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お父さんの名声を高めよ、サクラメガワンダー!!

意外にも、マルカシェンクが引っ張る展開となったが、前半の1000m通過は61秒2。雨を含んだ芝であったとしても、OPレベルでは完全なるスローペースだ。

内の3番手から抜け出したサクラメガワンダーが1着。ハナを切ったマルカシェンクが粘って2着。内枠だったものの、ホッコーソレソレーが外から差して3着。

対して、8枠のメイショウオウテはメンバー中最速の上がり(33秒2)を使って5着。アサカディフィートはメンバー中3位の上がり(33秒6)を繰り出して6着。

レースの上がりも33秒6では、差し・追い込みを身上とする馬、特にメイショウオウテのように外枠に入ってしまった後方型には、見せ場さえ与えてもらえない厳しい展開となった。

外枠が不利。スローペースの前残り。終わってみれば1、2、3番人気と人気順での決着。フラットでない条件は、次走以降の馬券で妙味を生む要素になり得る。

今回、不発に終わったメイショウオウテアサカディフィートなども条件替わりで巻き返してくるだろう。それはそれとして、馬券ファンは各々に対処していくと思うが、これが新装・阪神の真相なのか!? せっかく好メンバーが揃ったのに、どうもすっきりしない。

さて、気を取り直して。サクラメガワンダーは、昨年12月のラジオたんぱ杯2歳S以来、久々の勝利。春のクラシック戦線や秋の古馬混合重賞では結果を出せなかったが、見事、復活となった。

2歳の暮れに重賞を制し、3歳暮れに復活を果たす。う~ん、どこかで見たことがあるような。

そうです、父グラスワンダーとそっくり。朝日杯FSで4連勝を飾った後、骨折が判明。復帰戦の毎日王冠で5着、アルゼンチン共和国杯で6着に敗れ、暮れの有馬記念で見事、復活を果たしたのでありました。

おそらく、血統的に暮れの中山&阪神が合っているんでしょう。野芝と洋芝の混合芝、上がりがかかる急坂コース、使われつつ調子を上げる時期的な関係……そういった複合要素が絡みあって。

実際、グラスワンダー暮れの中山で3戦3勝(朝日杯3歳S、有馬記念2回)。その産駒も、重賞6勝中、暮れの中山&阪神で3勝を挙げている。

鳴尾記念サクラメガワンダーは勝つべくして勝った。血統で考えると、そう思えてならない。ただ、関西圏で5戦4勝という戦績からは(関東圏では5戦5敗)、Jリーグの浦和レッズ並に、ホームで強いタイプかもしれない(笑)。

ちなみに、今年、Jリーグ初制覇を成し遂げた浦和レッズは、ホームで17戦して15勝2引き分け! アウェイでは7勝6敗4引き分け。ホームで負けなしってすごいなあ。

とにかく、父と同じように復活を成し遂げたサクラメガワンダー。来年に向けての目標は当然、悲願のG1制覇ということになるだろう。

ただ、グラスワンダー産駒はこれまで、G1では[0.0.0.13]と不振……。マイネルスケルツィマイルCSで4着、マイネルレーニア朝日杯FSで5着に敗れた。お父さんはG1で[4.1.0.1]と滅法強かったのに。

もう、ホームもアウェイも関係ない。暮れの阪神、中山だけだなんて言ってられない。種牡馬としてのお父さんの名声を高めるためには、サクラメガワンダーもひと肌脱がなくてはいけないのだから。

いつか、鳴尾記念がその足がかりだったと思わせてくれ、サクラメガワンダー。そうなれば、今回の勝利にも納得がいく。

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