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派手さはなかったが、上位人気で勝利したことは高く評価されるべきだろう
文/編集部

86年以降、小倉2歳Sの1&2番人気が今回のようなケースだったのは、初めてになる。

何が初めてのケースだったかと言うと、前走で未勝利戦を勝ち上がってきた馬が1&2番人気に推されたことだ。

86年以降の1番人気は23頭いて、そのうち前走がOP特別だった馬11頭で、新馬戦だった馬11頭未勝利戦だった馬1頭しかいない。

2番人気の23頭は、OP特別8頭新馬戦13頭で、未勝利戦2頭。つまり、前走が未勝利戦で1~2番人気に推された馬は、86年以降では3頭しかいなかったということだ。

かつては「折り返しの新馬戦」も存在していたので、その影響もあるのだろうが、それを考慮しても少ない。今年は非常に珍しいケースだったと言える。

この背景には、フェニックス賞の1&2着馬が不在だったことがあるのだろうが、いずれにしても、未勝利戦を勝ち上がってきた馬が上位人気に推され、その人気に応えられるのかがレースの焦点となった。

結果から言えば、優勝したジュエルオブナイルは強いレース内容を見せたと言える。

2番手追走から抜け出して、決して派手さのない勝ち方ではあったが、1分9秒0という勝ち時計は、このレースで3番目に速いもの。そして、何よりも、1~2番人気で勝利を収めたことを評価すべきだろう。

00年以降、小倉2歳Sでの1~2番人気馬はなかなか勝てておらず、優勝したのは03年のメイショウボーラー(1番人気)とアルーリングボイス(2番人気)しかいない。特殊に荒れた馬場で行われる影響か、人気を背負って自ら動いて勝つには、相当な力量が求められているのが現状なのだ。

99年以前を振り返っても、1番人気での優勝は、86年以降ではダンデイアポロ(88年)、タケイチケントウ(97年)、そしてメイショウボーラーしかいない(98年のコウエイロマン京都開催での優勝)。

今回のジュエルオブナイルは票数の関係で2番人気ではあったが、1番人気のサリエルと同オッズだった。上位人気で優勝した事実は、今後のこの世代のレースにおいて、評価の物差しに使っていいのではないだろうか。

さて、その1番人気のサリエルだが、非常に残念な結果になってしまった。レースを見ていた人はもちろんご存じだろうが、ゲート入りして他馬が入るのを待っていた時、ゲートを潜ろうとして福永騎手を振り落としてしまった。

その後、ゲートから一度外に出され、他馬も出されてスタートが仕切り直しとなり、サリエル「危険防止」という名目で外枠発走を余儀なくされた。

ゲートが開くと好スタートを決めていたが、大外枠で終始外を走らされ、結局、もうひとつ伸びを欠く結果となった(4着)。

ゲートを潜ろうとした後、頭絡がズレてそれを直される映像が映し出されていたが、それくらいの衝撃があったわけで、キャリアの浅い2歳牝馬であることを考えると、相当の精神的ダメージもあったのではないかと思われる。それでも4着まで押し上げたのだから、それは評価すべきだろう。

個人的な馬券はサリエルを中心に買っていて、最初は2&3着付けで買っていたのだが、「いや、1着もあるかも」とご丁寧に1着付けの馬券も買い足したら、結果、4着という…。

馬券を購入したこちらも相当な精神的ダメージを受けたが、それはさておき、サリエル自身はあのようなことが起こりながら4着まで来ているのだから、今回失った資金を回収させてくれるチャンスもすぐに来ると思われる。「牝馬の松永(調教師)」「新オークス男」の福永騎手に、今後のケアと立て直しを期待したい。

なお、サリエル2月7日生まれで、今回の出走14頭の中では3番目に早い誕生日だった。いちばんの早生まれは優勝したジュエルオブナイル1月25日、2番目は2月2日メイショウヘミング(3番人気)だった。

フェニックス賞の連対馬がいない今年は、「誕生日が早ければ完成度も高いはず」という理論で攻めた人が多かったのかもしれませんね。

実際に優勝したのがいちばん早生まれの馬だったわけだが、鞍上の鮫島騎手によれば、ジュエルオブナイルまだまだ子どもっぽいとのこと。肉体的にも精神的にも、まだまだ成長が見込めるのだろう。

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