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レース内容は非常に濃かったが、芝1800mの前哨戦が差し決着だと…
文/編集部

レッドディザイアよ、お前もか! 外からよく伸びてきたものの、わずかに届かず2着という結果から、馬はもちろん違うが、札幌記念でのブエナビスタの再現テープを見ているかのような気がした。それもそのはず、並べてみると、様々な状況が驚くほどよく似ている。

札幌記念でのブエナビスタは、単勝1.5倍の断然人気。枠順は6枠11番。前走のオークスから馬体は8kg増中団~後方の位置取りから、直線でよく伸びてきたものの、クビ差届かずの2着。そして、勝ったのは2枠3番ヤマニンキングリー(単勝オッズ28.2倍)だった。

ローズSでのレッドディザイアは、単勝1.4倍の断然人気。枠順は6枠11番。前走のオークスから馬体は10kg増中団~後方の位置取りから、直線でよく伸びてきたものの、クビ差届かずの2着。そして、勝ったのは2枠4番ブロードストリート(単勝オッズ28.2倍)だった。

枠順、着差&着順は同じで、単勝オッズや馬体重の増減も似通っていて、おまけに勝ち馬の単勝オッズもまったく同じときている。サイン馬券師じゃなくても、何かのサイン、何かのお告げとしか思えないような、恐怖すら感じる類似性だ(笑)。

2頭とも「馬体の成長も感じられたし、ここを使って次は大幅な良化が見られそうだな」という印象の2着ではあったが、果たして春の桜花賞オークスと同じように、秋華賞ブエナビスタレッドディザイアの2頭で順当に決まるのだろうか。

ブロードストリートは、オークス0秒8差の4着。そして、ブエナビスタが勝ったチューリップ賞でも0秒5差の4着。春の上位勢力の1頭ではあり、「春と秋では上位がガラッと変わりそう」とまでは言わないが、この馬が勝ったローズSの結果からは、「3歳牝馬路線は2強というより、上位5~6頭の拮抗状態の勢力図じゃないだろうか?」という印象を個人的に抱いている。

それほどまでにローズSの結果は強烈だった。前後半の4Fが46秒3-46秒6という淀みない流れで、勝ち時計1分44秒7レコード。翌日の古馬の準OP(西宮S)が1分44秒8だったことからも、時計の価値はうかがえる。

これだけの時計で勝ち切ったブロードストリートはもちろん優秀だし、確かな成長も感じさせるが、2着にはきっちりレッドディザイアが来ていたことを考えると、どうしてもやはり、ブロードストリートの単体の強さ&成長というより、「春の上位勢力は強力」という括りで見てしまう。

では、最後の一冠の秋華賞を制するのは、ブエナビスタレッドディザイアブロードストリートか、それとも他の春の上位勢力なのか。

もちろん、そのあたりの馬たちで比較的順当な結果となる可能性もあるだろうが、穴党の自分としては、ローズSの結果から「上位人気の馬たちが総崩れとまでは言わないが、超人気薄が馬券に絡む可能性も決して低くはないんじゃないか」という見立てをしている。

ローズSは、1着ブロードストリート4角8番手、2着レッドディザイア4角12番手で、基本的に差し決着だった。そして今度の秋華賞は、中3週で、距離が1800mから2000mとなる。

「芝1800mの前哨戦の重賞を4角7番手以下から差して勝った馬が、中2~3週で芝2000mのG1に出走してきた場合」にどういう戦績を残しているかと言うと、90年以降で[1.0.2.7]。連対したのは、スプリングSを4角7番手で1着→皐月賞で1着だった今年のアンライバルドしかいない。

芝1800mの前哨戦を差して勝ち、芝2000mの本番で再び好走するというのは、基本的に難しいというデータが出ている。同じ臨戦過程で、芝1800mの前哨戦を差して2着だった馬はどうかというと、90年以降で[0.3.1.8]。2着馬についてもやはり難しいようだ。

そして、話はそれだけではない。そもそも「前哨戦の芝1800m重賞が差し決着になった時は、本番の芝2000mのG1で超人気薄の台頭が目立つ」という傾向も、実はあったりする。

例えば07年の皐月賞。前哨戦の芝1800mのスプリングS毎日杯を、ともに4角9番手以下の馬が勝ち、皐月賞7→15→2番人気の順で1~3着。04年の天皇賞・秋も、前哨戦の芝1800mの毎日王冠4角11番手の馬が勝ち、天皇賞1→13→9番人気と、人気薄が2~3着に来ていた。

他にも、ノーリーズン15番人気皐月賞を制した時(02年)もそうだったが、前哨戦の芝1800m重賞が差し決着になった時には、本番の芝2000mのG1が、ひと筋縄では収まっていないケースが目立つ。

今年の場合、ブエナビスタレッドディザイアが勝ち切れなかった時点ですでに、「波乱の予兆」が出ているのかもしれないが、先述の「恐怖のお告げ」の解読も含めて(笑)、秋華賞の予想はなかなか楽しそうになる予感がヒシヒシとしている。

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