チャーミングな女の子にことごとく覆された先入観
競馬とは
先入観の連続である。レース検討における先入観が
吉と出る場合もあれば、当然、
凶と出る場合もある。馬券を買っている人間であれば、誰しも経験をしたことがあるはずだ。
函館2歳Sを制した
ニシノチャーミー。父は名スプリンターの名をほしいままにした
サクラバクシンオーである。ところが、函館2歳Sにおけるサクラバクシンオー産駒の成績は
【0.2.1.6】で勝ち馬は出ていなかった。
03年は単勝1.8倍の1番人気だったナムラビッグタイムが5着。
「能力が抜けている。さすがに勝つだろう」と感じさせた昨年のアドマイヤカリブですら、単勝1.3倍の1番人気で3着と苦杯をなめた。
「函館2歳Sではサクラバクシンオー産駒は勝てない」ニシノチャーミーによって、その先入観は見事に覆されることとなった。
2着
ローレルゲレイロもそうだ。前走はOPのラベンダー賞で、インパーフェクト、エイシンイッテンの後塵を拝して3着に敗れていた。過去10年の函館2歳Sにおいて、前走3着以下だった馬は
【0.0.0.20】と散々な成績だったにもかかわらず。
「ローレルゲレイロは馬券に絡むことはないだろう」先入観が凶と出る時は、得てして同時に起こるものである。
当然ながら、馬券はてんで的はずれ。39万8030円という3連単の配当を、ただただ指をくわえて見つめるばかり。
それにしても、ニシノチャーミーの
1分10秒3という勝ち時計は優秀。過去10年の函館2歳Sでも、97年のアグネスワールド(1分9秒8)に次いで第2位の時計である。粒揃いのメンバーが揃ったという印象を、勝ち時計が実証してくれた。今年の一戦は水準以上のレベルにあったと思う。
だからこそ、人気を裏切る結果にはなったが、エーシンダームスン(1番人気14着)やインパーフェクト(2番人気6着)の評価を下げる必要はないだろう。そもそもが、デビューして間もない2歳馬。この先、いくらでも変わり身を見せるはずである。
「函館2歳Sの出走馬を着順だけで評価してはいけない」その先入観がいつの日か、吉と出ることを信じて……。また来週から出直しましょう、同志たちよ(笑)。