ランザローテはJBCスプリントでも好走間違いなし!?
文/編集部
宝塚記念も終わり、競馬界は秋のG1シーズンまでオフに入る馬も多くなる。ダート界も夏の大一番である
帝王賞が終わり、ひと区切りついた感があるものだ。
そんな時期に行なわれるこの
プロキオンSだが、4月から6~7月に施行時期が移された2000年以降の過去の勝ち馬を見ると、
その年の秋にG1級のレースで活躍を見せる馬が多い。
00年
ゴールドティアラ→
南部杯1着、01年
ブロードアピール→
JBCスプリント2着、02年
スターリングローズ→
JBCスプリント1着、03年
スターリングローズ→
JBCスプリント3着、05年
ブルーコンコルド→
JBCスプリント1着、06年
メイショウバトラー→
JBCマイル2着、07年
ワイルドワンダー→
南部杯2着となっている。
また、上記の馬たちは、プロキオンS以前にフェブラリーSで2着に入っていた
ゴールドティアラを除くと、この勝利をステップにして、秋に初めてダートのG1級レースに挑戦した馬が多い。まさに、
ダートG1に向けての登竜門とも呼ぶべきレースなのである。
今回の出走馬を見渡すと、今年に入って条件戦で3勝を挙げている4歳牝馬
トーホウドルチェが1番人気、オープンに上がってからの近2走は、9着、5着と苦戦が続いているものの、その前は条件戦で3連勝していた
ランザローテが3番人気と、ファンの支持を集めていた。
一方、その前に立ちはだかるのは、
08年JBCスプリント覇者である
バンブーエール(2番人気)、
07年のフェブラリーSを制している
サンライズバッカス(4番人気)のG1ウイナー2頭。ありきたりな図式とも言えるが、
新興勢力VS実績馬という構図になっていた。
レースはスタート直後の芝部分でスピードに乗った
サイキョウワールドがハナを切り、
トーホウドルチェが2番手につけ、その直後に
ランザローテ。
バンブーエールは前を行く人気馬2頭をマークするように5番手、そして、
サンライズバッカスはいつものように後方に待機した。
直線に入ってすぐに
トーホウドルチェが先頭に立ち、後続を突き放しにかかるが、外から並びかけてきた
ランザローテとの叩き合いになり、最後はわずかに
ランザローテが前に出ていた。
惜しくも敗れた
トーホウドルチェだが、
4歳ということを考えれば、
重賞初挑戦にして2番手から抜け出すという正攻法の競馬を試み、アタマ差の2着というのは、勝ち馬と同等の評価をしてもいいのではないだろうか?
サクセスブロッケン、
スマートファルコン、
エスポワールシチー、
カジノドライヴ、
ウォータクティクスといった、ダート界を賑わせている4歳世代に、牝馬からもスター候補が現われたようだ。
3着の
バンブーエールは大外からよく伸びてきていたが、前の2頭との差を縮めることができなかった。いつもの勝ちパターンに持ち込みながら、敗戦を喫したわけだが、今回は最重量の
59kgを背負っての結果だけに(
ランザローテとは
3kg差、
トーホウドルチェとは
5kg差)、悲観することはない、大一番では巻き返しも十分に考えられるだろう。
6着に終わった
サンライズバッカスだが、人気馬に先行馬が多かったにも関わらず、逃げた
サイキョウワールドが4着に残る前残りの展開となったのは不運だった。
勝った
ランザローテはケガなどで休養している期間が長く、すでに6歳ながら今回が
10戦目。前走では道中でかかってしまい、最後は失速したが、今回は前に馬をおいても落ち着いて走っていた。これまでは早め先頭から押し切るレースが多かったが、気性面でも成長した証拠かもしれない。
また
ランザローテは、
ダートの1400mはこれで5戦4勝3着1回という抜群の成績を残している。奇しくも、今年の
JBC(11月3日)は
名古屋で開催されるため、
JBCスプリントは
1400mで行なわれる。同馬にとって、うってつけの舞台が待っているのだ。前述のデータと合わせると、
JBCスプリントでの好走は間違いなし!?