象だ。

さて、アサクサゲンキの今回の位置取り次第では、近走での「脚質転換対決」となるこの一戦を制するのはどの馬か。ハナを切ったのは、初ブリンカーだった昨年のこのレースから「逃げ」に脚質が定まったアクティブミノル……かと思いきや、ほかの馬が速く外からワンスインナムーンが先頭へ。アクティブミノルは好位どころか中団という意外な展開の中、人気どころはその前にペイシャフェリシタ、後ろにアレスバローズダイメイフジアサクサゲンキは予想された通りの後方となった。

前半の600m通過は32秒7と速い流れで、ワンスインナムーンはそのままペースを落とさず後方まで縦長のまま4コーナーへ。しかし、なんといっても開幕週の短距離戦。後方であまり離されては前にはなかなか届かない。

そんな展開で絶好の位置取りになったのが、前走よりはやや前の中団でうまく流れに乗れたアレスバローズ(と、本来ならペイシャフェリシタ)。そのペイシャフェリシタが伸びを欠く外から、アレスバローズは1完歩ごとに前へと詰め寄る力強い末脚を発揮した。上がり32秒4を記録した前走(⑤着)のような、最後方・大外からの鋭い脚ではなかったものの、残り100mあたりで前を捕らえると、そのまま後続を突き放す完勝だ。

後方勢は、1番人気のダイメイフジが伸びを欠いての⑪着。そして3歳・3番人気のアサクサゲンキは抜群の末脚で前に迫ったものの、これは前走のアレスバローズのような、上がり32秒9での④着敗退。結果的には、脚質転換というか、このハイペースの中でうまいこと中団に収まったアレスバローズに、力を発揮できる環境が整った形になった。

これまで[5.4.4.12]という成績にも現れているように、同じ乗り方が難しいタイプでも極端なムラになるのではなく、早めに行ってしまうと甘くなる馬。出遅れずに互角にゲートを出た上で、速い流れで折り合いをつけて中団で流れに乗ると、このくらいの力は見せると考えればいいだろう。

その「このくらいの力」が、大混戦となった②着以下を尻目に1頭抜け出しての完勝である。これなら今年のサマースプリントシリーズで……、と言いたいところだが、現状では2戦続けて勝つようなタイプとは言えないのが、この手のシリーズ制覇へ向けてはちょっと頭が痛い。

ただ、展開が向かず少々凡走が続いたところで、たとえばスプリンターズSで再びハイペースになって本領発揮、というパターンもあり得るのがこのタイプ。中山芝1200mは昨年末、1600万とはいえ前半33秒0で流れた南総Sを差し切っており、たとえこの後のシリーズで好結果が出なかったとしても、秋まで覚えておきたい存在だ。