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人気こそ天と地ほど違えど、キネティクスのパフォーマンスは昨年とほぼ同等

ダービー卿CTは15番人気3着、シリウスSは11番人気3着、そして富士Sは16番人気1着。1年の重賞のうち、二桁人気で3回も馬券に絡んだ馬なんていたのだろうか。

キネティクス恐るべし。だが、この人気のなさは不当すぎるような気もする。マイル重賞でのパフォーマンスで言えば、昨年の1番人気でなくても、6番人気以内に入っていてもおかしくはないだろう。

それなのに、マイル重賞初挑戦で、しかも重賞勝ちがないスズカフェニックスエアシェイディが1、2番人気。

「この道で俺は何年やってると思ってんだ!?」キネティクスが憤慨したかどうかは定かでない。だが、直線で好位から強気に抜け出し、迫り来るエアシェイディスズカフェニックスを退けた競馬を観ていたら、マイル重賞常連馬の意地が、感じ取れたような気がした。たぶん、気のせいだろう。

昨年の富士Sでは1番人気で3着に敗れたキネティクス。去年と今年で前後半800mの通過タイムを比較すると、ほとんど同じことに気づく。

05年富士S
46秒6-46秒3

06年富士S
46秒6-46秒2

キネティクスの走破時計は、昨年は1分33秒1、今年は1分32秒8。人気こそ天と地ほど違えど、昨年と同じ流れで、昨年と同じパフォーマンスをしたに過ぎない結果。7歳にして、能力に衰えなし。

一方、またしてもあと一歩のところで重賞制覇を逃してしまったエアシェイディ。ほぼ最後方の位置取りから、スズカフェニックスと並び、メンバー中最速となる上がり3F33秒3の脚で鋭進。

これだけの決め手を発揮できるなら、適性は中距離よりマイルの方が高いかもしれない。サンデーサイレンス×ノーザンテーストという配合の牡馬では、デュランダルダイワメジャーアドマイヤマックスといったマイル活躍馬がいるが、エアシェイディもいずれはその代表馬の一角に加わる可能性はある。

スズカフェニックスは母父がフェアリーキングだが、上がり33秒3の決め手は光っていた。これで、芝10戦中9戦でメンバー最速上がりを計時したことになる。道中はエアシェイディよりさらに後方に陣取り、大外から3着に急追。ゴール前ではエアシェイディと脚色がいっしょになってしまったが、こちらもマイル適性は高そうだ。

キネティクスエアシェイディは今後、マイルCSを目指すことになるのだろうか。過去5年、富士SからマイルCSに臨んだ馬の成績は[1.0.0.17]。唯一の好走馬は02年1着のトウカイポイントのみとなっている。

マイルCSとの関連性は極めて低いと言える富士S。果たして、今年はそのマイナスデータを覆す馬が現れるのかどうか。ここ3年連続で、サンデーサイレンス×ノーザンテースト配合馬がマイルCSで連対していることを考えると(03年1着デュランダル、04年1着デュランダル、05年2着ダイワメジャー)、期待できるならエアシェイディ!?

そうやってついつい期待してしまう存在が、サンデー産駒ということなんでしょう。人気になるわけだ。

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