サマースプリントシリーズは、“裏”にも注目しましょう
今年から始まったサマースプリントシリーズは、この
北九州記念が第3戦目。ここまでのポイント上位は、
1位
サチノスイーティー 11p2位
コスモフォーチュン 10p2位
ビーナスライン 10p4位
ホーマンテキーラ 7p5位
ゴールデンキャスト 5p5位
シーイズトウショウ 5p5位
マリンフェスタ 5pとなっている。
ポイントは着順ごとに付与されるもので、出走すれば
最下位でも1pが加点される。そのため、
アイビスサマーダッシュを勝ちながら今回の
北九州記念で
ブービーに敗れた
サチノスイーティーが、1p差でトップに立っている。
まあ、ここまでは各レースの勝ち馬が上位にいるだけで、別に面白くもなんともないと思うだろうけど、これは
“表”の顔ですから。
“裏順位”を見れば、興味がわく人も増えるんじゃないだろうか。
サマースプリントシリーズの
“裏順位”は、こうなっている。
1位
サクラバクシンオー 26p2位
フジキセキ 14p3位
マイネルラヴ 12p4位
カリスタグローリ 11p5位
ウォーニング 6p5位
タイキシャトル 6pカリスタグローリこそサチノスイーティー1頭の点数でランクインしているが、他の5頭は複数頭の合わせ技でポイントを重ねている。
フジキセキと
マイネルラヴは
3頭での合計、
サクラバクシンオーなどは、
3戦で計6頭が出走して26pを稼ぎ出している。
こうしてみると、
芝の短距離重賞で上位に来るには、その種牡馬にある程度の短距離実績が必要なんだ、と感じさせられる。
2戦を残して12p差なので、
サマースプリント“裏”シリーズの優勝は
サクラバクシンオーで決まり! と言いたいところだけど、実はそうもいかない。
というのも、サクラバクシンオー産駒はこの3戦で
[0.2.3.2]と優勝ナシ。サマースプリントシリーズのシリーズチャンピオン規定が
「合計13p以上で、かつ1勝以上した馬の最多ポイント獲得馬」となっているので、それを“裏”にも当てはめると、規定から漏れてしまうのだ。
「大外でもいい、賞金もいらない。だからオレをキーンランドCに出してくれ!」と今頃、サクラバクシンオーは
社台スタリオンステーションで叫んでるかもしれません。もう17歳だけど(笑)。
北九州記念で重賞初制覇を飾った
コスモフォーチュンは、
マイネルラヴの初年度産駒。2歳夏に小倉でデビューし、3戦目にこのコースで初勝利を挙げている。マイネルラヴ産駒として、3頭目の勝ち上がりだった。
その時の勝ち時計が
1分8秒1。今回が
1分8秒0なのだから、いかに早くからスピード能力に秀でていたかが分かる。
その上、前走、
雨で重馬場となった新潟直線1000mを楽勝しているように、
荒れた馬場も苦にしないタイプだった。コスモフォーチュン以外の13頭が馬場のいい外を選んで走る中、1頭だけ
内の経済コースを逃げ切った。
これはもちろん
軽ハンデの恩恵もあってのこと。鞍上の
角田騎手も当初からそれを狙っていたようで、
「有力馬が外を回ると思っていたし、枠順も内だったので内に入って軽ハンデを活かして粘りたいと思っていた」とコメントしている。
ジョッキーのインサイドワークの勝利でもあった。
マイネルラヴ産駒は先週までで
55勝を挙げているが、そのうち
23勝が芝1200m。そういえば
マイネルラヴ自身もスプリンターズSを制している馬だった。しかもよく考えたら、
コスモフォーチュン以外の2&3着馬も、父がスプリンターズS勝ち馬じゃないか。
サマースプリントシリーズの残り2戦は、まずは
“裏順位”の上位種牡馬の産駒を見つけて、そこから検討を始めた方がいいのかもしれない。