血統とレース内容は“G1級”を指し示す
新潟2歳Sを制したのは、新種牡馬
タニノギムレット産駒の
ゴールドアグリ。これで、新馬から無傷の2連勝となった。
レースを使って使って、勝ったり負けたりを繰り返して強くなる。
叩き上げタイプが多いロベルト系(主にブライアンズタイムから派生する系統)にあって、2歳夏にデビューから2連勝で重賞を制するというのは、ちょっと違和感を感じなくもないが。
それでも、3歳春までに芝1600mで強い競馬ができるロベルト系というのは、実はG1級の素質を裏付けるひとつのポイントでもある。
ゴールドアグリの父にして、ダービー馬である
タニノギムレット(父ブライアンズタイム)は、
未勝利→
シンザン記念→
アーリントンCで芝1600mを3連勝していた。
クラシック三冠すべてを圧勝で飾った
ナリタブライアン(父ブライアンズタイム)は、2歳暮れの
朝日杯3歳Sでも1分34秒4の好時計で圧勝していた。
宝塚記念を制し、
皐月賞と
ダービーで2着だった
ダンツフレーム(父ブライアンズタイム)もまた、3歳春の
アーリントンCで勝利を挙げていた。
そういった観点で見れば、
ゴールドアグリの未来は実に明るい。
では、
上がり3Fという観点ではどうか。
●新潟外回り芝1600mの2歳戦の上がり3Fランキング1位 32秒9サクラメガワンダー(05年8月)
2位 33秒0ゴールドアグリ(06年9月)
ショウナンパントル(04年9月)
ミステリーゲスト(04年7月)
5位 33秒3マイネルレコルト(04年9月)
1位の
サクラメガワンダーは、のちに
G3・ラジオたんぱ杯2歳S(05年)を勝利。2位の
ショウナンパントルは、
G1・阪神JF(04年)を勝利。5位の
マイネルレコルトは、
G1・朝日杯FS(04年)を勝利。
ゴールドアグリが計時した
上がり3F33秒0。そのパフォーマンスは、単なる数字上での優秀さを現わすだけでなく、その先にある大舞台にも直結するのだ。
血統とレース内容から、ゴールドアグリを分析すると、両者の答えは
“G1級”であることを示している。
父タニノギムレットを彷彿とさせる、
大きな流星がトレードマークのゴールドアグリ。今日の勝利とともに、その輝かしい未来を祝って、君に乾杯しよう。