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1分8秒0という勝ち時計はSS系には価値あるものだった
文/編集部

今年のCBC賞は、出馬表が出た段階ですでに波乱ムードが漂っていたが、前日売り段階で1番人気だったトレノジュビリーの出走取り消しなどもあり、最終の単勝オッズは上位人気7頭が5~9倍台にひしめく大混戦模様となった。そして、結果的にもやはり、12番人気プレミアムボックスが勝利して、波乱の結末となった。

プレミアムボックスは、競馬新聞の馬柱で近走成績を見ていると、つい「ここではパンチ不足?」という印象を抱いてしまうが、もともと昨年3月には、芝1200m重賞オーシャンSを制していた馬。実績的には勝っても不思議ない1頭だったのだが、ちょっと意外だったのは、この馬が勝ったということ以上に、その勝ち時計だった。

プレミアムボックスは、父がアドマイヤベガ。サンデー系が先頭でゴールインしたのを見た時には、「ああ、今年は良馬場で、時計もきっと速かったんだろうな」と思っていた。しかし、着順掲示板に表示された勝ち時計は1分8秒0。同日6Rの3歳500万下の勝ち時計が1分8秒1だったことを考えれば、意外なほどの遅さだ。

ここで時計のことを持ち出したのは、なにも時計的にレベルが高い・低いといった類の話をするためではない。意外に感じたというのは、「勝ち時計1分8秒0という芝1200m重賞で、父サンデー系が勝った」といった観点の上だった。

父サンデー系は、今回のCBC賞で芝1200m重賞を29勝目。それらの勝ち時計を眺めていると、ある特徴に気づく。16勝1分8秒9以上5勝1分7秒9以内。この2パターンが、全体の7割ぐらいを占めている。

要するに、「それなりに時計がかかった時」「けっこう時計の速い決着となった時」というパターンが多くを占めているのだが、逆に「1分8秒台の前半ぐらいで、取り立てて速くも遅くもない」といった印象のタイムでの勝利は、珍しい部類に入るのだ。

時計の区切り方が微妙に作為的な面もあるが、父サンデー系の芝1200m重賞における勝ち時計別の成績を見てみよう(※今年のCBC賞まで含めた成績)。

●1分7秒9以内
→[5.8.7.45]連対率20.0%、複勝率30.8%。
※1~3番人気で[3.6.4.5]連対率50.0%、複勝率72.2%。

●1分8秒0~1分8秒3
→[4.2.6.58]連対率8.6%、複勝率17.1%。
※1~3番人気で[1.2.3.4]連対率30.0%、複勝率60.0%。

●1分8秒4以上
→[20.18.15.161]連対率17.8%、複勝率24.8%。
※1~3番人気で[12.6.6.24]連対率37.5%、複勝率50.0%。

連対率や複勝率で見ると顕著だが、今回のCBC賞のように勝ち時計が「1分8秒0~1分8秒3」の範囲だった時には、かなり苦戦傾向にあることが見て取れる。

逆に、「1分8秒0~1分8秒3」の芝1200m重賞を得意とする血統は何かと言うと、父ノーザンダンサー系。08年以降だけで言っても、08年のCBC賞スプリンターズSにおけるスリープレスナイト08年京阪杯ウエスタンダンサー09年高松宮記念ローレルゲレイロと、この範囲の時計で4勝を挙げている。

これは単なる推測による大雑把なイメージだが、勝ち時計が「1分8秒0~1分8秒3」ぐらいの芝1200m重賞というのは、「父ノーザンダンサー系の渋太い持久力が活きやすく、父サンデー系の軽い瞬発力が活きづらい」といったレースの質になりやすい面があるのだろう。

ちなみに、今回のCBC賞の他に、「1分8秒0~1分8秒3」で勝った父サンデー系は何かと言うと、03年高松宮記念ビリーヴ03年スプリンターズSデュランダル06年高松宮記念オレハマッテルゼ。すべてG1レースというのは、なんだか非常に特徴的に思えてくる。

プレミアムボックスは、父がサンデー系で、母母父がノーザンテースト母方にノーザンテーストの血を持つという意味では、デュランダルオレハマッテルゼと大枠で類似している血統と言えるだろう。

先述の偉大な3頭はいずれも同年にもうひとつ重賞を制しているが、プレミアムボックスも今回の久々の勝利をきっかけに、再度の飛躍があるのだろうか。「サンデー系が苦手としている時計の壁」を克服した馬だけに、今後の走りもしっかりと注目していきたいところだ。

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