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今後、オレンジ色のピンポン玉が増える可能性も低くはない!?
文/編集部

好位のインでじっと我慢し、直線で後続を突き放して重賞2勝目を挙げたタマモサポート。右回り、左回りの違いはあるが、まるで前走のキャピタルSの再現VTRを観ているようだった。キャピタルSは1000m通過が57秒9、レースの上がり3Fが35秒1、勝ち時計は1分33秒0京都金杯は1000m通過が57秒9、レースの上がり3Fが35秒0、勝ち時計は1分32秒9

そのレースぶりも然ることながら、時計面でもほとんど変わらない。また、昨年は関屋記念東京新聞杯でも3着となっていたが、前者は1000m通過が59秒9、レースの上がり3Fが32秒9、走破時計は1分33秒2。ここはスローペースの上がり勝負だったが、後者は1000m通過が57秒7、レースの上がり3Fが35秒1、走破時計は1分32秒8だった。

折り合いがカギとなるタイプだけに、自分の型(今回のような折り合いをつけやすい速いペース)にならないとモロい面もあるが、型にはまればこれだけのパフォーマンスを発揮できる、ということを存分にアピールした。勝ち時計1分32秒9は、00年に京都金杯が2000m→1600mに変更されてから最速でもある。

ただ、タマモサポートに関して驚いたのは、その圧巻のパフォーマンスだけではない。それ以上に、6歳という年齢で芝重賞を勝ったことにビックリした。出馬コメントでも記載したが、タマモサポート京都金杯を制する前までで、6歳以上のタマモクロス産駒は芝重賞で[1.2.9.102]だった。

114回走って1着はたったの1回。勝率は0.9%ですよ! 例えば、ピンポン玉が114個あって、113個は白色、1個だけオレンジ色という状況があったとしましょう。そこで目隠しして、オレンジ色のピンポン玉を引き当てるくらいの確率ですよ! この例えはイマイチのような気もしますが(笑)、単純計算で言えばそうなる。

しかも、父タマモクロス天皇賞春秋制覇宝塚記念勝ちを含め、破竹の8連勝を飾ったスーパーホースだったが、息子のタマモサポートはというと、デビューから連勝したことがなく、データ上では二重の重圧があった。それらをあっさりと跳ね返してしまったのだから、こちらとしては完敗です……。

それは、ラチ沿いを強襲して2着となったマルカシェンク直線勝負に賭け、大外から33秒8の上がり(メンバー中最速)で急追し3着となったファリダット、その他の馬も同じだろう。特に、アドマイヤオーラ1番人気4着となったが、直線で思ったほど弾けなかったとはいえ、6ヵ月半の骨折休養明けで、昨年を0秒2上回る時計で走っている。

みんなが自分の競馬に徹しての結果であり、ペースや展開による紛れはなかったと思う。上位人気馬が走らなかったのではなく、ハンデ57kgを背負い、そこで2着以下に2馬身差をつけたタマモサポートがそれ以上に走った、強かった、というのが今年の京都金杯の厳然たる事実だろう。

ちなみに、タマモサポートの前に、6歳以上で芝重賞を勝っていた唯一のタマモクロス産駒は何かわかりますか? シンボリクリスエスアドマイヤドンなどと同世代で現在は10歳02年の中日新聞杯を制し、母父サンデー産駒の中央重賞勝ち第1号となったあの馬ですよ。そういえば、04年の京都金杯も勝っていましたね。

答えはマイソールサウンド。6歳時に6番人気で勝利した05年の阪神大賞典が唯一の1勝だった。マイソールサウンドは現役引退後、京都競馬場で誘導馬をしているが、京都金杯の直前にもお仕事をしていた。今年の京都金杯を紐解く最大のカギはそこだったのかと。その姿を見て、懐かしんでいる場合ではなかったなぁ。

さらにちなみにですが、タマモサポートの手綱を取った津村騎手1月5日が誕生日。後付けではなんとでも言えてしまうが、今回の勝利も何かに導かれていた部分もあったのかもしれませんね。まあそれは、確実に外野の勝手な理由付けに過ぎないでしょうけど(笑)。

いずれにしても、タマモサポートのポテンシャルは、マイルCS安田記念でも好勝負できるレベルにあることは判然とした。それをきちんと発揮できるかが肝心だろうが、オレンジ色のピンポン玉が増える可能性も低くはなさそうだ。

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