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これで本当に本格化!? サンバレンティンの頂(いただき)はまだまだ先だ!

「なんだよ、堅ぇなぁ……」。そんな嘆き声が聞かれた今年の福島記念④→③番人気での決着で、馬連は2390円だった。確かにかつての福島での重賞と比べると、配当がおとなしい。

でもよく考えると、今年の七夕賞も、メイショウカイドウが勝って③→①番人気での決着だった。ラジオNIKKEI賞⑤→②番人気のワンツー。

実は、人気薄がバンバン来ていたのは「かつての福島重賞」。この地での重賞も、ある時を境にして、人気馬が順当に上位に来やすくなっているのだ。

00年以降、福島での重賞は28レース行われているが、1番人気馬の成績は、02年以前03年以後で、このように違ってくる。

02年以前の12レース
[1.2.1.8]
勝率  8.3%
連対率25.0%
複勝率33.0%

03年以降の16レース
[5.2.2.7]
勝率 31.3%
連対率43.8%
複勝率56.3%

いったい、03年に何があったんでしょう!? おそらくこれは、馬場の影響だろう。

福島開催は、02年までは夏1・秋2で行われていたが、03年以後は春1・夏1・秋1と3分割にされた。

以前、馬場を管理する人に話を聞いたら、芝が生育しにくい秋に連続16日間行われていた頃は、そのダメージを回復させるのに苦労したと話していた。それが1開催ごととなったため、その都度、馬場の修繕を施せるようになった。ようやく根付いてきたのは最近のようだが、いずれにしても近年の福島芝は、以前に比べたら実力をきちんと出しやすい馬場になったと言えるのだろう。

今回の福島記念では、荒れた内側の芝を避けるように、各馬は最後の直線で進路を外に取った。そこを伸びてきたのは、いずれも実力を高く評価された人気馬たちだった。

中でも鋭進したのがサンバレンティンだったが、この馬は最内枠からスタートして最後の直線ではいちばん外にいたわけで、騎乗した佐藤哲三騎手をあっぱれと褒めるべきだろう。

インティライミの兄として知られるサンバレンティンは、その勝ち方が非常に豪快で、早くから一目置かれる存在だった。

ただ、レースぶりが大味なため、「いよいよ本格化か!?」と思わせた次走でさっぱり届かないことも少なくなく、なかなか煮え切らない状態が続いていた。

特に佐藤哲三騎手が騎乗した時になぜか伸びず。これまでは[0.1.0.5]という成績だった。

それだけに、重賞初制覇を自分の手で成し遂げられたことにホッとした様子で、レース後、佐藤哲三騎手「この馬で初めて上手く乗れて嬉しいです」と話していた。

通算7勝目、重賞初制覇を飾ったサンバレンティン。いよいよこれで本当に本格化か!?

この言葉を口にするのは、これで7度目かもしれないが、今度は主戦の佐藤哲騎手による開花なわけで、当然、これまで以上に期待したくなる。

「サンバレンティン」とは、南米アンデス・パタゴニアにそびえる高さ4058mの最高峰のこと。サンバレンティンは、現在、4058mのどこに位置しているのだろうか。頂上は、まだ遥か先に違いない。

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