古豪の執念と若僧の意地。今年は11年前の再現だったか
トップハンデ59キロを背負った
メイショウカイドウが1着、次いで重い
57.5キロを背負った
コンゴウリキシオーと
グラスボンバーで2、3着。
酷量と言われた斤量を背負いながら、上位3頭の人気は順に3、1、2番人気だった。
ハンデキャッパーと、馬券を買ったファンの目が確かだったと言わざるを得ない。
それにしても、
メイショウカイドウは強かった。道中後方からという、いつもの競馬とは打って変わり、内々の好位をスムーズに追走。4コーナーで
武豊騎手の手が動くのはいつも通りであったが、直線で外に持ち出すと、グングンと加速して差し切り勝ち。
59キロを背負って七夕賞を制した馬は、今年で
42回を数える歴史の中でも存在しなかった。
メイショウカイドウが勝つ以前、もっとも重い斤量を背負って七夕賞を制した馬はというと、
95年フジヤマケンザンの
58.5キロだった。
7歳での勝利、
500キロを超える大型馬、
レース当日が7月9日……
メイショウカイドウ、
フジヤマケンザンには不思議とそんな共通項が見い出せるが、偶然だろう。
一方、1番人気で2着に逃げ粘った
コンゴウリキシオーも、手綱を取った
岩田騎手も立派だ。
金鯱賞ではほぼノーマークであったのに対し、今回は15頭すべての標的となるのだから。
金鯱賞と
七夕賞で、
コンゴウリキシオーが刻んだ前後半1000mの時計を比べてみると、
59.8-59.5と
59.0-60.5。
金鯱賞より
七夕賞の後半のタイムが落ちているのは、飛ばして逃げたことと、外を回ったことの代償だろうが、それでも踏ん張り、3着以下は完封したのだ。
七夕賞において、成績が芳しくない
4歳馬、加えて
1番人気である。遡れば、02年コイントスも3着に敗れた。01年トーヨデヘアも13着に敗れた。98年ランニングゲイルも14着、96年プレストシンボリも7着……。
だが、95年4歳馬で1番人気に推された
インタークレバーは、フジヤマケンザンの2着に健闘した。偶然だろうが、
行き着くのはやはり95年。
古豪の執念と
若僧の意地が激しく衝突する。図らずも今年の
七夕賞は、
11年前の再現を見たような錯覚があった。