フェアリーSは、金太郎アメのようにどこを切っても同じ顔(笑)
単勝102倍の13番人気だった
アポロティアラが1着、2着に6番人気の
サンタフェソレイユが食い込み、大波乱となった
フェアリーS。
クーヴェルチュール(1番人気10着)、
ニシノマオ(2番人気3着)、
カノヤザクラ(3番人気5着)といった人気どころが、期待されたほどの走りを見せることなく、
伏兵陣が台頭する結果となった。
過去の数字上での結果と照らし合わせば、
「そうなるのは予想の範囲内なのに……」という感じなのだが、やっぱりなかなか馬券に結びつかない。
フェアリーSは簡単のようで難しい。
過去の数字というのは、以下のこと。今年と過去5年の結果を比較してほしい。
06年勝ち馬
アポロティアラ(⑥番枠)
前半3F 33秒5
1000m通過 56秒7
上がり3F 35秒9
勝ち時計 1分9秒4
01年勝ち馬
サーガノヴェル(③番枠)
前半3F 32秒5
1000m通過 55秒3
上がり3F 35秒9
勝ち時計 1分7秒8
02年勝ち馬
ホワイトカーニバル(⑧番枠)
前半3F 33秒3
1000m通過 56秒8
上がり3F 35秒9
勝ち時計 1分9秒2
03年勝ち馬
マルターズヒート(⑧番枠)
前半3F 33秒5
1000m通過 57秒3
上がり3F 35秒7
勝ち時計 1分9秒2
04年勝ち馬
フェリシア(③番枠)
前半3F 33秒2
1000m通過 56秒5
上がり3F 35秒3
勝ち時計 1分8秒5
05年勝ち馬
ダイワパッション(③番枠)
前半3F 33秒3
1000m通過 57秒0
上がり3F 36秒5
勝ち時計 1分9秒8
ひと桁馬番の馬が勝っているのは過去5年と同じ。前半3Fのラップもだいたい
33秒前半、1000m通過は
57秒前後、上がり3Fは
36秒前後、勝ち時計はほぼ毎年
1分9秒台。
数字で見た
フェアリーSは、
金太郎アメのようにどこを切っても同じ顔(笑)。今年の結果も例に漏れなかった。
「そうは言っても、アポロティアラの激走を予想するのは無理でしょう」となりそうだが、確かに。前走の
サフラン賞で12着に負けているし、推奨するには強調材料に欠く。
ただ、
アポロティアラは3走前の
中山芝1200で①番枠からハナを切る競馬を試み、4着に負けていたのだが、その時は前半3Fが
33秒5、自身の上がり3Fは
35秒7、走破時計は
1分9秒4。……あれ、
フェアリーSとそっくり!?
『メインレースの考え方』では、
前半3Fが33秒台後半、後半3Fが35秒台後半から36秒台というパターンが多く、そういったペースの「500万より上のクラス」で実績を挙げていた馬を上位に見たいとしたが……
アポロティアラは
未勝利戦だったので漏れてしまい……。
アポロティアラは、急激に力をつけたわけでもなく、能力を隠していたわけでもなかった。もちろん、
勝浦騎手の好騎乗も光るのだが、自分の持てる実力をきっちりと発揮しただけ。
500万以上と線引きをしていなければ、と非常に悔やまれる。
では、2着の
サンタフェソレイユはどうか。
「1200が初めてで、しかも外枠というハンデもあったじゃないか。どうして好走したの?」という疑問もあるでしょう。
はい、おっしゃる通りです。芝1200で速い流れの経験もなく、距離ロスのある外枠。
フェアリーSのセオリーから言えば、まず
「消し」が妥当でしょう。
●フェアリーSの過去5年の馬番別成績1枠
[0.1.2. 7]2枠
[3.2.0. 5]3枠
[0.0.2. 7]4枠
[2.1.0. 7]5枠
[0.0.0.10]6枠
[0.0.1. 9]7枠
[0.1.0. 9]8枠
[0.0.0.10]この成績を見ると、
フェアリーSは真ん中より内の枠の馬だけで競馬をしている感さえある。
ただ、7枠で2着だった02年の
ソルティビッド、6枠で3着だった03年の
アドマイヤマジック、そして、今年の
サンタフェソレイユ。この3頭にはあるのだが、10着の
クーヴェルチュールにはないという、ひとつの共通項があるのだ。
それは
前走が芝1600だったということ。芝1200のレースではハイペースになると、
外枠の距離短縮馬が好走するシーンをちょくちょく目にする。おそらく
フェアリーSでも、大外をぶん回して外から差して来るには、
1600を走れるくらいのスタミナが必要なのかもしれない。
デビューから1600を中心に使われていたように、
サンタフェソレイユは
1200対応のマイラー。対して、芝1200で3勝を挙げている
クーヴェルチュールは、
生粋のスプリンター。この差が、2頭の明暗を分けた要因のように思う。
その他、来年以降への教訓としては、
バクシンオー産駒は2歳芝1200重賞に案外、縁遠いということか。
ニシノマオが3着、
カノヤザクラが5着。これらを含め、
[1.3.2.18]というのが
バクシンオー産駒の2歳芝1200重賞での成績となった。レベルの高い関西圏で実績を挙げた2頭を持ってしてもこの結果。その意味は大きいだろう。