ダート界に新風を! 若駒たちよ、大志を抱け!!
2番手追走から、残り1Fまで持ったままの手応え。
初の1600もまったく問題にしなかった
シーキングザベスト。
1分35秒3という勝ち時計も、クロフネの1分33秒3という破格のレコードは別として、例年と比較しても遜色はない。まさに完勝だった。
前3走では、
北海道スプリントC(交流G3、札幌ダート1000m)2着、
プロキオンS(G3、京都ダート1400m)2着、
東京盃(交流G2、大井ダート1200m)2着。惜敗続きにようやくピリオドを打ち、重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
今回のレースぶりを見るかぎりでは、1600mは問題ないどころか、
母父サマースコールの後押しがあるとすれば、距離は
2000mあたりまで持っても不思議ではない。
サマースコールは現役時代に
プリークネスS(米G1、9.5F)を制するなど、中距離路線で活躍した。その産駒
カリズマティックも、
ケンタッキーダービー(米G1、10F)、
プリークネスS(米G1、9.5F)で二冠を達成するなど、中距離で実績を残していた。
厩舎サイドが今後、
シーキングザベストをどの路線に進ませるか注目だが、少なくとも、距離選択の幅は大きく広がったように思う。
ストームバードの繋がりでいえば(サマースコールの父)、2着の
サンライズバッカスもその父系の産駒(父ヘネシーの祖父がストームバード)。
昨年の武蔵野Sの勝利以来となる連対で、
復活をアピールする結果となった。走破時計も、昨年は
1分35秒2、今年は
1分35秒4とほぼ同等。
間隔を開け、リフレッシュされると好結果に結び付きやすいストームバード系だけに、結果的には
7ヶ月の休養が奏功したのだろう。
未勝利から4連勝、
ダービーGP(交流G1、盛岡ダート2000m)2着、
武蔵野S1着と破竹の快進撃を見せた昨年の勢いが、今後、蘇る可能性もあり得る。
いずれにしても、ストームバードの系統は、
東京ダート1600と本当に相性がいい。05年の
フェブラリーSでも、1着
メイショウボーラー(母父ストームキャット、その父がストームバード)、2着
シーキングザダイヤ(父ストームキャット)が最たる例だが。
来年のフェブラリーSで、
シーキングザベストと
シーキングザダイヤがワンツー……なんて結果になっても、驚いてはいけない。
名前も似ている2頭だが、厩舎も同じ
森厩舎で、
血統もそっくり。
シーキングザベスト父
シーキングザゴールド母父父
ストームバードシーキングザダイヤ父父
ストームバード母父
シーキングザゴールドとにかく、
シーキングザベストには、上位勢に変動の少ないダート界に、新風を吹き込む活躍を期待したい。
サンライズバッカスもまだ4歳、3着の
フィールドルージュも4着の
ヒカルウィッシュもまだ4歳。
1番人気で5着に敗れたとはいえ、
フサイチリシャールなんてまだ3歳だ。ダート戦線では、まだピカピカのランドセルを背負っているくらいだろう(笑)。挽回なんていくらでも利くはずだ。若駒たちよ、大志を抱け。