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ブラボーデイジーは本番に向けて厳しいデータを跳ね返るのか!?
文/編集部

1番人気ベッラレイア、2番人気ピンクカメオ、3番人気オディールをはじめ、ヴィクトリアマイルを狙う面々が大挙出走し、かつてないほど好メンバーが揃った一戦。しかし、降り続く強い雨で、「馬場状態:泥」と表現したほうが妥当に思えるほど馬場状態は悪化し、波乱含みのスタートとなった。

ダッシュ良く飛び出した7番人気ブラボーデイジーに競りかける形で、斤量58kgを背負ったヤマニンメルベイユが外からハナに立つ。前走の中山牝馬Sで逃げて2着に入り、大穴を演出したピンクカメオは外枠もあってか3番手に控える。ベッラレイアは後ろから3頭目を進んだ。

道中はそのままの隊列で進み、各馬が動き出したのは残り600m。3~4コーナーの中間地点で内にいたブラボーデイジーヤマニンメルベイユを交わして先頭に立ち、そのまま距離ロスを避ける形で最内を回った。ブラボーデイジーは直線に入ったところで2馬身の差をつけており、この差が勝負を決めた。

最後方から内を突いてアルコセニョーラが差を詰めたが、残り200mで2番手に上がったところでほぼ脚色が同じになり、そのまま2馬身差をつけてブラボーデイジーが粘り込んだ。3着は58キロを背負ったヤマニンメルベイユで、地力を見せた形に。

4着も道中3番手につけたピンクカメオで、中団より後ろにつけた馬はほぼノーチャンス。1番人気ベッラレイアは最後方を進んだが、7着まで押し上げるのがやっとで、3番人気オディール14着に沈んだ。

デビュー7年目の生野騎手はこれが重賞初勝利。デビュー当時から所属している音無師に恩返しする形となった。馬場の内の荒れ方は「いつもの開催が進んだ福島」だったが、ここまで悪化するとどこを走っても同じ。ならばと思い切って先行して経済コースを回った鞍上の好判断が光った。

ブラボーデイジーと同じく、条件馬の身で3着以内に入った馬は過去5年で4頭いるが、そのうちの3頭(06年1着ロフティーエイム、06年3着フィヨルドクルーズ、07年2着フラッグシップ)は、それ以前に福島芝1800~2000mで勝利実績があった。ブラボーデイジー福島芝2000mで勝利実績があり、それに該当していた。

ちなみに今年、福島芝1800~2000mで勝利実績があったのはブラボーデイジー(1着)、アルコセニョーラ(2着)、ヤマニンメルベイユ(3着)、マイネカンナ(9着)、ブーケフレグランス(11着)の5頭だった。福島牝馬Sは福島芝1800~2000mで好走実績のある馬はチェックしたほうがいい、ということだろう。

また、ブラボーデイジーダートで好走した実績はまだないが、父がクロフネである。勝ち時計は1分53秒7だいたい良馬場で行われた時の1000万クラスの中山ダ1800mで見られる勝ち時計だろうか。ダート並みに時計を要し、差し馬が伸びにくそうだった馬場が、ブラボーデイジーに味方した部分もあったかもしれない。

というわけで、この流れだと「この馬場状態では目標のヴィクトリアマイルについては参考外。直線の長くなる東京で良馬場ならベッラレイアの巻き返しは必至だろう」と書きたくなるところだが、「勝ったブラボーデイジーはヴィクトリアマイルでも狙える」ポイントを探してみたい。

過去3年で連対馬6頭のうち、5頭が4歳馬

過去3年で08年のウオッカを除いた3着以内8頭は、サンデーサイレンスの血を持っていた(ただし、すべて父系。ブラボーデイジーは母父がサンデーサイレンス)

エイジアンウインズ、アサヒライジングと、前走で逃げていた馬が2頭連対

……といった感じ。過去3年の上位3頭は33秒台の上がりを使っていて、本番は上がり勝負になりやすいが、ブラボーデイジー34秒台で上がったことさえなく、福島牝馬Sをステップにした馬はこれまで1回も馬券に絡んでいないなど、厳しいデータのほうが目につく。

しかし、「直線は何も来るな、と願いながら追いました。ヴィクトリアマイルでも頑張りたい」とレース後に語った生野騎手が、同期の松岡騎手に続いてヴィクトリアマイルでG1初勝利を決めるシーンをぜひ見てみたいと、必死で馬を追う姿を見直しながら思った。

それにしても、野球ゴルフモータースポーツなど、中止や延期を余儀なくされた競技もあったほどの悪天候だったが、競馬はいつも通り開催された。当たり前のことなのだが、何となく感謝したい気分だ(笑)。

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