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ダート短距離のレコード破りになるのでは?
文/編集部(M)、写真/森鷹史


プロキオンSが創設されたのは1996年で、第1回はナムラコクオーが1分23秒6(良)で制した。その後、1分23秒台の決着となったのは2回だけで(99年、03年)、時計の速い決着になりやすいレースではあるのだが、さすがにこんなに凄い時計が出るとは想像していなかった。

逃げ切りで4馬身差を付けたマテラスカイの走破タイムは1分20秒3。これは従来の日本レコード(1分21秒5)を1秒以上も短縮するものだ。前日の土曜日(7日)のメインレースが芝1400mの豊明S(1600万)だったが、その勝ち時計(1分20秒8)をも上回るタイムがダートで叩き出された。気の早い話だが、この記録は当分の間は破られないのではないだろうか。

今年のプロキオンSは、前走で先行していた馬が多く、先行激化の流れが予想された。前に行きたい馬の中でもハナを主張しそうだったのがドリームキラリマテラスカイで、内枠(2枠2番)のM.デムーロ騎手(ドリームキラリ)に対して、外枠(8枠13番)の武豊騎手(マテラスカイ)がどのような位置を取るかが注目された。

ドリームキラリは元々は中距離を中心に活躍してきた馬で、それに対してマテラスカイは過去5勝がすべて1200mだったから、後者がハナを奪えばハイペースが予想された。そうなれば追い込み決着もあり得ると読んで予想を組み立てたのだが、マテラスカイが作り出した競馬は追い込み馬が台頭しやすいような生易しい流れではなかった

マテラスカイは前半3Fを33秒5で通過した。そこからも一向にペースは落ちず、次の1Fを11秒2で通過する(前半4Fが44秒7)。2番手に付けていたウインムート和田騎手は、付かず離れずという位置で追走していたが、直線に入って差が開いてしまう。無理もないだろう、マテラスカイの1000m通過は56秒3、1200m通過は1分7秒5で、ダート1200mでも日本レコードを樹立できる速さだったからだ。

抜け出してからも武豊騎手は気を抜かせることはなく、ムチを2回入れた。それであのタイムだ。あ、冒頭で「この記録は当分の間は破られないのでは」と記したが、それは間違いかもしれない。他馬に破られる可能性は低そうだが、マテラスカイ自身がさらに時計を短縮することはあり得そうだ。ダート1200mやダート1400mの日本レコードを何度も塗り替えて、ダート短距離界のブブカになる可能性も十分にあるだろう(例えが古くて恐縮です・笑)。

過去のプロキオンSでは、道悪馬場となったことが5度あり、その5回中4回で4歳馬が優勝していた。道悪馬場となった5回のうち4回は稍重馬場で、不良馬場になったことはなく、重馬場が一度だけあったが、その一度(00年)ではゴールドティアラ(4歳)&武豊騎手が優勝している。道悪馬場でのプロキオンSでは、4歳&武豊騎手というのが最強のコンビと言えた。もっとそのことを重視すべきだった……。

マテラスカイについてはダート1400m以上で勝ち鞍がなかったことをマイナス材料と考えて対処してしまったが、その血統表を見直して、ヒントが前日の濃尾特別(ダート1800m)に隠されていたことに気が付いた。

濃尾特別は3歳馬のプロスパラスデイズが追い込みを決めて優勝したが、同馬はハードスパン産駒で、それまでの2勝をダート1600mで挙げていた。距離実績のない1800mでどうか?と思ったのだが、あっさりと差し切られ、レース後にその血統表を見直したら、母系にニジンスキー(3代母の父)を持っていた。

距離実績がなくても、やはりスタミナ豊富な血脈を母系に持つ馬には注意しないといけないな、と思った矢先、同じようなことが再び起きたわけだ。マテラスカイは3代母の父がニジンスキーなのだ。この反省は来週以降に活かすしかない。。。

道悪馬場のプロキオンSは過去に5度あったことを前述したが、その5回ではベテラン勢の好走が少なく、6歳以上の馬は[0.2.0.36]だった。7歳以上の馬に至っては23頭が出走して1頭も馬券圏内に入れていなかったから、それを考えれば、8歳で②着まで差し込んだインカンテーションの走りは称賛に値する。しかも、インカンテーションは今回が初のダート1400mだった。

JRAのダート重賞が重~不良馬場で行われたことは過去に54回あり、7歳以上の馬は[1.8.6.131]という成績だった。唯一の勝ち馬は、03年平安Sを逃げ切ったスマートボーイ(8歳)だ。インカンテーションは現在の状態の良さなら、この記録に並ぶチャンスが巡ってきても不思議ないだろう。