枠順による有利不利がレース結果に大きく影響
文/編集部
開催最終週に加え、
稍重の馬場状態。直線は芝が掘れて伸びにくい内と、比較的良好な馬場で伸びる馬が目立った外と、
枠順による有利不利がレース結果にも大きく影響したかのように思う。
それにしても、8枠16番という外の枠から競馬ができたとはいえ、牝馬ながら
57キロの酷量を背負い(牡馬に換算すれば、59キロ相当)、完勝した
シーイズトウショウには頭が下がる。
テン3F33秒3は馬場を考えれば速い。高松宮記念が緩い流れだったとはいえ、3F33秒7だった。それをシーイズトウショウは4番手にピタリとつけ、直線半ばで外目から先頭に立つと、内から伸びた
ワイルドシャウトを相手にせず、堂々の押し切り。
これでCBC賞は03年に続き、2勝目。重賞勝利は04年と05年の函館スプリントSと合わせて4勝となった。
G1勝利にはなぜか縁遠いのだが、まだまだ
衰え知らずの6歳馬。まずは函館スプリントSで3連覇を目指し、秋に備えてほしいものだ。
一方、2着に好走した
ワイルドシャウトも
4連勝の実力が本物であることを証明した。
伸びにくい内枠と重賞初挑戦でハンデ56キロ。いかに上昇馬でも、これはかなり厳しい条件であった。それを克服しての2着なら、2番人気の支持にも応えたと言えよう。
短距離戦線は中距離路線に比べ、新興勢力が割って入りやすい条件。
この2着でワイルドシャウトは短距離戦線の上位10指に入ったと見てもいいかもしれない。
3着
リミットレスビッドは、CBC賞におけるサンデーサイレンス産駒不振【0・0・2・8】を払拭することはできず。
初連対は翌年以降へ持ち越しとなった。
1番人気で8着に敗れた
アグネスラズベリは、7枠14番、2戦2勝の中京芝1200、斤量54キロと、条件的には好走できるはずだった。
道中、押っつけ通しで追走に苦労したのは、前走のヴィクトリアマイルがスローペースだったせいもあるだろうが、
本質的にはテンの忙しい1200は向かない。
1400~1600で末脚を活かす競馬の方が、重賞制覇に早く近づくように思う。
今年からハンデ戦に生まれ変わったCBC賞。レース前は疑問を持ちたくなる各馬の斤量設定ではあったが、結果を見れば妥当であったかもしれない。