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データをあっさり覆すサンデー産駒は星一徹!?

北海道旭川市にある「旭山動物園」では、動物の生態を観察するために、様々な仕掛けがなされている。「行動観察」なるものらしいのだが、あざらしが円柱水槽を上下に往来したり、ペンギンが水中トンネルを遊泳をしたり、ほっきょくぐまが巨大プールにダイブしたり。ああ、ものすごく観たい(笑)。

「行動観察」ということでは、クイーンSで驚かさせたことがある。それはデアリングハートの勝利だ。1勝馬の身で、フィリーズレビュー2着桜花賞3着NHKマイルC2着と、重賞で再三好走を見せてきた同馬。だが、2勝目はなかなかに遠かった。

なるほど、「デアリングハートは善戦止まりのタイプだから、2着3着はあっても勝利まではない」と言いたいのだろうと。いや、実はそうではない。確かに1勝馬の身で、重賞でもずっと善戦を続けていたら、それはそれで愛すべき個性派。そうあってほしいと思う気持ちは、心の奥底にあったのは事実。でも、違う。

デアリングハートは父サンデーサイレンス母父ダンチヒという配合。実は、この配合の牝馬は芝1400m以上の重賞で【0.3.6.24】と勝ったことがなかった。芝1200mではスプリンターズS(02年)や高松宮記念(03年)を制したビリーヴの存在が大きいが、【4.3.0.5】と滅法強いのに、1400m以上になるとなぜかぱったり勝てなくなる。

長きに渡り、サンデーサイレンス×ダンチヒの産駒を観察してきた者として、デアリングハートの勝利は、予想外の事態、衝撃の事態だった。重賞に限らず、条件戦を含めても、芝1800mでは【0.0.1.26】だったのに。

しかも、レースの内容がまた濃い。アズマサンダースが飛ばしたことで、前半1000m通過が58秒2のハイペース。それを好位から早めに先頭に躍り出て、上がり35秒9の脚で押し切り。後方からマクッて進出したヤマニンシュクルの上がりと同タイムなのだから。

勝ち時計1分46秒7もコースレコードタイ。紛れや漁夫の利による勝利ではない。自分から勝ちに行って掴んだ勝利。もはやぐうの音も出ない。デアリングハートの2勝目は、自身の進化を証明するに止まらず、サンデーサイレンス×ダンチヒ牝馬の固定観念すらも打破することとなった。

それにしても、サンデー産駒は、精魂込めて作ったおかずがいっぱい並ぶちゃぶ台をひっくり返すように、せっかく収集したデータをあっさりと覆す。星一徹ですかっ、あなたは!?(笑)

ああ、「旭山動物園」「行動観察」で癒やされたい(笑)。

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